7/31/2016

ロベール・マレ=ステヴァンスの設計した消防署


La caserne de pompiers dessinée par Robert Mallet-Stevens

個人の私邸の設計ばかりをやったロベール・マレ=ステヴァンにしては珍しく、パリ市から依頼を受けて作った公共建築がパリに1つあります。16区の消防署で、1936年に作られました。
L字型の建物のちょうど要に当たる場所に高い塔が見えます。この塔は非常階段だそうで、水平に並んだファサードの窓、建物の角に直角に配置された窓など、まるでマレ=ステヴァンのサインのように彼独特のスタイル。
なんとなくかわいいブルーの扉と、カラフルな石のドアストッパー。石のレリーフはパリ市の紋章。消防士の詰所、オフィス、訓練用の体育館、食堂、寮、家族用のアパート、屋上には子供達の遊び場もあります。用途に応じで各スペースが色分けされているそうで、中が見られないのがとても残念!。
 
Caserne de pompiers   8 rue Mesnil 16e

7/27/2016

レ・グラン・ヴォアザン/ 注目のマルチ・コミュニティー


Les Grands Voisins/le nouveau espace multiple et expérimental de Paris

古い設備を近代化する工事費が高すぎるため、他の病院に分散したサンヴァンサン・ド・ポール病院の敷地を、取り壊しになるまでの間、移民や貧しい人の仮住居を提供するチャリティー組織や多数のアソシエーション、職人のアトリエやミニブティック、チャリティーの古物ショップ、手作り教室、園芸ショップ、エコロジーグループ、カフェなどがごくごく安い価格で借り受け、仲のいいマルチ・コミュニティーを形成して話題になっています。名前は ″レ・グラン・ヴォワザン″ パリの中で3.4ヘクタールもの大きなスペースを存分に使い、安い材料ばかりを集めて、みんなで手作りしたユニークな ″村″ は、人が集まり、語り、くつろげる場所が一杯。お金が無くても、カフェで何も注文しなくても、沢山の椅子にゆっくり座って楽しい時を過ごすことが可能な、大都市ではいまどき貴重なスペース。新しい企画のレンタル希望者やボランティアの候補者も大歓迎。

マダム・ペチュラの花屋さん。以前ブログでご紹介したラ・ルシクルリで園芸教室をやっているマダムです。
もちろん全てエコロジック
床屋さん
元病院のリネン置き場ランジェリーを改造したカフェ・ランジェリー
大資本が乗り込んだりしてブランシェなフードコートになってしまわず、どのコーナーも素朴でナイーブな雰囲気がしてほっと和みます。本番の建設までの仮住まいなので、建設が始まれば立ち退かなくてはなりませんが、せっかくのコミュニティーの解散は惜しいという声が多数。さてどうなるでしょうか?

Les Grands Voisins, Ancien hôpital Saint-Vincent-de-Paul, 82 Av.Denfert-Rochereau 14e  http://lesgrandsvoisins.org/

7/20/2016

ヨナ・フリードマン/ モジュールで動きのある住居


Yona Friedman/ l'architecture mobile et vivante

新聞で面白いデッサンを見つけました。解説を読むとハンガリー生まれでフランスに帰化した建築家、ヨナ・フリードマンのデッサンだということで、早速建築・文化財博物館に見に行ってきました。
ヨナ・フリードマン(JF)は世界が高度成長期に突入し、住居不足で団地が沢山建てられた時代に、平均的な人間は存在しない、だから万人にフィットする平均的な住居も存在しない。個々の住居は住む人各自の好みで決めるべきで、建築家が良いと思ったものを、全部の住人に押し付けることは間違いである。ゆえに建築家の使命は、出来る限り各自が自由にアレンジできるような、フレキシブルで動きのある構造の建物を建てることにあるとの信念をもって活動した建築家、社会学者。

空中都市を考案するなど、長い間ユートピア主義者と思われていましたが、1950年代にすでに現在の都市像を予測し、未来の都市の持つ問題点と、その実現可能な解決策をも考えていたらしい。このような社会学者の面とは別に、築の専門家でない私には、写真をベースにコラージュとデッサンをミックスした未来の空中都市の絵に目を惹かれます。因みにYFは高校生の頃から、未来都市の構想をデッサンしていのだそう。
上は自由にフォルムが変わって流動するリングをベースとする未来の空中都市。
下3点は、上からローマ通り、パティニョル通り、ヨーロッパ通り、と実際の場所の写真のモンタージュにコラージュ。ステキなグラフィズム。
 YFの得意なマンガを使ったコミュニケーション。この単純なデッサンもとても面白い!
     
建築プログラム・建築に一番大事なのはそれに住む私、私達だ。家とは何か、外にいる私、家の中にる私、外は雨でも中は快適等、少々哲学的ともいえる内容をマンガで説明。住む人は自分で家をデザインし、作ることとができる、年を取り階段が上がれなくなったら、家を修正すればよい、街は壊すことなく、その時々のニーズに合わせて簡単に変形できるものでなくてはならない・・・
                     

Yona Freidman, Architecture mobile et vivante  http://www.citechaillot.fr/fr/expositions/expositions_temporaires/26193-yona_friedman.html 11月7日まで
Cité de l'Architecture&du patrimoine

7/14/2016

ヴィンテージカフェ、マルシェ・ノワール


Le Marché Noir/ Vintage select-shop-café

マレにまた話題のブティックが登場しました。以前ブログに取り上げたコントワール・ジェネラルを経営するアマー・アイヴィがこの春オープンした、アフリカムードたっぷりのセレクト/ヴィンテージ/サロンドテ、マルシェ・ノワール。
高価な物を使わないシンプルなインテリア。でも勿論さりげなくとても素適。アイヴィ氏はきっとランプが好きなのですね。コントワール・ジェネラルもそうですが、照明の使いがとても上手。上の写真のランプは、よくよく見ると、なんとアパートの入り口に置くココ椰子ファイバーの足拭きマット3枚を重ねたものでした!!
サロンドテの内装は、コントワールジェネラルほどには凝っていないけれど、パリから遥かに遠いアフリカのどこかに来てしまったような楽しい気分にさせられます。バナナなどのグリーンや竹の椅子、高い天井、古びたセメントタイルの床が、古い映画の植民地のカフェのムード。でも話題のカフェにありがちな、僕たちはファッショナブルなんだゾという気取りが少しもなくて、自然体、のんびり・・

ブティックの商品は、フランスやヨーロッパのブランド物のヴィンテージをメインに、アフリカ製のエスニックなアクセサリーがミックス。ヨーロッパの赤十字など慈善団体がアフリカに送る古着の市がトーゴにあるそうで、そこでアイヴィ氏がセレクションし、買い叩かずに通常の価格より高く仕入れ、ヨーロッパに逆輸入しているそうです。このようにして彼は故郷とパリに雇用を起こし、一種のフェアドレードをしています。安く買わなくてもコストの低いアフリカから来るせいか、価格は以外にお手ごろ、物によっては安いくらい。面白い品揃えと、なんといってもこのコロニアル風のヴィンテージという新ジャンルがとてもおしゃれ。因みにマルシェ・ノワールとはブラック・マーケット闇市のこと。

Le Marché Noir  18 rue Perrée 3e 
ブティックとカフェは奥で繋がっていても独立のスペースで、カフェの方は毎日8:00-22:00営業。