5/30/2014

アスリーヌ “世界で最もソフィスティケートな本”


Librairie Assouline 'The most sophisticated books in the world'

堂々と入口のガラス扉に“世界で最もソフィスティケートな本”と書いてある書店アスリーヌは、アート、デザイン、建築、ファッション、トラベルなどの、美しい装丁の本ばかりを扱うエディターです。中にはUltimate collection究極のコレクションという名の、144ページ、35x42㎝と、持ち上げるのがやっとのような大型豪華本のシリーズも。この本の大きさから想定すると、個人宅ならばかなりの豪邸でないと置けない・・ハイソ志向がプンプン。多分5つ星ホテルのデラックススイートルーム、高級ビューティーサロンの待合室、クチュールの仮縫い室などにお得意様が多いのでしょうね。特にデザイナーとファッションに関する写真集が充実していて、手頃な価格の小さいサイズも沢山揃っているのでほっと安心!



          



           

 
手前右のラックにあるのが、大型のUltimate collectioin

Assouline   35 rue Bonaparte 6e  

5/27/2014

オランダ・デザイン・ポップアップ


Dutch Design pOps up

D'Daysは日曜日で終わってしまいましたがもう一つ、オランダのデザイン学校アイントホーフェンを2010年に卒業した若いデザイナーDirk Vander Kooij(DVK)について付け加えたいと思います。DKVは廃品になった冷蔵庫のプラスティックを溶かし、古い3Dプリンターを自分で改良した装置でチューブ状に絞り出してオブジェを作ります。彼の作品オランダのデザイン賞、ベルリン国際デザインフェスティバル賞、ニューヨークのICFFベスト・ニューデザイナー賞など、国際的な展示会で高い評価を得て、世界のトレンディーなセレクトショップ10店舗ほどとネットで販売中。


透明のプラスティックを重ねてインパクトのあるランプ。


鋳型を使わず、チューブ状のプラスティックを重ねて作られます。中が空洞でないせいか見た目よりずっと重く、トップの写真のChubby Chairは10Kg。だからガーデン用の軽いチープなプラスティック家具とちがって、どっしりした存在感があります。
    
廃物のプラスティックといっても無駄にせず、余りで下のハンガーなど小品を作り、最後にプリンターの底に残った素材を全部まとめて、下の丸いサイドテーブルが作られました。このテーブルは型を使っているようですが、色が混じり合って、なかなか素敵な仕上がり。

この展示は元のオランダ・インスティチュートの1階を使っていました。以前のブログでお話ししたようにオランダ文化センターは去年末クローズしてしまいましたが、一部のスペースを借りてオランダ語講座や、このような若いデザイナーのプロモーションなどを続けているそうです。今回はデザインに情熱を傾ける3人のオランダ女性Dutch Design pOps upのイニシアティブに、オランダ大使館が協力して実現したとのこと。

Dutch Design pOps up   Aterier Néerlandais 121 rue de Lille 7e Paris
Dirk Vander Kooij Hemkade 18G-217, 1506 PR Zaandam Holland  http://www.dirkvanderkooij.nl/

5/25/2014

シルヴェラ+カルナヴァレ美術館のエリオット・バーンズ/ デザイナーズ・デイズ No.3

Installation de Silvera et Eliotte Barns au Musée Carnavalet/ D'Days No.3

D'Days最終日
★シルヴェラのブティックでは、イタリアの建築アカデミーの生徒たちの動くインスタレーションが。ずらっと2部屋に並んだ木材のオブジェは、全て透明な糸で下の歯車に繋がり、スイッチを押すと一斉に動くように設定されています。その動きはゆっくりと、伸縮、開閉、上下運動、回転など単純なムーブメントでも、それが幾重にも重なるととても美しい。歯車には鈴やトライアングル、単音の木琴が取り付けられ、それらのかすかな音も加わり、今回のD'Daysのテーマ、ムーブメントにぴったりのポエティックな作品でした。世界的に有名なインテリア会社と若い学生達のコラボは、パリの展示会などでよく見られ、デザイン界に新しい風を吹き込み、次世代の育成にもなり、とてもよいことだと思います。
 
Silvera Poliforme  33 rue de Bac 7e   


カルナヴァレ美術館では、ルイ16世様式の部屋に、元アンドレ・プットマンの協力者だったデザイナー、エリオット・バーンズの作品を配し、王朝風のインテリアと現代家具のミックス&マッチ。
 
Eliotte Barnes 28 rue Aboukir 2e   

5/24/2014

ポール・スミスとカンヌ映画祭速報

Paul Smith et 67e Festival de Canne

ポール・スミスのブティックのショーウインドが、カンヌ映画祭に因んで・・・首に沢山下げているのはアンティーク・カメラ、空港の出迎えなのか、カンヌと行き先を書いたカードを掲げて・・真面目そうで、でもなんとなくちょっとおかしい、ポール・スミスらしいブリティッシュ・ユーモア!

映画祭はつい先ほどフィナーレが終わり、受賞者は、
パルム・ドール賞: “Winter Sleep” トルコのニュリ・ビルジュNuri Bilge監督
審査員賞: “Mommy” カナダのグザビエ・ドランXavier Dolan監督 と “Adieu au langage” フランスのジャンリュック・ゴダールJean-Luc Godard監督が同点で受賞
グザビエ・ドランは弱冠25才の最年少受賞者、ジャンリュック・ゴダールは、ジャンポール・ベルモンドとジーン・セバーグのコンビで大ヒットした“勝手にしやがれ”の、60年代ヌーベルバーグの巨匠。1930年生まれというから今年84才、恐らく最高年受賞者 !!! とにかくこの3つの映画は必ず見なくては・・

Paul Smith   22 Bd.Raspail 7e 

5/23/2014

スエーデンセンター+ブリュッセル・ワロニーセンター/ デザイナーズ・デイズ No.2

Institut Suédois et Centre Wallonie Bruxselles/ D'Days No2

今日はベルギーとスエーデンの文化センターの展示を2つ・・首都のブリュッセルはフランス語圏であっても、デザイン的にベルギーは北ヨーロッパ系なので、両方とも北欧の香りのする、アイデンティティーのはっきりした展示でした。

★スエーデン・センターでは、ファースト・フードと全く逆のコンセプト、“スロー・アート”と題して、忙しい現代で忘れがちな細かい手仕事、気の遠くなるような時間をかけた精密な作品の美しさを展示しています。


左by Sebastian Schildt のカラフは直径30㎝厚さ4㎜のお皿状の銀板を、数種の異なる槌で叩いて作られたもの。1分間に約100打、1時間に6000打叩けるそうですが、それで70~100時間かかる作品。右by Anna Atlerling の“私のバラ園の冠”と名付けられた作品は、0.3㎜の銀泊をカップ状にし、両側から叩いて丸い凹凸を作り、その部分を丁寧にやすりで削って穴をあけた、無数の穴がレース状になった繊細な 作品。                 

 
左Suzy Strindbergは、ほんの小さい薄地のシルクに刺されたびっちり立体的な超ミニ刺繍で、虫眼鏡でディーテールを見られるようになっていました。この作者はもう20年以上も、このようなミニチュアの緑の自然を刺繍し続けているそうで、その細かい仕事は、瞑想に似た作業だそうです。右の作者はメモするのを忘れてしまったのですが、薄く細かいガラスに穴をあけ、フィラメントで繋ぎ合わせたドレス。
展示や催しの外、ここはスカンジナビア風のコーヒーとお菓子の味わえるカフェが有名で、春は中庭にもテラスが出されて人気です。
'Slow Art'  Institit Suédois 11 rue Payenne 3e  https://paris.si.se/ 7月13日まで
http://www.ddays.net/en/exposants/institut-suedois-2

★ブリュッセル・ワロニー・センター(ワロニーはブリュッセルの属する地方の名)は、ベルギーの重要な産業である木材を使用し、ベルギーの風景に独特な趣を添える流れる雲をテーマとしたインテリアの展示です。軽く動きのある形、モジュールで変形する家具に、スポットライトの光でできる本物の影と、切り紙の白い影とが、雲のムーブメントを表現しています。
 
 

ポンピドーセンターの真正面
'La Matière des Nuages' Centre Wallonie Bruxselles 127-129 rue Saint-Martin 4 5月25日まで
http://www.cwb.fr/programme/la-matiere-des-nuages
ttp://www.ddays.net/en/exposants/5886

5/22/2014

ベンシモンとラ・ルドゥットのコラボ/ デザイナーズ・デイズ No1

 
デスクと椅子 by Cristian Mohaded
Collaboration de Bensimon avec La Redoute/ D'Days

今週はデザイナーーズ・デイズ、短くD'Daysディー・デイズと呼ばれる、家具やインテリアのメーカー、デザイン・スタジオ、美術学校、ギャラリーや美術館、外国の文化センターなどが参加して、毎春催されるデザイン・フェスティバル週間。インテリア、デザイン、オブジェなどを一般に公開し、美術学校の生徒も参加しているので若いビジターも多い、オープンなイベントです。今年の総合テーマは“ムーブメント”。パリ市内と郊外のパンタン約100か所に散らばった会場で、それぞれアプローチの仕方が個性的なので、サイトであらかじめ好みの展示と場所を決めて行動しましょう
D'Days展示リストhttp://www.ddays.net/en/expositions

まずはベンシモンが企画し、通販でお馴染みのラ・ルドゥットが製品化したコレクションを見に、Le Lieu du Designルリュードデザイン(デザイン・スペース)というギャラリーへ。カラフルでもトーンを抑えたシンプルでトレンディーな家具は、若いデザイナーの発掘で有名なセルジュ・ベンシモンらしいコレクション。


カーペットby Pool、ベンチby Mark Braun、テーブルby Antoine Phelouzat  
テーブル+椅子グリーンby Pool、椅子ブラックby Antoine Phelouzat  
 椅子by Mark Braun、ラックAntoine Phelouzat 


展示会場のLe Lieu du Design は、昔の工場跡をオフィスやギャラリーにした静かな中庭にあります。中庭のオープンの空間が広いけれど、煙突を含めてユニクロの新マレ店と同じような設計。外から見えなくても、このような建築物は案外まだ沢山残っているのですね。

La Redoute : Le lieu du Design  74 rue du Fbg.Saint-Antoine 12e  25日まで
これらの製品はラ・ルドゥットのサイトで販売中
http://www.laredoute.fr/espace-serge-bensimon-createurs.aspx?ad=1&virtualtool=layer_navigation

5/20/2014

H&Mがインテリア雑貨のH&Mホームをオープン


L'ouverture de H&M Home à Paris

H&Mホームがパリにオープンして話題です。H&Mはスエーデンの会社なので、北欧風のインテリア雑貨がありそう・・とパリジェンヌが待ち望んでいたオープニング!
第一印象のカラートーンはベージュ、ペールグリーン、マスタードをメインに、フラワーやジオメトリープリントが少々加わり、所々にエレクトリックブルーやフシアピンクのポイントカラーと、全体的に落ち着いた大人のムード。ベッドリネン類、キッチン雑貨、バス用品、ローソクやマルチバスケットなどが揃っていますが、プレタの会社なので、布製品に良い物がたくさんありました。特に目立つのはウォッシュをかけヴェンテージ風に仕上げた麻のベッドリネン、クッションカバー、布巾などのシリーズ。トロっとした手触りと、いい色合いのパステルカラーが美しく、同じタイプで外のメーカーのものとは比べ物にならないH&Mプライスなのもうれしい。

  
  

オープンして何年にもなる先輩格ザラのインテリア、ザラホームは、同様にプレタの会社のメリットを生かしてテキスタイル類に良い物が揃い、レースやカットワーク、スパンコール使い、珍しいファブリックやパッチーワークなど、スペインの会社らしくプラスアルファのディーテール重視のデザインが特徴です。こうしてみるとお国柄、会社のスタイルがどちらの会社もはっきり表れているのが面白いですね。ザラの方はこのディーテールがユニークなのに対して、H&Mはイケアやその他のブランドと、価格面デザイン面でどのように差別化してゆくかが今後の発展のカギになるかも・・・

H&Mの若い客層を狙ったポップデザインの雑貨も


この新店舗は総面積が1000㎡、ホームのコーナ―は250㎡で、ファッションとインテリア両方のショッピングができるのが魅力。パリの中心からちょっと離れた、新開発中の13区セーヌ河岸にあります。この辺りはオーステルリッツ駅後方の貨物の操車場などがあった地区で、フランソワ・ミッテラン図書館ができ再開発が進んでいました。広い直線の大通りには近代的なビルが並び、新しいパリの側面を見ることのできる地区です。

H&M Home  115 Av. de France 13e  http://www2.hm.com/fr_fr/maison.html