9/29/2014

ラ・メゾン・ルージュのローズベーカリー

Rose Bakery/ La Maison Rouge


今さらブログに取り上げることもないか、と思うように語りつくされたローズベーカリーですが、やっぱり書きたくなったので書きます。パリには4軒あり(日本にももう3店舗くらいあるようですごい!)、私が好きなのはラ・メゾン・ルージュの中にあるお店。寒かった8月の後、今月はインディアンサマーのよいお天気が続いたので、ここのテラスでおいしいケーキを食べるつもりで行ったのですが、テラスは満席、待っていても誰も立たないので仕方なく屋内へ・・しかもここは早く閉まることをうっかり忘れていたので、“ホットドリンクはお終いです”とギャルソンに言われ、コーヒーをあきらめてのティータイムでした。

手前のバナナケーキは予想通りの味でgood、むこうのナッツとプラムが入ったケーキは予想以上で最高

  
   

ラ・メゾン・ルージュはいつも面白い展示をする、美術館というありきたりの名詞を使うにはカッコよすぎるスペースで、これについてはいずれまた書きます。

現代アートの豊富なコレクションが並ぶラ・メゾン・ルージュのブックショップ

Rose bakery/ La Maison Rouge 10 Bd.de la Bastille 4e  

9/24/2014

エアフランスのフランス・イズ・イン・ザ・エアー




France is in the air

エアフランスが80周年を記念し、グランパレで“フランス・イン・ザ・エアー”を開催したので、昔の制服やポスターを見てきました。
上の写真の制服は左から1954年Gerorgette de Trèseジョルジェット・ドゥ・トレーズ、1963年クリスチャン・ディオール、1969年クリストバル・バレンシアガ、1987年メゾン・カルヴェン。どれも時代を反映しておもしろいですね。帽子と胸に付いている記章は、軍隊と同じ金糸で凹凸のある精巧な刺繍。今でもパイロットの制服は帽子と袖口に刺繍が縫い込んであるけれど、スチュワーデスは今みなバッジだったような(記憶ナシ)・・・尚右の89年のカルヴェンのは金属のブローチ式のバッジです。
バレンシアガとディオールのはとてもかわいく、5-60年代がクローズアップされているので復活させればいいのに。

       
1993年ニナ・リッチのコンコルド用と1976年ジャン・パトゥ


しばし立ち止まってしまったのはこのレトロなバッグの展示の前。そういえば昔の映画などに出てきました、エリートしか飛行機に乗れなかった時代は、このバッグを持つのがステータスだったのです。アメリカなのでパンナムだけれど、
ディカプリオの映画キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンCatch me if you canを思い出してしまった!



この展覧会、80年記念にかこつけたエアフランスの大々的な宣伝なので短期間(21日で終了、早く書かずにすみません!)、多分オールAFの自費展示、入場無料、入口ではAFの制服を着た人が“よくいっらっしゃいました”と笑顔で迎えてくれます。日本と違って丁寧に挨拶して頭を下げるエレベーター嬢など絶対いないフランスでは、本当に珍しい事。会場内も制服のAF職員が沢山いてアシストの態勢も完ぺきで、やっぱりサービスが売りの民間企業は違うと思いたいところ・・・実は先週からエア・フランスは大ストライキ中。ローコストの子会社をポルトガルに作ることにパイロット達が反対しているのですが、ビジネスマンや旅行者はもちろん被害は広範囲に及び、AFは日毎に莫大な損失が嵩み信用がた落ち。いかにもフランスらしいドタバタで、今のところ金曜日まで断固としてスト続行の見通し。

9/22/2014

スティルの創始者テオ・ファン・ドゥースブルフの家/ ムードン

Maison-Atelier de Theo Van Doesburg à Meudon

今週末はジュルネ・デュ・パトリモアーヌJournée du Patrimoine“文化遺産の日”でした。春と秋の年2回週末2日間に、普段一般が入れない歴史的建造物がフランス中で公開される催しで、プライベートのお城や、教会、僧院、学校、大統領官邸をはじめとする政府の建物、電気水道交通などのテクニカルな施設を見学することができます。

今回私はパリ郊外ムードンにある、テオ・ファン・ドゥースブルフのアトリエ兼住居を見て来ました。テオ・ファン・ドゥースブルフはオランダで1917年に雑誌デ・スティルを創刊し、モンドリアンに代表される彼らの運動デ・スティルの創始者です。ユトレヒト、ワイマール(バウハウスに大きく影響を与える)を経てパリに1923年に移住し、ムードンのこの家を1929年~31年に建てましたが、彼は31年に急逝しています。以後未亡人が住み、彼女がオランダ政府に家を寄贈して現在に。


正面からは仕切りで見えない入口階段
黄色のシャッターのあるファサード側の棟は住居、裏庭に面した棟は吹き抜けで、片側は天井まで大ガラス窓のアトリエです。住居の内部は自由に変形できる空間でなくてはならないという彼のセオリーに従って、住居側2階は、蝶つがい部分を軸にして回転する幅広のドアによって、2部屋が1部屋になったりと、その時の必要に応じて区切られるようになっています。また資金が厳しかったため、藁を素材とした壁材を使用、外側は漆喰、内側は石膏で固めているので、藁の状態を保つために通気口が沢山あります。資金難、加えて彼の余計な家具は置かないという主義で、アトリエ、夫人の部屋、キッチンには、どっしりと床に固定され建物の一部になっているコンクリートのテーブルがありました。アトリエ以外は、角に丸みを付け、黄色に塗られた厚さ10㎝以上ありそうな分厚いテーブルはとてもかわいく、家の内部は写真撮影禁止だっのが残念です。キッチンは流し、戸棚ともに骨組みはこれもコンクリート製。

上の図の屋上のテラスの床にあるモンドリアン風の四角は、階下の天井を飾るステンドグラスです。モンドリアンの作品かと思ったら、ファン・ドゥースブルフ自身の作で、説明して下さったオランダの方によると、この有名なキューブの元祖は、どちらかというとファン・ドゥースブルフの方なのだそうです。

ジュルネ・デュ・パトリモアーヌは毎回オープンする場所が変わるので、事前にインターネットで調べたり、各市庁等で出しているパンフレットを見なが散策します。人気の場所は長い列ができ、事前にネットで予約が必要なところもあるので要注意。中小規模の所なら大体スムーズに入れるはずです。ファン・ドゥースブルフの家など、いつも前を通っているのに知らなかったからというご近所の人達もいて、静かで和やかな場所も沢山あります。


ムードンへ行ったもう1つの目的は散歩です。2つの丘に囲まれ、谷底に当たる所に郊外地下鉄RERの駅があり、パリ市内から15分くらい。一方の丘の上には森をバックにエコ菜園のあるお城、もう一方の丘は天文台と、その周りを囲んだテラス式の大きな公園があり、上記写真はこのテラスから撮りました。左手にはパリが一望できます。西南の方で局地的な夕立があった後で、空にはかすかに虹が!
Maison-Atelier de Theo Van Doesburg  29 rue Charles Infroit 92190 Meudon
普段は一般公開されていないので、興味のある方はムードン市庁の文化財課musee.arthistoire@mairie-meudon.frに連絡してみてください。

ムードンへはRER C線ヴェルサイユ行きでMeudon Val-Fleury駅下車。外に国鉄Meudon駅、市電T2のMeudon-sur -Seine駅がありますが、RER が一番便利でしょう。

9/19/2014

オーラ・カイリーのモノプリコレクション



Orla Kiely pour Monoprix

オーラ・カイリーのコレクションがモノプリで販売中です。キッチン用品に、ポーチ、バッグ、ストールなどのアクセサリーが、嬉しいモノプリ価格。彼女のオリジナルコレクションの方はかなり高いので、前回のユニクロとのコラボに続いて、この誰でも買えるコレクションによって、ますます人気が高まりそうです。

9/16/2014

東京にて/上野から谷中へNo.2 横山大観記念館、根津とうふ工房須田

Escapade Tokyo/ de Ueno à Yanaka No.2

★横山大観記念館
旧岩崎邸を後にし、不忍池近くの横山大観記念館に。実は横山大観は特に好きな画家ではないのですが、彼のアトリエ兼住居だった器の方の日本家屋が見たかったのです。期待は裏切られず、和室からガラス戸を通して見える庭園の滴るような緑は、息をのむ美しさでした。このような最高の気分で画を鑑賞できるのは、すばらしいことです。展示品は少数で、何となく雑然と飾ってあり(家が狭いためでしょう)照明も暗いのが残念でしたが、大観の後輩にあたる冨田溪仙祇園夜桜には感激しました。大観の夜桜は美術館に入っているのでしょうね、ありませんでした。


記念館以後はもう目的は無く、地図を片手に、ジグザグとあてもなく歩きました。大通りはビルが並び車の往来が激しくても、すぐ裏に回れば人影も疎らな、一昔前の面影を残した町並みや細い路地裏などが、意外なくらい沢山残っています。


★根津とうふ工房須田 
お昼の時間をとっくに過ぎてお腹がすいていたところに、いかにもおいしそうなお豆腐の専門店が現れました。手作りのお豆腐製品の販売と、片側に2人用のテーブルが5-6個だけの小さなレストランです。ランチは全部売り切れでしたが、テイクアウト用のものをその場で食べられると言われたので、お稲荷と鳥のから揚げを注文。どちらも手作りの心のこもった味で大満足でした。

 
お持ち帰りも仕入れて家で食べましたが、今でも忘れられない味。パリは世界のグルメの中心地なので、肉も魚も(お刺身用まで)新鮮で豊富。だからそれらを使って日本料理を作ることは簡単なのですが、お豆腐類や練り物等加工品はあっても、品質はごく普通のスーパー級止まりで、こういった“上等”なものは、日本から持ち帰るしかありません。今須田のサイトを見ていたら、何と嬉しい事に、私が帰った後羽田空港店がオープンしたようです。これからは機内持ち込みで沢山持って帰れる・・・!


なんだか人通りが多くなったなと思ったら、突然ぎっしり人で埋まった賑やかな通りに出ました。調べたら谷中銀座という商店街で、長い行列ができているお惣菜屋さんもあり、どこもかしこも食べたり飲んだりする人が溢れています。お祭りの様で、それはそれで面白いのですが、ここだけに集中して外の場所が森閑としていたのが、なんとなく不思議です。きっとテレビか雑誌で紹介されたのですね・・

 

横山大観記念館 東京都台東区池之端 1-4-24
根津とうふ工房須田 東京都文京区根津2-19-11
http://tofukoubou.jp/ 

9/13/2014

フリゾ・クラマーのレボルト/ パリ・デザインウイーク No.2

Revolt chairレボルト・チェアーとアーム付きレボルト・チェアー

Friso Kramer/ Paris Design Week No.2

オランダのプルーヴェ(ジャン・プルーヴェ1901-84)と評されるフリゾ・クラマー(1922~)の作品が、ギャラリー・カトリーヌ・ウアールに展示されています。1953年に作られた代表作レボルト・チェアーは、新しいオランダ・デザインの象徴として、翌54年のミラノ・トリエンナーレに展示されたモデルで、今ミッドセンチュリー家具愛好家の注目の的。パリ装飾美術館、ヴィトラ・デザインミュージアムなど、世界の美術館のコレクションにも加えられています。ギャラリー・カトリーヌ・ウアールはフリゾ・クラマーのスペシャリストで、去年春に“フリゾ・クラマー、レボルト”と題して、彼の作品をパリで初めて大きく紹介しました。パリ・デザインウイークは今日で終わりましたが、このギャラリーでは、多分いつもクラマーの作品が見られると思います。

アームの部分がとてもかわいいレボルト・アームチェアーと棚
 

因みにRevolt chairは、レヴォルトと書きたいところなのですが、日本のカタカナ表記レボルトに従いました。このブログでは、外国の固有名詞は全て日本のカタカナ表記通りに、日本で知られていない固有名詞は、フランスの名詞ならフランス語読み、その他の国はできるだけその国の発音通りを心がけていますが、難しいものは、フランス人が発音するままをカタカナにすることもあります。

Galerie Cathrine Houard  15 rue Saint-Benoit 6e 

9/12/2014

東京にて/上野から谷中へ No.1 旧岩崎邸、国立近現代建築資料館


Escapade Tokyo/ de Ueno à Yanaka No.1

私事で忙しかったこの夏の日本帰省中に、1日時間を取って上野の旧岩崎邸を出発点として、足のむくままに谷中方向に歩いてみました。初めての場所ばかりで、とても楽しい散歩でした。

★旧岩崎邸
鹿鳴館など数々の西欧式の建物を作ったジョサイア・コンドルが、明治29年に建てた三菱財閥岩崎家の館。シャトーやマノワール(館)などのヨーロッパの建築をそっくり再現していますが、装飾や彫刻に日本のモチーフなど、日本風なディーテールが沢山施されています。照明、部屋の構成、暖炉の配置、窓や鎧戸、開閉のシステム、取っ手などまで、ヨーロッパで見なれているものなのに、何となく違う・・理屈ではなくやっぱり日本だなあと思ってしまうのは、私の先入観のせいなのか、建築家が日本を意識したデザインにしたためでもあるでしょう、あまりバタ臭くない・・とても興味深いものでした。“シャトー”ではなくて“洋館”という言葉がぴったりなのです。

  
★国立近現代建築資料館
旧岩崎邸の敷地内にあり、予定外だったのですがちょっと入って見ました。2012年末に建てられた新しいもので、2013年度中の展示の総括的な資料を展示中。東京でお馴染みの建物の設計図などもあり、小規模ながら楽しく鑑賞しました。ちょうど責任者らしい方が2人の建築課の学生さんに説明中だったので、一緒にお話を少し聞かせて頂きました。私がパリから来たと知って、ポンピドーセンターなどが、以前から日本の建築家の図面や模型を大量に買っていて、外国に貴重な資料が沢山流出してしまったと嘆かれたのが印象的です。日本はこの資料館ができたので、これからですね、楽しみです。

  
   
左はお茶の水のアテネフランセの設計図、右は旧東急文化会館の渋谷パンテオンにあった、ル・コルビュジエによる大緞帳の原画“闘牛14号”と、製作工程の説明、写真等を載せた当時の印刷物(原画オリジナルは壁に展示してありましたが、写真撮り忘れ)。古びた色合いのミッドセンチュリーらしい原画、予期しない所でル・コルビュジエに巡り合うことができましたオリジナルと同じ西陣の織物会社が、当時と同じ手織りで復元し、今ヒカエリの東急シアターにかかっているそうですが、5分の一の縮小版だそうですね。23.6mX9.8mが4.8mX2mになってしまうと、大分デザイン的にもちがってきますが・・ところで本物はどこに?なぜ本物を修復できなかったのでしょうか?

旧岩崎邸 東京都、台東区、池之端一丁目
国立近現代建築資料館 東京都、文教区、湯島4-6-15 http://nama.bunka.go.jp/        

9/09/2014

セントウでムートのインテリア紹介/ パリ・デザインウイーク No.1


Muuto chez Sentou/ Paris Design Week No.1

スカンジナビアのインテリア・コレクション、ムートは、スカンジナビアのデザイナー達のオリジナルを扱いフランスにも沢山のファンがいますが、まだ直営店がありません。セントウは早くからムートをパリで紹介していたそうですが、パリデザインウイーク中に新コレクションを紹介しています。



Sentou  29 rue François Miron 4e  
Paris Design Week  13日まで