3/31/2017

マルタ・パンの浮かぶ彫刻


Marta Pan/ Sculptures flottantes

マルタ・パンはハンガリー生まれでフランスに帰化した彫刻家。パリでブランクーシ、ルコルビュジエ、アンドレ・ヴォジャンスキーなどと出会い、ヴォジャンスキーとは生涯の伴侶として共に協力しあいました。彼らのアトリエハウスを以前このプログに取り上げてご紹介したことがあります。今珍しい彼女の浮かぶ彫刻 floating sculptureが数点ギャラリーに展示中です。
浮かぶ彫刻なので浮かんでいないと本来の良さが分からないので、いくつか写真を探してみました。以外にも日本に沢山展示されていて、ちょっと嬉しい驚きでした。
byFondation Marta Pan – André Wogenscky
 By Rijks- Kröller-Müller museum オランダ・クロラミュラー美術館 
札幌芸術の森美術館
 箱根彫刻の森美術館
上は私が一目でマルタ・パンのファンになってしまった、マルタとヴジャンスキーのアトリエハウスで見たドアの取っ手。まるで彼女のサインのようにティピカルなフォルムとカラーなので、前回載せた写真ですけど再登場してもらいました。下はギャラリーに展示されていた木の彫刻。
水に浮かび常に風に漂う彫刻は勿論ムーブメントがあり、また上記の木の彫刻も、まろやかな、回転するムーブメントが感じられます。モーリス・ベジャールにインスピレーションを与え、50年代にダンスとして表現されています。
 

Marta Pan, Scluptures flottantes, Galerie Mitterrand 79 rue du Temple 3e 4月8日まで
Fondation Marta Pan – André Wogenscky
80 avenue du Général Leclerc 78470 Saint-Rémy-lès-Chevreuse France

3/25/2017

リズ・ニールセンのフォトグラム


Liz Nielsen/ Les photogrammes abstraits

マレでちょっと変わった作品を展示していました。
リズ・ニールセンというアメリカのアーティストの、珍しいフォトグラムのテクニックを使った作品。

フォトグラムとは、写真用の印画紙の上に直接物を置いて光を当て、カメラ無しで写真を撮る方法とのこと。リズ・ニールセンの作品は、透明の色紙をパズルのように組み合わせ、重ね、懐中電灯、携帯の光、自転車のライト等の光を当てて画像を映し出すのだそうです。暗室の暗闇の中で作るパズル、そして微かでイレギュラーな光で映されたイメージは、微妙に重なったりズレたカラーが、まるで幼児のいたずら書きのように単純でナイーブでありながら、しかしハッとするほど大胆なアブストラクト! ポラロイド写真のような光沢のある滑らかな表面に、透明感のある美しいカラー!

Liz Nielsen "Force Fields"   Nextlevel Galerie, 8 rue Charlot 3e 
残念ながら今日が最終日でした・・

3/21/2017

マタリ・クラッセの新キオスク


Un protptype du kiosque à journaux conçu par Matali Crasset

カフェのないパリは考えられないように、パリの街角に欠かすことのできないのが新聞や雑誌を売るキオスク。そのニューデザインのサンプルが、先週から14区アレジアの広場に設置されています。マタリ・クラッセのデザインで、3か月間のテスト使用です。
従来のキオスクよりずっと大きく、天井も高く、今まで売り手だけが箱の中に入っていたのに、買い手も中に入ることができ、雨の日にはとても便利。新聞、雑誌がぜんぶすっぽり中に納まり、扉を閉めるとこの通り・・
そしてこれが昔からのキオスク。小ぶりで可愛らしく、帽子のような屋根のドームがなんともクラッシックでユーモラス。これも両扉を閉めて閉店します。
いつも雑誌が沢山店先にはみ出していて、雨が降ると、キオスクのおじさんが奧から慌てず騒がず出てきて、中に詰め込んだりする様子がなんともいえずいい感じ。断然古いモデルの方が可愛い。道端に立つ簡易店舗なのですから、大きく頑丈にすると、本来のキオスクの良さが無くなってしまうのでしょうか。古いモデルも、需要の多い駅前などは大型がありますが、やっぱり全然可愛くないです。
不況″ ″テロ″ など暗い見出しの新聞に囲まれて、恋を語り合うパリのキオスク
                   By François Maumont, Parisianer  
古い型の新聞キオスクは、同じく玉ねぎ型のドームの付いた広告塔とペアで、ずっと現役で活躍し続けて欲しいものです。

3/12/2017

DogA, グリュナーロッカ、アケーセルヴァ/ オスロ散歩No2


DogA, Grünerlokka, Akerselva/ Oslo No2

Grünerlokka  グリュナーロッカと、Akerselvaアケーセルヴァ川は、今一番旬なオスロが見られるエリア。建築やデザインのオフィス、画廊、ダンスや美術の学校、人気フードコートが並ぶアケーセルヴァ沿いは、しかし木立に囲まれ、雪と氷の間を時には水しぶきを上げて流れる水の音が絶えず聞こえる気持ちの良い散歩道。若者の超ブランシェ地区が自然と溶けあった、世界でも珍しい例でしょう。この散歩道を上流に向かって、Maridalsvannet湖まで歩いてみました。8km.寄り道しなければ約2時間の道のり。DogA (トップの写真)が出発点です。
DogAはデザインと建築に関する総合センターで、元変電所を改造して作られ、ノルウェーのデザイン賞を受賞した建物。羨ましくなるデスクやソファーの備わったオフィスがずらりと並び、会議室、広い展示のスペースの外、デザイン関係のブックショップ、川に面したコージーなカフェやカフェテリアがあります。
ちょうどテキスタイルの展示の準備中で、展示がみられなかったのがとても残念!
Akerselvaアケーセルヴァ川は、海に流れ込むので本当は河なのですが、幅が狭く川又は渓流と書いた方がぴったりのイメージ。1800年代後半に水力を利用した染色や織物等の工業が発達し、オスロ経済の中心として発展。しかし後に港周辺の大規模な工業に中心が移り、そのまま放置されていた工場や倉庫が、現代の一番レアなトレンドにジャストマッチして再開発が進みました。なにしろロフトやアヴァンギャルドなオフィスにぴったりのレンガの建物が、あっちにもこっちにも残っているのですから。
 
下は美術工芸の学校とダンス学校が合わさった、旧工場の敷地をそっくり改造した建物。 

左下はこれもアートスク-ル、右下の奧に見えるのは、昔のサイロを改造したらしい高層アパート。沢山の近代建築も、違和感なく混じっています。
これもまた別の、ダンス関係の建物

Mathallenマターレン・フードコートは、あまり食べ物の美味しくないオスロで貴重なグルメスポット。
これがアケーセルヴァ川の源Maridalsvannet湖。寄り道ばかりしたので、着いたのは、真冬の短い日が早くも暮れようとする頃・・シーンと静かで、氷に覆われた湖の上に3人の人影、犬を連れて散歩する人、スケートする人、なんと悠々と自転車を走らせる若者も・・

注: ノルウェー語の発音が全く分からないので、場所の読み方はアルファベット見たままをカタカナにしました。

DogA, Hausmanns gate 16, 0182 Oslo, Norway https://doga.no/
Mathallen, Vulkan 5, 0178 Oslo Norway https://mathallenoslo.no/en/

おしゃれなブティクやカフェが集まるグリュナーロッカは、アケーセルヴァ川の東側に広がっています。