5/30/2013

ルイ・ヴィトンのトラベルブック、ニューヨーク

Louis Vuitton Travel Book, New York 
par Jean-Philippe Delhomme


ルイ・ヴィトンのトラベルブック4冊目、ニューヨークが発売されています。
ヴィトンはその昔、ルイ・ヴィトンさんが若くして旅行用のla malleを作る職人になろうと決心したのが始まりなので、トラベルはブランドのルーツ、そのためトラベル関係の本を出しているのです。
因みにラ・マールは辞書に、トランク、荷物ケースとありますが、この訳ではお粗末なイメージしか湧かないので、例えばヴィスコンティの映画などで、貴族が大きな箱を従えて旅行をするシーンの、あの箱をイメージした方がいいでしょう。そんなわけで、ヴィトンのことをよくmalletierマルチエと呼びますが、正に“旅行ケース屋”です。 歴史があって、顧客は王侯貴族がどんなに沢山いたとしても、カバン屋であるヴィトン自体が、今では=デラックスと気取っているのは、なんだか変な気がしますが・・・・豪華なイメージや夢を買いたい庶民が作り上げた虚像ですね。でもあのケースはさすが、本当の職人芸でしっかり作られているようです(持っていないので伝聞)。
話を戻してこのトラベルブック、前の3冊同様ガイドブックではなく、旅のスケッチ集です。数々のパブリシティーやイラストで有名なジャン・フィリップ・デロムのトニックなトーンのグワッシュを見ていると、すぐにもニューヨークに飛んで行きたくなります。タイムズ・スクエアやロックフェラー・センターなど有名な場所も出てきますが、旅行者が集まるモニュメントは大嫌いという彼らしく、ニューヨークの普通の街角のシーンが素敵です。



ヴィトンのショップとネット、または有名書店で販売中、45€

5/29/2013

スマート/ ポーズカフェ

Pause-café                                         

                   

5/28/2013

カフェ・クラフト

Café Craft

今までのパリの伝統的なカフェとは、ちょっと変わったカフェが増えています。
サンマルタン運河近く、今注目のブランシェなエリアの中心に、昨年秋オープンしたクラフトもその一つ。Craftは技術や職人を意味しますが、このカフェには21世紀の職人達、新しいテクノロジー、アート、カルチャーの担い手が集まってきます。ブルックリン風とスカンジナビア風のミックスしたトレンディーな空間は、携帯パソコンを持ちこんで仕事をしたり、ちょっとしたビジネス・ミーティングも可能な、コージーな共同オフィスのよう。しかしレンタルオフィスとも、ネットカフェとも違い、クラフトはあくまでカフェ。素材、豆の挽き方にこだわり、最高級のコーヒーメーカーを使った“パリで一番”とオーナー自慢のコーヒーと、レッドベリーのクランブルなどのスイーツもお勧め。
内装はデザイン・エージェントPoolのデザイナーが担当しました。

Café Craft   24 rue des Vinaigriers 10e
Vitrac (Pool) Morgan Design  http://www.design-pool.com/en

5/27/2013

ロナン&エルワン・ブルレック兄弟の作品展

Ronan&Erwan Bouroullec au musée des Arts Décoratifs

去年メッツのポンピドーセンターでブルレック兄弟の作品展をやっていた時は、メッツまで行こうかと思ったくらいだったので、パリの装飾美術館での今回の展示は、この春一番満足のイベントの1つでした。
ロナンとエルワン・ブルレック兄弟は、工業デザイン、家庭及び公共用の家具、食器、デッサン、ビデオ、写真など、広い分野でインターナショナルな活躍をする若手デザイナーです。キャリア開始はロナンが97年、エルワンは99年。装飾美術館で、若い(30代)現役デザイナーの 大々的なレトロスペクティブで、彼らがいかにスターであるかがわかります。
部屋の中に別の空間を作るベッド、Lit clos、手前は空間を仕切るArgues
Slow chair とライト Lianes
デザインを始めすぐにインテリアのエディター、ジュリオ・カッペリーニに注目され、以後マジス、カルテル、ヴィトラ、リーニュ・ロセットなど有名エディターより、数々の傑作を発表しています。彼らのシンプルで使いやすいデザインは、フォルムと機能性を丹念に研究して作られ、どんな空間にもアダプトできるようにモジュールで、流動性があり、使う人の好みで演出できます。日常生活に密着しながら、ちょっぴり奇妙で不思議なポエジーのある彼らの作品には、建築と家具の境界がありません。特に装飾美術館の中央大ホールの高い天井から下げられたモジュールの仕切りcloudsargues、north tilesは、インパクトのある彼らのヒットですが、迫力があるのに“静”を感じさせられます。全部分解可能で、フエルトのような素材なので、防音効果もあるようです。
パズルのように取り外しのできる仕切り 雲Clouds。つなぎ目の部分はメタルのクリップで止めてあります。
                         同じく Tiles。はめ込み式のタイル                                  
モジュールのデスクシリーズJoyn
JoynとコーディネートできるCork table
Osso chair
              コペンハーゲンの大学用としてデザインされたシリーズCopenhague collection      
Ronan&Erwan Bouroullec    http://www.bouroullec.com/
Musée des Arts Décoratifs   http://www.lesartsdecoratifs.fr/

5/25/2013

ソルスティス/ キャリー・マリガンのコスチューム



Les dentelles de Solstiss  

カンヌ映画祭が開催中です。
オープニングを飾ったバズ・ラーマンのグレート・ギャツビーは、その華麗なコスチュームでも話題を呼んでいますが、使われたレースはフランスの老舗メーカー、Solstissのものです。
ソルスティスは、高級レースの需要が急激に減って危機に瀕した70年代に、4つの伝統あるレースメーカーが合併して作られましたが、そのルーツは1879年くらいまで遡れます。素晴らしいアーカイブを持ち、常に6,000のデザイン、30,000カラーの注文に応じられ、フランスの人間国宝ならぬ、生きた国宝企業とでも訳したらいいのでしょうか、に指定されています。
キャツビーの衣装には、アールデコのフラワーやジオメトリー柄、そしてビーズ、スパンコール、リボン刺繍のあるレース210点のデザインが選ばれ、1,400mを織り上げたそうです。
1956年にはグレース・ケリー、2年前にはケート・ミッドルトンのウエディングドレスにも、ソルスティスのレースが使われました。ショールームには、ウエディングドレスを着たケート妃の写真が飾ってあります。

5/23/2013

ハビタットのビンテージショップ《予告》

 アビタ、マドレーヌ店 
Habitat Village Vintage à Clignancourt

ハビタット(以後フランス読みでアビタ)が、ビンテージショップ Le Village Vintageをクリニャンクールの蚤の市にオープンすることになりました。ビンテージといても、過去の自社商品だけを集めたもの。過去のヒット商品の復刻版を出すブランドは沢山ありますが、自分でビンテージショップを開いてしまうとは、なんとタイムリーでユニークな企画ではありませんか!
社員達や、habitatvintage.comeで一般に呼びかけたり、eBay Bon coinなどのネットセールで辛抱強く出物を探すなど、商品集めが大変だったようです。アビタは、コンランショップのオーナー、テレンス・コンラン卿がイギリスで1964年に創立し、1992年にフランスのグループに買収されました。そのためこのビンテージショップで扱うのは、創立以来特に708090年代の商品で、なんでも数千ユーロもするめずらしいものもあるそうです。
またこのビレッジには、あの高級セレクトショップ、エクレルールもオープンしますし、食の面では今話題のタルト・クリュゲ―ルが担当。クリニャンクールのマルシェ・ロジエの中庭風の広い敷地を使い、特殊なコンセプトになりそうで楽しみです。
オープニングは68日、またレポートします。

5/21/2013

エクレアについて

Gourmandise : L'éclair de génie VS Maison du chocolat

またモノプロデュイ(1アイテムしか扱わないショップ)をコンセプトとするパティスリーのお話ですが、今度はエクレアです。店名はレクレール・ド・ジェニ“天才のひらめき”。レクレールはエクレアと稲光の2つの意味があるので、天才的な閃きで作られたエクレア、と言いたいのでしょう。フォーションのシェフ・パティシエを務めていたクリストフ・アダムが、昨年末にオープンして一大センセーションを巻き起こしました。エクレアは彼のスペシャリテで、フォーション時代にも彼は沢山のバリエーションを作り、話題になっています。

大きなガラス窓で外から見える、ずらっと並んだ15種ほどの色とりどりのエクレアは、レモン/柚子、バニラ/ピーカンナッツ、木イチゴ/フランボワーズ、塩カラメル、ピスタチオ(強いグリーンの外見に似合わずとても繊細な味)、マンゴーなど、普通のエクレアより小ぶりで可愛らしい。スモーキーなパステルカラーの店内、同じくスモーキー・トーンに、ブラックがポイントカラーのおしゃれなドットがトレードマークです。
 断然主役はエクレアですが、チョコレートも     
椅子が2つだけのかわいいイートイン・コーナー
ところで実は、私は以前からメゾン・ド・ショコラのエクレアのファンなのです。全くフツーの外見でちっともトレンディーではないけれど、でも・・・やっぱり・・・食べ比べた結果、私はメゾン・ド・ショコラ派を貫くことにします。
メゾン・ド・ショコラのエクレア
                    
L’éclair de génie     14 rue Pavée 4e  www.leclairdegenie.com  

Maison du chocolat  19 rue de Sévres 6e
                       8 bd. de la Madeleine 9e http://www.lamaisonduchocolat.com/jp/#/home  

5/19/2013

バスチーユ・アンティ-ク市


Salon d’antiquités à Bastille 

バスチーユのアンティック・フェアは、サンマルタン運河が地下を通り、セーヌに流れ込む直前に地上に現れ、ヨットなどが停まっているPort de l’Arsenal(造船所河岸とでも訳したらいいのでしょうか)の岸に、テントを張って開催されるシックな有料のサロンです。切符売り場のあるバスチーユ広場側の合同大テントには高級アンティックが並んでいますが、両岸の小テントは買いやすい価格帯のものが並び、末端に行くにつれてアンティックよりブロカントっぽくなってきます(ブロカントについては414日のブログ参照)。有料といっても事前に申し込めば、フリーチケットを送ってくれるのがミソ。やはりなるべく沢山の人に来てもらいたいのでしょう。
大テントの豪華なアンティック、これは本物(らしく見える)アールヌーボーのショップ
                     
                                        以下は各店舗ごとの小テント
 
 
50年代以後のブースは数軒のみ

オイスター・バーや地方のソーセージの試食、ランチのできるカフェレストラン、ワインバーなどがありゆっくり楽しめる上、アンティックに飽きたら、運河沿いの公園では、天気が良ければ、船を見ながらバカンス気分が満喫できます。
岸に並ぶテント

5/18/2013

ベンシモンのホーム・オートゥール・デュ・モンド


Bensimon/Home autour du monde

ベンシモンはウイークエンドやバカンス用にぴったりのプレタポルテ・ブランドの老舗です。雑貨が得意で、特にコットンのテニスシューズは、ベンシモンの歴史と共に長年売れ続け、パリのファッショナブルなリセエンヌの“must”アイテムと言えるくらい。マレにコンセプトショップ“ホーム・オートゥール・デュ・モンド”を持ち、自社ブランドのバッグやポーチと共に食器、インテリア、家具などを手掛けていましたが、最近このホームのコンセプトをベースに、ライフスタイル提供型にサイトを改良しました。フランス語と英語のバイリンガルで、海外、特にアメリカ市場を狙っています。
今シーズンのテーマはLet the sunshine in、フルーツなどのモチーフ、木材、コルク、籐、マーブルなどの天然素材を使用した、北欧テイストのレトロなコレクション。日本のNendoや、Orla Kiely、ArnoJacobsen等のデザイン物も注目です。



オーラ・カイリーのベッドリネン(3月9日のブログ参照)
定番で売れ続けるテニスシューズ。シーズン毎にカラー展開が変わり、リバティープリントや、バイカラーなど色々なバリエーションあり。

社長のセルジュ・ベンシモンは多才な人で、ベンシモンとホーム・オートゥール・デュ・モンドの直営店計30店舗の他に、マレにギャラリー、サンマルタン運河沿いにアート関係専門のブックショップも持っています。
 ブックショップArtazart
ギャラリー・セルジュ・ベンシモン
Bensimon autour du monde     12 rue des Francs Bourgeois  4e
                                          57 rue du Cherche-Midi 6e
Home autuour du monde         8 rue des Francs Bourgeois 4e

Artazart                              83 quai de Valmy 10e   http://artazart.com/fr/index.php?page=10
Gallery S.Bensmon                111 rue de Turenne 3e http://www.gallerybensimon.com/en

5/17/2013

ゲンマイ、サンジェルマンのビオ・レストラン




Guenmai 

最近はビオがファッションの一部のようになってしまい、ビオを売り物にするレストランが大流行りですが、ゲンマイは、ビオが騒がれるずーっと以前からコンセプトを貫き通している、先駆者的なレストラン兼エピスリーです。サンジェルマン教会の裏から、市場の出るビュッシ通りに抜ける所にある、ホワイトにグリーンの格子の入ったショップも変わらず、それと知らずに一度は目にしている人が多いのではないでしょうか。
メニューは、これも今のように日本食が騒がれるずっと以前から、日本食をベースにしたマクロビオティック。とても感じのいいソフィーさんという女性が切り盛りしていますが、全てが質実剛健といった感じのシンプルさで、ファッショナブルな華やかさを求める人は、ちょっとがっかりするかもしれませんが・・・ ティータイムにはフレッシュなフルーツ+ベジタブル・ジュース、お砂糖無しのデザートなども。
お馴染みのお客様がほとんどだそうですが、セレブが来ることでも密かに有名です。

Guenmai  6 rue Cardinale 6e