12/23/2016

フランスで一番おいしいパン、ボスフォール


Pain Bosphore, le meilleur pain de France

先週友人達とイルドフランス北部にウォーキングに行った時、そのあたりをよく知っている友人から、一度は食べてみるべき素晴らしくおいしいパンがあるから寄って行こうと誘われて、買って帰ったのがこの写真のパン。最良の小麦粉とイースト使用の昔風パン生地に、オリーブオイルとハチミツ、それからヘーゼルナッツいっぱいの自家製ヌガティーヌを砕いて加えて焼いたもの。ヌガティーヌとはお砂糖のカラメルに色々なナッツを加えて作るお菓子。ほんのりした甘さとかすかなオリーブオイルの風味、ヘーゼルナッツの香ばしさ、全てのさじ加減が絶妙のミックス! オリーブオイルのせいか中はしっとり、しかししっかりとした歯ごたえ。日持ちがして味が落ちないし、冷凍できるのでクリスマスにフォアグラと一緒に食べたら最高だと言われて、大きいけれど1個(1キロ)買いましたが・・クリスマスイブを明日に控え、冷凍どころか、おいしくてとっくの昔に全部食べてしまった!
この素晴らしいパンは、ブーランジェリー・ルージェのパン職人クリストフ・ルージェ氏の作。パンの名前はBosphoreボスフォール、あのトルコのボスフォラス海峡です。


ルージェ氏は根っからのパン職人で、熱心に色々なパンを考案していた時、トルコのハチミツとオリーブオイル入りのパンEkmekに出会ったのだそうです。それを元にルージェ氏は、トルコパンとは全く違う、フランスパンの最高峰ともいえるボスフォールを作り出したのですね。元々彼のブーランジェリーはいつもお客様の行列ができる人気店でしたが、2012年にはオワーズ県の金賞を獲得、そして2013年に6チャンネルのお料理番組で、ボスフォールはフランスで一番おいしいパンに選ばれています。
クリスマスとお正月用に1、2個買いに行きたいけれど、パリから車か電車で片道50分以上かかる遠さが難点。近くにゴッホの終焉の地オーヴェールシュルオワーズや美しいリラダンの町があるので、ドライブのついでに寄るのが一番早道でしょう。でもボスフォールだけの為に行ってもいいくらいおいしいです。

 Boulangerie Rouget, 39 Rue Basse de la Vallée, 95260 Beaumont-sur-Oise
国鉄の郊外線で行くなら北駅発Persan Beaumont駅下車。駅を出たらオワーズ川に向かい、橋を渡ってすぐ正面です。日本では都心から1時間でもまだ都会ですけど、パリから1時間電車に乗って行く町は、だいぶ田舎なので要注意。電車は本数が少ないので時刻表を調べてから行きましょう。

12/18/2016

ミュラー・ヴァン・セヴェレンのワイヤー

                                          
Muller Van Severen

ミュラー・ヴァン・セヴェレンは、先日書いたバウハウスのエスプリ展の最後に、現代にも生き続けるバウハウスのデザインというコーナーがあり、そこに展示されていた椅子を見たのが初めてでした。私が好きで時々見に行くソロ・ギャラリーでもちょうど今彼らの新作の展示中で、タイトルはWireワイヤー。文字通りメタルのワイヤーを使った、シンプルにして遊び心一杯の、まるでアーティーなオブジェのよう。1置いただけで、その部屋の雰囲気を一変することのできるインパクトのある椅子のシリーズ。

ミュラー・ヴァン・セヴェレン(発音が正しくないかもしれません)とは、Fien Muller とHannes Van Severenという、写真家と彫刻家のカップルの姓を合わせたもの。2人ともアーティストなので、実用面より芸術的な視点からデザインするそうで、彼らの作品が家具というより芸術的なオブジェのように見えるのも当然です。
 
以下は彼らのサイトから見つけた写真。カラフルでかわいいく、ワイヤーシリーズより普通に使えそうなデザイン。 photos by Muller Van Severen
      
       
下がバウハウス展の写真。棚の上から椅子の方に向けてランプが付いていて、読書にぴったりのセット。ランプが光ってよく撮れませんでしたが・・

Muller Van Severen "Wire"   http://www.mullervanseveren.be/site/ 
Solo Galerie, 11 rue des Arquebusiers 3e 1月21日まで

12/12/2016

ジャスパー・モリソンのコルクファミリー


La vente aux enchères de Cork Family revisitée par les artistes

クリスマス恒例のチャリティーとして、ヴィトラ社から販売されているジャスパー・モリソンの  "コルクファミリー"  を、アーティスト達がアレンジしたものが展示され、今夜競売されます。
ベースのコルクファミリーは、スツールとしてもサイドテーブルとしても使える、コルク素材の、これ以上何も切り捨てられないシンプルなデザイン。50点以上ある中から、私の気に入った物だけピックアップしました。
                                        Cork Family, Jasper Morisson by Vitra
インディア・マダヴィの作品は、彼女のトレードマークのようなかの有名なスツール、ビショップ(左)の従妹版  "ビコルク"。 ビショップはチェスのコマの事(なるほど形が似ている)ですが、″ビ″ は "2つ" の意味もあるので、ビコルクはズバリ2つのコルクのこと。おしゃれな言葉遊び!
フェレオル・ババン ″good night"
個人的に一番気に入った、パリデザイン界の寵児ノエ・デュショフール=ローレンスの作品。本来縦に使う物を横にしたアイデアと、糸巻き型の糸を巻く部分に、小さな子供が馬乗りになって遊べる楽しいデザイン。顔のない不思議な動物は子供の想像を掻き立て、玩具としてもぴか一。

アリック・ルヴィ "intersection"
エリック・ギザール "74.5"
コルクファミリーの生みの親ジャスパー・モリソン自身の作品。シンプルで可愛く、使い心地もよさそうなさすがのデザイン。
シャルル・ザナ

彼のガラス使いの大建築を思わせるジャンミッシェル・ウィルモットのスツール兼サイドテーブル

Cork Family revisitée/ La Source   Hôtel de l'Industrie 4 pl. Saint-Germain 6e

12/06/2016

ジャン・ヌーヴェルのインテリア、センス&エッセンス


Mes meubles d'architecte/ Jean Nouvel, Sens et Essence

建築家の家具というタイトルで、ジャン・ヌーヴェル(JN)の今まで発表されたデザイン家具のエクスポジションが装飾美術館で開催中です。世界中に散らばっている彼の作品=建物を全部見て廻ることはできませんが、家具はこのように1つの場所に集めることができる。これらの家具たちは、小さいながら彼の建築やデザインのポリシーが結晶されているだけでなく、展示の演出も全てヌーヴェル自身が担当したそうで、彼の美学の集大成として必見です。

1998年に装飾美術館を拡張してグラフィック&パブリシティー・デザイン部門を作った際JNがその内装を担当しました。リヴォリ通りの装飾美術館の建物は、ルーブル美術館と続く一連のクラッシックで荘厳な建物で、多分政府が使っていた部分を装飾美術館に繋げたもの。近代的な空調設備やセキュリティーのノルマを充たし、皆をあっと言わせるようなデザインにするために、建物の壁だけ残して内部を徹底改装するのはよくあること。でも彼はそうしなかった。そのグラフィック部門が今回の展示会場です。自分が20年前にデザインした場所に展示する・・ヌーヴェル氏さぞかし楽しんだことでしょうね、ズパリ感想は ″カッコイイー!″ の一言。
LSS (less) シリーズ:  余計な物を取り除いたテーブルの本質less、見た目も実際も軽くless、足は垂直で、テーブルと同じ厚さの金属を直角に曲げただけ。
 SSNCS (essence)シリーズ: 木材の永遠の近代性を信じるJNと、彼の故郷サルラの家具師と共同で生まれたシリ―ズ。サイズ、構成、価格が適正であり、用途に適した家具の真髄essenceを求める。木目や角の仕上げの美しい、手で触って木の感触を感じたくなる家具。ベンチは重ねて本箱になり、テーブルは幾つも繋げて、どんな用途にも応用が利くデザイン。
LMTRS (elementaire)ソファーシリーズ:  私はelementaire(単純で初歩的な物という意味合いでしょうか)を生涯繰り返すことでしょうとのJNのコメント。

展示室の間取りは元の建物のまま、壁には大理石の暖炉、天井や壁には金のレリーフ、時には古びた壁紙が残ったままの展示会場。しかし壁が剥がされて中のレンガ見えたり、わざとペンキが剥げかけていたり。古いままのドアがそのまま使われ、しかし所々にスチールの荒々しくも近代的なドアもあり。超現代的な照明やネオン使い、新旧の混然としたミックス。
STJMS (St James) レストラン用のなので珍しい曲線の椅子。テーブルカバーと同じくカヴァーが取り外し可能。下の円柱は、元の建物にあった物を残したようです。
 
LN (Lyon)

1=2 
ペンキの剥げたアンティークのドアとスチールの照明
GRD CRT 中央を引くと広がるテーブル。驚きのある家具が好きだとのコメントがありましたが、確かに人数によって大小に変形したり、積み重ねたり・・
アンティークのドアとスチールのドア
QS NEML (quasi normal) 机の上の書類棚の位置が帰られたり、下のボックスが左右に動いたり
壁にパーツが展示されているように、1枚の板と、折り畳みするん2つの足の単純なデスク。足が折りたたまれて平たくなり、輸送や保管に便利
NY (inox) テーブルの下に隠れた足を付け替えて高さが調整できるスチールテーブル
HK (hook)
FLNG SRFC (flying surface) 照明と、KNP 寝袋のようなクッションが付いたモジュールのソファー

Jean Nouvel, Mes meubles d'architecte, Sens er Essence 2月12日まで
Les Arts Décratifs  107 Rue de Rivoli 1e