9/12/2014

東京にて/上野から谷中へ No.1 旧岩崎邸、国立近現代建築資料館


Escapade Tokyo/ de Ueno à Yanaka No.1

私事で忙しかったこの夏の日本帰省中に、1日時間を取って上野の旧岩崎邸を出発点として、足のむくままに谷中方向に歩いてみました。初めての場所ばかりで、とても楽しい散歩でした。

★旧岩崎邸
鹿鳴館など数々の西欧式の建物を作ったジョサイア・コンドルが、明治29年に建てた三菱財閥岩崎家の館。シャトーやマノワール(館)などのヨーロッパの建築をそっくり再現していますが、装飾や彫刻に日本のモチーフなど、日本風なディーテールが沢山施されています。照明、部屋の構成、暖炉の配置、窓や鎧戸、開閉のシステム、取っ手などまで、ヨーロッパで見なれているものなのに、何となく違う・・理屈ではなくやっぱり日本だなあと思ってしまうのは、私の先入観のせいなのか、建築家が日本を意識したデザインにしたためでもあるでしょう、あまりバタ臭くない・・とても興味深いものでした。“シャトー”ではなくて“洋館”という言葉がぴったりなのです。

  
★国立近現代建築資料館
旧岩崎邸の敷地内にあり、予定外だったのですがちょっと入って見ました。2012年末に建てられた新しいもので、2013年度中の展示の総括的な資料を展示中。東京でお馴染みの建物の設計図などもあり、小規模ながら楽しく鑑賞しました。ちょうど責任者らしい方が2人の建築課の学生さんに説明中だったので、一緒にお話を少し聞かせて頂きました。私がパリから来たと知って、ポンピドーセンターなどが、以前から日本の建築家の図面や模型を大量に買っていて、外国に貴重な資料が沢山流出してしまったと嘆かれたのが印象的です。日本はこの資料館ができたので、これからですね、楽しみです。

  
   
左はお茶の水のアテネフランセの設計図、右は旧東急文化会館の渋谷パンテオンにあった、ル・コルビュジエによる大緞帳の原画“闘牛14号”と、製作工程の説明、写真等を載せた当時の印刷物(原画オリジナルは壁に展示してありましたが、写真撮り忘れ)。古びた色合いのミッドセンチュリーらしい原画、予期しない所でル・コルビュジエに巡り合うことができましたオリジナルと同じ西陣の織物会社が、当時と同じ手織りで復元し、今ヒカエリの東急シアターにかかっているそうですが、5分の一の縮小版だそうですね。23.6mX9.8mが4.8mX2mになってしまうと、大分デザイン的にもちがってきますが・・ところで本物はどこに?なぜ本物を修復できなかったのでしょうか?

旧岩崎邸 東京都、台東区、池之端一丁目
国立近現代建築資料館 東京都、文教区、湯島4-6-15 http://nama.bunka.go.jp/        

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