1/22/2015

フランク・ゲーリー展/ ポンピドーセンター

グッゲンハイム・ミュージアム、ビルバオ 1991-97 スペイン

Frank Gehry au Centre Georges Pompidou

いつもの悪い習慣で、終了寸前になってしまいましたが、ルイ・ヴィトン財団美術館を作り話題集中のフランク・ゲーリー展に行ってきました。
会場入り口を入ってすぐ、まずフランク・ゲーリー(FG)のデッサンに眼を見張りました。流れるペンのライン・・ああこの人は、きっと建築家である前にまずアーティストなのだと思いました。



上はサンタモニカの自宅1977-78年。ルイ・ヴィトン財団のブログを書いた時に紹介しましたが、模型で全体を見られて、ますます好きになりました。インタビューで“バスルームからカリフォルニアの青い空が見れなかったので、ちょうど見える場所に穴を開けて窓を付けた”とか、“キッチンの大きな斜めのガラスには、外の景色や車のヘッドライトが逆さに映ってきれいだ”と語っていました。FGの建築に対する考え方の片鱗が覗けたようで、面白い! 
上記は実際には建てられなかったプロジェクト、トラクト・ハウス 1982年。FGは建物を1個の塊としてとらえず、幾つかに分かれたフォルムで構成。それは下のデッサンからもうかがえます。
EMR コマーシャル&テクノロジー・センター 1991-1995ドイツ
上の模型は、複数のフォルムが繋げられ、1つの建物を構成しているのが良くわかります。ビルバオのグッゲンハイム(写真トップ)や、ィズニーコンサートホール(写真下)など大きな建物でも、異なる複数のフォルムが組み合わさり、連結して1つの建物を構成しているのですね。またFGの建物はいつもムーブメントが感じら、硬直していません。
ウォルト・ディズニー・コンサートホール  1989-2003 ロサンジェルス
ナショナル・ネーザーランデン・ビルディング 1992-96 チェコスロバキア
上がデッサン、下が模型。2つの塔がダンスする男女に似ていると、FGはフレッド(アステア)とジンジャー(ロジャース)と名付け、簡単にダンシング・ハウスと呼ばれているそうです。FGは建物を、絵画や彫刻のようにデザインするのです。一番最初のイメージ用の模型には、フェルトや麻布を皺にして建物のフォルムを作ってみたり、溶岩のような黒い塊に窓を付けてみたりと、正に彫刻感覚のアプローチ。

さて中でも一番面白かったのは、親友のシドニ・ポラックが撮ったFGのドキュメンタリー。長いのですが、椅子が足りないと、みな床に座り込んで熱心に見ていました。FGとポラックの対話形式で、堅苦しい説明に終わらず、FGの人となりがとてもよくわかり、すっかりファンになりました

建築への姿勢、また人間としてFGのファンになっても、後期の巨大な建物は、私はやっぱりあまり好きにはなれません・・しかし、しかし、下写真は銀行、真ん中にあるのは、FGの馬の頭のデッサンから発展したフォルムで、模型を見た限りでは突飛で、なぜ?と思われますが、ドキュメンタリーに映し出された完成したビルは、巨大で素晴らしく美しく、馬の頭はアヴァンギャルドであっても、おかしくは見えません。このように、建物は模型でも彫刻でもなく、中に入り使ってみなければ本当の価値がわからないのです。ましてや平面の写真では表現しきれない・・ルイ・ヴィトン財団も、早く実物を見てこなければ!

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