6/03/2015

ロベール・マレ=ステヴァン/ エコールドパリ美術館


Musée Maurice Mendjisky/ Robert Mallet-Stevens

パリには世界的に有名な大美術館ばかりでなく、小さくても個性的な美術館が沢山あります。歴史的建造物を修復保存して器としているものが多いので、中身の美術品だけでなく、建物を見るのも大きな楽しみ。アールデコやミッドセンチュリーに世界中が注目しているせいか、最近の″流行り″は1900年代初頭の建物。モーリス・メンジスキー美術館もその一つで、ロベール・マレ=ステヴァン設計のアトリエを修復し、去年の春にオープンしました。

この建物はロベール・マレ=ステヴァン(RMS)が、1932年に友人のメットル・ヴェリエ(ガラス、ステンドグラス師)ルイ・バリエの住居兼アトリエとして建てたもの。RMSは1929年に、Union des Artistes Modernesモダンアーティスト・ユニオンを結成しました。ガラス、モザイク、家具、テキスタイル、漆器、建築、造園などのスペシャリスト達によるトータルアートを提唱する運動で、(メンバーはバリエの外、ルコルビュジエ、ジャン・プルーヴェ、シャルロット・ペリアン、ピエール・シャローなど)、この家は彼のトータルアートの概念を体現したもの。
バリエは1923~1940年に渡ってRMSとコラボを続け、有名な南仏イエールのヴィラ・ノアイユのプロジェクトにも加わっています。

ファサード一面がガラス窓のアトリエの棟と塔があり、その2つを繋ぐ階段の壁には、1階から4階までステンドグラスがはめ込まれています。
アトリエの高い天井の中央に付けられたプロペラのような物は(写真下)、ここから紐やロープで、モビールのように作品を下げたり、展示用のボードや棚を吊るすための装置だとのこと。


   
階段のファサード側の壁を飾るモノクロのステンドグラスは、バリエのアトリエの仕事がシンボル化されています:ステンドグラスのシャルトル、モザイクのラヴェンナ、西欧文化のルーツであるギリシャのアテネ。下写真は、アトリエ入り口の壁を飾る神話プシュケのステンドグラス。
 階段の踊り場の床には、各階に狩猟や動物がテーマのモザイク



 
 
面白い窓のシステム
緑の帽子に緑のドレスの女性は、メンジスキーのキキ・ド・モンパルナスのポートレート。エコールドパリの作品を、同じ時代の新しい思想から生まれた建物の中で鑑賞する・・・おしゃれですね。
大道りから奥まった静かな小路にあり、周りは同じ頃の建築と思われる一軒家が並んでいます。
Musée Maurice Mendjisky Ecoles de Paris   15 Square de Vergennes 15e

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