11/04/2015

ストリートアートSTIKスティックの作品集


Street artist STIK

ストリートアーティスト、スティックの本が、最近ペンギン、ランダムハウスから出版されました。真っ赤な表紙の素敵な本で、彼の代表作の写真集です。
たった6本のラインと2つのドットで描かれているスティック人間は、その丸みのあるオタマジャクシの様なかわいいフォルムが、子供の絵本の中の不思議な登場人物のよう。でも単純でありながら、2つの黒い点でしかない目が雄弁に何かを語り、ほのぼのとしたり、悲しくなったり・・・・この迫力は、作者がホームレスだったことが無関係ではなさそうです。彼は誰にも顧みられない孤独な放浪の中で、自分が存在することを世界に示すために、2003年頃からスティックの″落書き″ を、ロンドンの下町の壁に描き始めたのだそうです。


落書きといっても、ガレージの壁やビルの側面一杯に書かれた大きなもの。ビルの壁によじ登って、見つからないうちに絵を描いて逃げ出す・・早く描くためにモノクロームで、最も単純な線と点だけの人間は、黒のスプレーと拾ってきた白ペンキの残りさえあれば描けるという経済的な理由もあります。この巨大さとデッサンの単純さが彼のトレードマーク。
壁の絵は売り物ではありませんが、今では落書きの要請が世界中からあり(日本にもあり)、アトリエで描いた作品は、クリスティーズのオークションなどで、高値で売れているようです。バスキアか第2のバンクシーかと言われていても、舞い上がらずにマイペースそう。
ロンドンのショーディッチで撮ったスティック。以前ロンドンのスナップで使ってしまった写真だけれど、再度登場してもらいました。
STIK 

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