3/06/2018

ヘリット・リートヘルトのシュレーダー邸/ ユトレヒト

Rietveld Schröder House à Utrecht, Pays-Bas

バラバラに書いていたオランダ編の最期はユトレヒトのシュレーダー邸です。
シュレーダー邸は、オランダの家具デザイナーで建築家のヘリット・リートヘルトが設計し、デ・スティルの代表的建築として、ユネスコの世界遺産に指定されています。上の写真を見てもわかるように、まるでモンドリアンの絵をそっくり建築に映したような家。正面玄関を入ると、1階の左手にキッチン(写真下3つ)。リートヘルトのジグザグ・チェアーと、それにマッチしたテーブルがありました。

写真下のドアの奧がメイドさんの部屋。1924年完成とは思えない、古さを感じない食器棚!
写真下3つは1階西側の書斎で、一時リートフェルトが仕事場として借りていたことがあるそうです。ご主人を亡くしてこじんまりした小さな家に住みたいというシュレーダー夫人の意思で、この家はとてもコンパクト。でもル・コルビュジエのサヴォア邸マレ=スティヴァンスのカヴロワ邸などの大邸宅と同じに衛生面には神経質で、各室に洗面台があります(カヴロワ邸は洗面台どころか、各室にバスルームがありましたけど・・)
玄関正面の2階に上がる階段には、電気のメーターと、電話用のベンチ、家族各々のレターボックス。
 階段を上がったところ。リートヘルトのデザインした " 赤と青の椅子 " の世界そのもの。
2階の居間兼ダイニング。奥のグレイの壁の向こうは長男の寝室で、この壁はスライド式。娘たちの部屋の壁もスライドして、全部取り払うと、居間と繋がった1つの大きなスペースになったり、必用に応じて好みのスペースに変えることができます。パリ郊外ムードンのテオ・ファン・ドゥースブルフの家でもお話したのと同じ仕組みでした。

ダイニングの窓は、家の角の部分から壁の幅いっぱいに開けられる構造で、より明るく、また外に広がる田園の景色を十分に楽しめるように配慮されています。残念ながら今はすぐ前を県道が通ってしまいましたが、幸いメインの住居スペースが2階になので狭苦しい感じはしません。

長男の寝室

2人の娘の寝室
小さい家なのでバスルームは1つだけ。日本のバスタブに似ていて面白い。
県道の向こう側 Erasmuslaan にリートヘルトの設計したアパートが2軒あります。ソシアル・ハウジングと書いてあり公営住宅なのでしょうか、公開はしていませんが外から見ることができます。下写真はそちらへ行く時に見た県道下のトンネルの壁に張ってあったタイル。赤と青の椅子などのデザインチェアーを集めたデルフト(かしら!)の青タイル!

Rietveld Schröder House   Prins Hendriklaan 50, Utrecht, Netherland
運河に囲まれたユトレヒトの旧市街の外約2kmにあります。ユトレヒト中央美術館Centraal Museumから東に向かって歩いて約25分ほどの場所。床の保護のため入り口で靴にカヴァーをしての見学です。案内兼監視役の方が付いてスライドの壁を動かしたり窓を開けたり実演してくれ、説明はオーディオガイド(日本語あり)。
事前に以下の中央美術館のサイトから予約が必要です。
https://centraalmuseum.nl/en/visit/locations/rietveld-schroder-house/
尚同じチケットで、同日に中央美術館にも入れます。

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