Elles font l'abstraction No.1
Cette peinture est tellement réussie qu'on ne la croirait pas due à une femme
This painting is so good you'd never know it was done by a woman
『この絵はあまりに素晴らしくて、とても女性が描いたとは思えない』1937年にハンス・ホフマンが、生徒の画家リ・クラスナーの作品を評価した言葉が、展覧会場を入るとすぐに目に飛び込んできました。私と前後して入場した2-3人の女性達から、思わずオーというようなどよめきが・・・批難、不快、不満、軽蔑、苦笑 ? なんてバカな !!
Covidで長い間クローズしていたポンピドーセンターの、オープニング最初の展覧会のタイトルは、Elles font l'abstraction "アブストラクションをする彼女達" 。男中心の美術界で、女性達がどのようにアブストラクション芸術を担い展開したかという - ヒステリックにならない程度の - フェミニズムの視点からアブストラクションを捉えた展覧会です。
これも入り口にあった彼女達の写真。 見たことのある顔がとても少ないのに驚かされます。当時のメディアに、女性画家の写真が載る事は稀だったとかで、後世の私達の目に触れることが男性画家より少ない・・女性など雑誌に取り上げるとレベルが下がるということだったのでしょうか❕
上は世界大戦後、アメリカで表現主義アブストラクションが認められ、ヨーロッパと肩を並べて活躍しだした画家たちのグループ写真で、1951年のライフ誌に掲載されたもの。女性はヘッダ・スターンただ一人で、以下の彼女の言葉が写真に加えてありました。
『彼ら(一緒に写真に撮られたメンバー達)はみなマッチョで、女が写真に加わっていると(記事、及び自分たちの活動を)まじめに受け取ってもらえないと苛立っていました』。それで彼女は後方に追いやられたのか・・?しかし負けるものかと椅子に乗って写真にパチリ。かえって目立ってしまい彼女は一躍有名に。『私の仕事の方より、このバカな写真で私はより有名になってしまったことが残念です。』
バウハウスの歴史を通じて、女性は全体の3分の1以上を占め、創立直後は男女平等がほどんど完璧に近かったのだそうですが、半年後に予備課程を終わり、専門分野選択の段階で、各部に女性の人数の割り当てが決められてしまいました。これに対して、グンタ・シュテルツルの希望で、機織りと合併した女性だけのクラスが設置され、結局女性は予備課程後、自動的に全員このテキスタイル部門に配属されるようになったのだそうです。このテキスタイル部門は、アブストラクションのラボとしてとても重要な発展を遂げ、またバウハウスの大きな収入源となって大成功でしたが、外の部門に進めないのですから、男女不平等甚だしい ‼ 上の写真はバウハウスの教師陣。右から2番めのグンタ・シュテルツルが、ただ一人の女性教師です。
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