10/14/2016

デンマークプリントのパイオニア、マリアグルメット/ デンマークNo.5


Marie Gudme Leth, Le pionnier de l'imprimé textil Danois/ Danemark No.5

コペンハーゲンではデザイン美術館に直行し、デンマークのプリントデザインのパイオニア、Marie Gudme Lethマリアグルメット(以後MGL)の特別展を見てきました。(あと一週間で終了だったのでギリギリセーフ)。
MGLは1895年にオーフスで生まれ、女子工業美術デザイン学校、デンマーク王立美術院で学び、1921年から3年間、妹と共にジャワで伝統技術のバティックを勉強。ファブリックのプリント技術を外のクラフトワークと同じレベルにまで引き上げたいという大志を持って、まず型押しのブロックプリントを始めます。またドイツで、ハンドプリントの良さを持ちながら、より大きなプリントが可能なシルクスクリーンの技術を習得。女性で20世紀の初めに確固とした目的を持ち、20代でジャワに勉強に行くなど(飛行機で簡単に行ける現代のジャワではないですから)、それを可能にする経済的余裕や周囲の理解があったのでしょうが、それにしてもずごくダイナミックで意思の強い女性。きっととても魅力的な人だったのでしょう。彼女の写真も素適です。
1935年ドイツで習ったスクリーンプリントの技術でデンマーク・カリコプリント工場を創立。40年には自分のデザインストゥディオを創立。パリやミラノのトリエンナーレなどで数々のグランプリを獲得し、インターナショナルに活躍しました。


MGLのデザインは、ブルーやグリーンをベースにした優しい色合いで、花や木、動物、鳥などが織りなす自然の香りが一杯な事、MGLのルーツとも言えるブロックプリント風に、花や動物がシルエットで表現され、単純化されている事などが、後に続く北欧プリントのデザインを予測させます。カエル、カタツムリ、ヘビなどもデザイン化されて登場。上の3点の写真のテーブルリネンの犬やカエルのユーモラスなデザインが特に面白く、これら童話の挿絵風な作品がこれだけで、少なかったのがとても残念でした。

 

殆どがコットンやリネンの生地を使用。年月を経て少し色があせているのかも・・元はもう少しカラーが鮮明だったのではないかと思いました。
MGLのデザインは1950年代に一変し、以後はジオメトリックのデザインを発表。3-4点それらも展示してあり美しい色合いで素敵でしたが、やっぱり圧巻は自然をモチーフとしたものでした。

Marie Gudme Leth, Pioneer of Print       
Designmuseum Danmark  Bredgade 68 København http://designmuseum.dk/en

注: 彼女の名前をどう発音するかデンマーク人に聞いたら、マリアグルメットと聞こえました。デンマーク語の発音は、活字から私達が想像するのと全く違い度々驚かされましたが、これも不思議??便宜上タイトルにマリアグルメットと書きましたが、あまり信用しないで下さい。

10/08/2016

ある後姿・・デンマークNo.4

Le portrait d'une femme en bleu, Aarhus Danemark No.4
オーフスのDen Gamle By野外歴史博物館で見たデンマークの昔の民家の内部。下はそこで当時のドレスを着て窓辺で刺繍をしてみせていたデモンストレーションの若い女性が、休憩で立ち上がった場面がフランドル派の絵のように美しく、あわててスナップを隣の部屋からドア越しに撮ったもの。
 
by Anna Ancher 1885年
そしてこちらは翌日、オーフス近代美術館で見た花を生ける女性の絵。偶然にも同じドア越しに見た、金髪のシニヨン、ブルーのドレスの後姿!
2017年4月15日のブログに続きます)

10/04/2016

アルヴァ・アールトのオールボー近代美術館/ デンマークNo.3


Kunsten Museum of Modern Art Aalborg by Alvar Aalto/ Danemark No.3

アルヴァ・アールトがデザインしたオールボーの近代美術館は、今回のデンマーク旅行の一番の目的でした。
1958年のコンペでアールトのデザインが採用されたのですが、経済的な理由で保留され、やっと1966年に落成、72年に完成したそうです。
これが外観。アルヴァ・アールトは、美術館にとっての光は、コンサートホールにとっての音響と同じく重要だとし、自然光が色々な角度から作品を照らし、また作品が陰にならないよう工夫されています。
                                                                                                                        by visit denmark
上から見た写真。遠くに見えるのはリム・フィヨルド。残念ながらフィヨルドは美術館から見えませんが、緑の庭には、タイミングを合わせると濡れずに中心まで入れて、暑い日には ″わざと″水しぶきを浴びることもできる面白い噴水があります。                                                                                
 ちょっとアールデコ風な入り口の回転扉とランプ
 美しい天井と窓枠のストライプ
 入り口近く大ホールの高い天井
    
丸くコロッとしたライトがかわいい。
作品が映えるように、館内全部がホワイト。ちょと寒々とした感じですが、所々に配置されたヴィヴィッドカラーがとても美しく感じられます。
              
               
               
               

last but not least・・下は一目惚れしたヴァザルリの作品。彼の目がくらくらしそうなオプティカルで機械的な絵でなくて、ミッドセンチュリー風の手描きのぬくもりの感じられる静かな作品。特に右と中央の色合いが素適。このほかCoBrAのグループの作品も面白かったけれど、美術館全体がアブストラクトで(近代美術館なので当然だけれど)、超実験的だったりコワいような作品が多かったのには少々閉口ました。

Kunsten Museum of Modern Art Aalborg         http://www.kunsten.dk/en
Kong Christians Allé 50, 9000 Aalborg, Denmark

9/25/2016

パレットについて/ デンマーク No.2


L'utilisation de la palette de transport en Danemark

日本のサイトでも運送用のパレットを使った手作り家具の事が取り上げられ、パリでもインテリアに使っているのを時々見たりと、パレットの ″インテリア価値″ が見直されていますね。デンマークでは、このパレットが本来の輸送用としてより、まるでインテリアの為に作られているのではないかと思ってしまうくらい、日常の色々な場面で大活躍していました。
上の写真はあるスーパーのスナップ。一番よく見かけたパレットの使い方で、同じサイズの木箱を乗せて、ショップの什器として、また箱をもっと深くして花やグリーンを植えるのに使われています。

これはオーフスの海岸にあったコミュニティーガーデン。パレットに乗せて水はけと風通しのよい木箱の花壇が、広いスペースに沢山置かれていました。箱に子供の名前らしきものが書いてあるので子供向けのようです。後ろの小屋(みなで集まって食事のできるスペース)や道具置き場も、ベースはパレット使用。
新しいもの又は室内使用は、風雨にさらされないので焼き印がはっきり見えてとてもおしゃれ
アウトドア用の椅子に改良したものも沢山見ました。上はオーフスの海岸のカフェ。後ろの倉庫かガレージに見えるカフェの中もカウンターはパレット製。ドアもコンテナのドア?なのか、全部お金をかけないデザイン。シーズン中は全部のドアが開くのでしょうね。
上下ともヨットハーバーのビアガーデン。よく見ると海岸にあった椅子と微妙に違うテクニックで作られています。背の部分に植木鉢が入っているのが可愛い。
パレットをただ並べただけで、大勢の仲間が集まれるようなったコーナー
上はオールボーの図書館に、サイドテーブルとして使われていたパレット。この図書館は高い天井とガラスの天窓、デザイン家具など置いているのに、堂々とワイルドなパレットもミックスして使っています。ちょっと寄り道してこの図書館の写真を以下に・・・なぜかピンク系のかわいい服が天井から吊るしたオーナメントがあったり、カタログやパンフレット類の並ベ方もさりげなく素敵。
 
    
    
またパレットにお話を戻して、下はオールボーの、元工場を改装したカルチャーセンターNordokaftのカフェ。広いスペースをそのままオープンスペースとして使っているので、仕切りにパレットを使っていました。
これがNordokaft http://nordkraft.dk/forside.aspx のホール
    
これは手作り家具のアトリエ。本当の出入り口は別にあって、ここは多分大開きの窓。でも休憩時間にすぐ目の前の海に出られるように、パレットの階段を付けたのかもしれません。夕方通った時には取り外されていたので、日中だけの仮階段なのです。
 
あるアパートの入り口に大事そうに重ねてあったパレット。これから何かに利用するのでしょう。家庭のインテリアにも沢山使われているのでしょうね、見てみたいものです・・