10/12/2014

レンゾ・ピアノのジェローム・セイドー・パテ財団


La Fondation Jérôme Seydoux-Pathé by Renzo Piano

新いジェローム・セイドー・パテ財団(FJSP)がオープンしました。1869年の建設当時はジュール・ヴェルヌの“80日間世界一周”などの娯楽劇を演目とした、800席の元イタリア式劇場のファサードだけを残して大改造したもので、建築家はかのレンゾ・ピアノ。正面から見ただけではほとんど見えないので、街の景観を壊していませんが、後ろはまるで甲羅のある不思議な動物が背中を丸めてうずくまっているような形の建物です。

①入口、②映写室、③展覧会場、④カメラ等機材の展示室、⑤コレクション保管室、⑥閲覧室

ジェローム・セイドーは財閥の3人兄弟の長男で、実業家として色々な事業を手掛けましたが、特に映画会社パテPathéの社長として有名、二男のニコラはこれも映画のゴーモンGaumont社長、三男はプロデューサーと映画ファミリーで、ついでに加えると若手女優のホープ、レア・セイドーはジェロームの孫娘。FJSPはパテ兄弟(シャルルとエミール)が1896年に創立した映画会社パテが、フランス国内と海外で創立から1907年までに撮った、無声映画の貴重な資料を一般に公開するために作られました。1つの映画は3-4分から長くても10分なので、8本立てで今のところ水~金は午後2回、土曜日は3回、各1時間、ピアノの“生演奏”をパックに上映されています。


取り壊されなかった劇場の名残のファサードを飾るレリーフは、まだ無名のボザールの学生だった頃のオーギュスト・ロダンの作。左の男性はドラマ、右の女性はコメディーを表しているそうです。

Fondation Jérôme Seydoux-Pathé   83 Avenue des Gobelins 13e 

10/11/2014

ハンス・ウェグナー/ ジャスト・ワン・グッド・チェアー


Hans Wegner/ Just one good chair

ハンス・ウェグナーの生誕100年記念の展覧会“Just one good chair”ジャスト・ワン・グッド・チェアーが、コペンハーゲンのデザイン・ミュージアムで開催中で、パリでもかなり話題になっています。ハンス・ウェグナー(HW)は、座り心地がよく機能的な椅子をマニアックなくらいに生涯研究し続けたそうで、彼のデザインした椅子は500型以上。

“If only you could design just one good chair in your life . . . But you simply cannot.”
Hans J. Wegner, 1952.


アメリカで人気を得てデンマークのデザインを世界に紹介した功績は大きく、ケネディーがニクソンとのテレビ討論会で座った“The chair”(1949年)と定冠詞付きの名前をもらったデザインを始めとして数々のヒットを生み、世界中のデザイナーに大きな影響を与えました。

何となく納得できる名前のPapa Bear Chairパパ・ベアー・チェアー
手前がウィッシュボーン・チェアーWishbone Chair(1949年)、その奥が籐椅子版のThe Chair
夜は洋服掛けになるヴァレット・チェアーValet Chair (1953年)
         
一番奥がピーコック・チェアーPeacock chair(1947年)
スウィヴェル・チェアーSwivel Chair (1955年)

HWは若いころまず家具職人の弟子としてスタートしたせいか、サンプルは全部自分で作ったらしい。どの椅子も木の使い方がとても美しく、上の写真、あまりはっきり見えませんが、2色の違った木を組み合わせたとても美しい仕上がりです。



以前書いたフィン・ユールの展覧会のように、コペンハーゲンの後で、パリのメゾン・ド・デンマークでも展示してくれるといいと願っているのですが・・・しかしこの展覧会に因んで、セーヌ岸の北欧デザイン専門のギャラリー・ダンスク・モベルクンストで、小さいけれども充実したHWの展示をしています。

Galerie Dansk Mobelkunst   53bis Quai des Grands Augustins 6e 18日まで

10/08/2014

オイルサーディンのお話し

コンランショップ
L'histoire de la boîte à sardin

上の写真のかわいい箱は何でしょう?なんとこれはオイルサーディン、コレクションしたくなるような紙の箱にあのオイルサーディン独特の小さな缶が入り、とってもおしゃれ。コンランショップの食器売り場の、どっしりとした木材のテーブルの引き出しに並んで飾られ、もちろん売り物! パリではちょっとしたオイルサーディン流行りで、イワシに限らず多彩な味付けの魚一般やムースの缶詰があちこちで目に付きます。これはグルメ志向のトレンドとして昔からの伝統的な食糧品が再発見されていること、オメガ3のたっぷりな魚の人気、そして特にブランシェなオードブルやタパス風おつまみにぴったりだからでしょうか。

 ラ・ベルイロワーズのオイルサーディン5個入り化粧缶

メトロのオデオン近くに去年オープンしたラ・ベルイロワーズは、昔フランス第一のイワシの水揚げを誇った港ブルターニュのキブロンに、3世代伝わる伝統的な魚の缶詰工場の直売店です。50㎡のブティックの3方の壁一杯に、カラフルな缶詰が並んでいる様子は圧巻。工場ショップなのでアソートの詰め合わせや3個、5個のセットでバラ売りはないけれど、ダイレクトなので外のお店で買うよりずっとお買い得価格とのこと。

 スープ、ムースも加わったアソートのプレゼントボックス

ガラスのコップに魚のムース+アボガド+グレープフルーツを層にして入れたタパス、パイ皮に乗せて軽く焼いたオイルサーディンなど、レシピーのパンフレットが沢山お店に置いてあります。

La Belle-Iloise 7 rue de l'Ancienne-Comédie 6e http://www.labelleiloise.fr/fr/

10/05/2014

マスタード・ボルニビュス



Moutarde Bornibus

ベルビルにほど近いヴィレット大通りに(58 bd. de la Villette 19e)、写真のような変わったオーナメントのある建物があります。ここは昔マスタード工場のあった建物で、入口の上には創立者アレクサンドル・ボルニビュスの名前がはめ込まれ、2つのプレートには、“マスタード・ボルニビュス1861年創立”、そして1867年パリ万国博覧会を始めとして、1873年ウイーン、1878年再びパリと3つの賞を受けたことと、その3つのメダルが飾られています。いわばポスター又は看板に当たる当時のパブリシティー。この建物は元事務所や家族の住居として使われたようで、後ろに大きな工場がありました。昔の絵からすると、以前書いたユニクロの新店舗ギャラリーなどと同じ様な造りの工場だったようで、今はロフト式のデラックスな個人宅になっているそうです。


ボルニビュス氏の考案した画期的な機械で作られるマスタードは大ヒットし、また彼はビジネスの才能もあったようで、グルメで名高かった三銃士の作者アレクサンドル・デュマを工場に招待し、彼のクッキング大辞典Grand dictionnaire de cuisineに書いてもらうなど、宣伝の効果も大いに利用して事業を発展させたそうです。

 
  

        

一時市場から消えていたボルニビュスは最近買収され、高級エピスリーやネットで販売されています。

10/01/2014

無印良品の新レアール店


La nouvelle boutique Muji aux Halles

無印良品はこちらでもムジと呼ばれて親しまれていますが、先週レアールのフラッグシップ・ショップが新装オープンしました。パリには7、8店ありますが、新レアール店は700㎡と今までより大型で天井も高く、東京の有楽町店と同じようなロフト風の内装。Muji Laboを始めとして今までパリでは買えなかった商品も沢山加わり、充実した品ぞろえで大ファンの私には嬉しいニュースです。

調べたところムジのパリ上陸は1998年でした。以来明確なコンセプト、シンプルなデザイン、高品質、適正価格で、フランス人(しかし安くはないので、どちらかというと富裕層)の間で根強い人気を得ています。よくムジ風のイミテーションが巷で見られるのですが、決して長続きしないのは、あれだけの品質をこの適正価格で製産できないからでしょうか。“ブランド名がない”ことがコンセプトだったのに、MUJIは今りっぱにインターナショナルな大ブランドです。


上の写真の旅行用品のコーナーMuji to Goでつい笑ってしまったのは、カウンターの上のスーツケースの中身。持ち物はみな大小のネットケースに入れられ、一部のスキもないようにビシッと整頓され、日本人だったらありそーな真面目さ、几帳面さ! もちろんこれは整理ポシェットの使い方を示すための見本で極端ですが、でもこの真面目さ几帳面さがムジの真髄・・?洋服も日本らしい真面目で丁寧な仕上がりでこれがパリでの人気の秘密なのかも・・・
レトロなカフェオレ・ボールや、アンティーク風に仕上げた粗いリネンのフレンチ布巾など、パリのメルシーとコラボのコレクションFound MUJI merciは特に魅力的。

Muji Place carrée, Forume des Halles, Rue Rambuteau 1e

9/29/2014

ラ・メゾン・ルージュのローズベーカリー

Rose Bakery/ La Maison Rouge


今さらブログに取り上げることもないか、と思うように語りつくされたローズベーカリーですが、やっぱり書きたくなったので書きます。パリには4軒あり(日本にももう3店舗くらいあるようですごい!)、私が好きなのはラ・メゾン・ルージュの中にあるお店。寒かった8月の後、今月はインディアンサマーのよいお天気が続いたので、ここのテラスでおいしいケーキを食べるつもりで行ったのですが、テラスは満席、待っていても誰も立たないので仕方なく屋内へ・・しかもここは早く閉まることをうっかり忘れていたので、“ホットドリンクはお終いです”とギャルソンに言われ、コーヒーをあきらめてのティータイムでした。

手前のバナナケーキは予想通りの味でgood、むこうのナッツとプラムが入ったケーキは予想以上で最高

  
   

ラ・メゾン・ルージュはいつも面白い展示をする、美術館というありきたりの名詞を使うにはカッコよすぎるスペースで、これについてはいずれまた書きます。

現代アートの豊富なコレクションが並ぶラ・メゾン・ルージュのブックショップ

Rose bakery/ La Maison Rouge 10 Bd.de la Bastille 4e