8/17/2018

バルザックの庭/ パリのシークレットガーデンNo.2


Maison de Balzac/ un jardin secret à Paris No.2

パリのシークレットガーデン2つめは、作家バルザックの家。
バルザックという人は生涯小説を書きまくり、借金しまくり、借金取りから逃れるために引っ越し魔で、1年ごとくらいに転々としたようです。このパッシーの家は彼の住んだ現存する唯一の家で、1840-47年の7年間いたのですから、彼としては最長記録だとか。

家と庭はエッフェル塔が見える丘の傾斜した土地にあり、Raynouard通りの入り口を入って1階分階段を下ります。ブログトップの写真はこのレヌアール通りから、上の写真は階段から撮りました。

バルザックの書斎、この机で人間喜劇を執筆しました。
1室には人間喜劇の挿絵の版木(銅板?)の展示。中学か高校の頃、初めてこの挿絵を見たのはウジェニー・グランデだったか従妹ベットか・・いかにも1800年代ぽく古風で、しかも登場人物達の、冷酷、狡猾、卑劣、傲慢、軟弱といった、人間の醜悪な性格を見事に描き、あまりにバルザックのお話の内容とぴったりしすぎてやりきれない気持ちにさせられました。今でもやっぱり好きになれない・・でもすごい描写力です。

本当はもっと花が咲き芝生も緑なのに、この暑さで庭全体カラカラ。あまりきれいな写真が撮れなかったのが残念。こんなに暑くなければ、椅子があちこちの木陰に置かれ、もっとゆっくしたいところ・・・ここも特別の展示がなければ入場無料です。

当時このあたりは田舎で、その頃の名残か、エッフェル塔の見えるテラスの壁に沿って、ずっとブドウが植えてあります。このテラスの下には、細い路地Berton通りがあり、バルザックの頃と変わらない田舎風の散歩道になっています。上のレヌアール通りからは1階建てに見えるこの家は、実は丘の傾斜に沿って下に2階分あり、隠し階段を使うと階下からこの小路に出られたそうで、借金取りから逃げるのに好都合だったとか・・


Maison de Balzac   47 Rue Raynouard 16e  http://www.maisondebalzac.paris.fr/en

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