La soupière
昔はフランスの家庭に欠かせなかったのに、今は全くと言ってよいほど使われない食器にスーピエール、スープ入れがあります。下の写真は1家庭用の伝統的な陶器セット。これに肉や魚のメイン用の大皿が2、3枚にコーヒーカップが付いて、10人以上がフルコース食べられる数です。
昔はフランスの家庭に欠かせなかったのに、今は全くと言ってよいほど使われない食器にスーピエール、スープ入れがあります。下の写真は1家庭用の伝統的な陶器セット。これに肉や魚のメイン用の大皿が2、3枚にコーヒーカップが付いて、10人以上がフルコース食べられる数です。
ふっくりと丸く、熱々のスープが冷めないように蓋つき。蓋の上の持ち手に野菜などの飾りがコロンと付いていてかわいい、親しみのあるいかにも家庭的なフォルム。最近はスープからディナーを始める家庭は少なくなり、健康やダイエットのためにサラダの方が人気で出番が無くなり、しかも狭いアパートのキッチンでは大きいので収納に困ります。でもおばあさんの代から伝わるスーピエールは思い出が一杯なので、蓋を取ってサラダボールに使ったり(フランスでは各自に小分けにせずに、まとめてドレッシングしたものをドンとテーブルの中央に置いてサービスする)、田舎の家などではキッチンの飾りに使われたりしています。一番上の写真のカーネーションのモチーフのスーピエールは、家に伝わる曾祖母のもの。
田舎風、アールデコ、アールヌーボーなどその時代によってファッションがあってとても面白い。上の写真はセーブルの陶器美術館にあったもので、優雅な曲線と華麗な装飾の貴族御用達のスープ入れ。
ところで最近は昔のよい食材が見直されていて、おしゃれなスープ・バーができたりと、スープがカムバックしています。このブログのテーマから外れますが、スープのお話が出たついでに我が家の野菜のポタージュのレシピーを紹介します。欠かせないのは香り用のオニオンとセロリ、そして美しく仕上げるには、赤い野菜と緑の野菜を混ぜるときには、分量を加減してどちらかの色になるようにする事。これさえ守って、後は冷蔵庫の整理のつもりで何でも入れ、野菜が柔らかくなったら、ミキサーでポタージュに。ミキサーをかけないと、味が混じりあわないのでおいしさは激減します。かぼちゃ、人参、カブのポタージュは黄金色、ホウレンソウ、長ネギ、ポテトのポタージュは美しいグリーン、水に対して野菜の量が多いほど濃厚で美味。家では野菜を沢山食べたいので、ぽってりした食べる感覚のスープにしています。野菜のうま味で十分なので、塩(できれば精製されないあら塩使用)以外、間違ってもスープの素など入れないこと。完璧主義の人は、残り物のチキンなどでダシを取るとコクが増します。その場合は、お肉はミキサーにかける前に取り出します。又は食べる前にバターを1かけ落とす。これにパンとチーズがあればヘルシーな夕食に。Bon appétit !