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5/27/2022

イブ・サンローランとモダンアート

 

Yves Saint Laurent aux musées/ Le Centre Pompidou

1962年1月29日に、ファッションの歴史に残るイブ・サンローラン最初のファッションショーが開かれてからちょうど60年。それを記念して近代美術館、ルーブル美術館、オルセー美術館、ピカソ美術館、イヴ・サンローラン美術館とポンピドーセンターというパリの6つの美術館で同時の、サンローラン展が開始中です。各美術館違った視点からのアプローチの中から、ポンピドーセンターをちらっと見てきました。サンローランとキュービスムやポップアートとの深い関連が伺われ、ホントに近代絵画が大好きだったのねーと感じた展示でした。

1つのスペースにまとめて展示せず、常設展示の絵画に混じって所々の部屋に展示してあり、彼のデザインを追ってゆくと、自然に近代絵画のメインを一周できるような、オシャレなセノフラフィーでした。

アンリ・マチス ≪ルーマニアのブラウス≫

ジョルジュ・ブラック ≪ヴァイオリン≫

ソニア&ロバート・ドローネーの部屋の中央には、とてもインパクトのある赤のカクテルドレスが素晴らしい!

パブロ・ピカソ ≪アルルカンと首飾りの女≫
ゲイリー・ヒューム ≪ザ・ムーン≫
マーシャル・レイス ≪オダリスク≫
エルスウォース・ケリー ≪ブラック ホワイト≫
エテル・アドナン ≪無題≫

5/21/2021

イエール散歩/ カイユボットの家


Une promenade à Yerres / Le propriété  Caillebotte / "L'exposition Paul Durand-Ruel et le Poste Impressionnisme"

19日から、ずっと閉まっていたカフェやレストラン、文化的な施設がオープンし、夜間の外出も、21時に緩和されて、パリが急に活気を取り戻しました。Covidが消えたのでもないし、インド種など新種の脅威もあるので、いいのかなーと思いつつも、やはり嬉しくて早速開いた美術館に行ってきました。


外出の10km制限も5月3日に無くなったていたので、選んだ場所はYerresイエールの画家ギュスターヴ・カイユボットの家。イエール川に沿ったハイキングと、ポスト印象派の展覧会、そしてカフェでお茶と、今までできなかった事を全部しようと欲張ったプログラム ‼
私のコースは、パリ市の中心のシャトレ駅から、郊外行きRERのD線で約30分、Boussy-St-Antoineブッシーサンタントワーヌで下車しました。10-15分ほど歩けばイエール川に出るので、後はずっと川の左岸沿いに、Brunoyブリュノワの町を通ってYerresイエールの町へ。D線はパリから来ると、Montgeron-Crosne, Yerres, Brunoy, Boussy-St-Antoineの順で止まるので、希望するハイキングの距離によってコースを考えてください。ウォーキング用の詳しい地図carte IGNを持参した方がいいでしょう。
Yerresで下車すればカイユボットの家は徒歩15分くらいです。

小道は鬱蒼とした木々の間や、牛や羊もちらほら見える野原を通り、時には中州を横切ります。住宅はすぐそばにあるのに全く気にならず、田舎に来た気分。向こう岸には可愛らしい家が並び、みな自家用ボートを繋いでいます。

これがカイユボットの家。資産家だったギュスターヴの父がカイユボット家の夏の別荘として買ったもので、小型のシャトーですね。ここでギュスターヴは沢山の絵を描いたのだそうです。庭園は11ヘクタールもあり、今は無料でだれでも散策できる公園になっています。家の内装は徹底的なナポレオン様式。キンキラで角ばって好みではないので、中の写真は別の機会に・・

庭園内にある展覧会用の建物。

コロー、ドービニー、ミレーなどのバルビゾン派、続いて印象派の画家達をバックアップして売り出したのが大画商Paul Durand-Ruelポール・デュラン=リュエル。彼はポスト印象派のMoret,、Maufra、Loiseau、 G. d’Espagnat 、Andréの5人の画家達も育てようとしたのに、惜しくも高齢で亡くなり、この5画家達は有名になるチャンスを逃してしまったのですね。今では彼らの作品は色々な美術館に収められていますが・・その彼らの作品を集めた小展覧会でした。

私が一番好きだった、エスキース風にサラッと描いた小品。Geroges d'Espagnat

庭園内のスイスの山小屋風の建物は、昔絞った牛乳を集めて乳製品を創る場所で、現在はレストラン・カフェになっています。19日はまだオープンしていなかったので、残念ながら、ティータイムは外のカフェに行きました。

Propriété Caillebotte   8 Rue de Concy 91330 Yerres

http://www.proprietecaillebotte.fr/

10/09/2020

ハーパースバザー展とアンドレ・ブロックの彫刻建築

     

            

L'exposition Harper's Bazaar et le sculpture habitacle d'André Bloc

ブログのタイトルはハーパースバザー展ですが、内容は前回のアンドレ・ブロックの彫刻建築の続きです。
装飾美術館MADのデッサン展に行き、同じ館内、共通チケットなのでついでにハーパースバザー展を覗きました。ハーパースバザー誌は1867年創刊の、世界で最初のファッション雑誌なのですね。その150年の歴史をまとめ、ちょうどMADのファッション/テキスタイル部の建物のリノベーション後のお披露目を兼ねた展覧会です。

60年代風の宇宙的なスチールのファッション・・・なんだか最近見たばかりのような・・・と足を止めたらやっぱり! 


ウイリアム・クライン監督の映画、おまえは誰だポリーマグー Qui êtes-vous Polly Maggooに使われたドレスで、ヴィデオ付きの展示です。ついこの間このブログで、アンドレ・ブロックの彫刻ハウスと、それが舞台になった映画を取り上げたばかり。当時この映画がとても話題になり、アンドレ・ブロックの彫刻建築も注目されたそうですが、本当だったのですね。
別々の場所で偶然に遭遇したので、ブログに書いてみました。

リノベーションは、ジャン・ヌーベルが担当したプリント/グラフィック部の内装とマッチするようにでしょうか、真っ白にしてしまわず地肌をそのまま生かした壁、空調かヒーターかのパイプがそのまま見える天井。特にこの螺旋階段のある広いスペースがステキでした。

アンドレ・ブロックの彫刻建築 http://kaleidoscope-design-paris.blogspot.com/2020/09/blog-post_29.html

Harper's Bazaar   MAD 107 Rue de Rivoili 1e   2021年1月3日まで

4/09/2018

ファッション写真革命/ ピーター・ナップ


Peter Knapp/ Dancing in the Street

ファッション写真に革命をもたらした写真家、ピーター・ナップの小写真展 "Dancing in the streetが、オーステルリッツ河岸のレ・ドックス、シテドラモードで開催中です。
ピーター・ナップはエル誌の創刊者エレーヌ・ラザレフに見込まれ、60-80年代に20年以上エルのアートディレクターを務め、革新的なファッション写真を次々に発表し、エル誌を世界の一流ファッション誌にのし上げました。それまではお決まりのポーズで服を見せる為だけの物でしたが、彼の写真のモデル達は長い髪やコートを翻して走り、動き、笑う、新しい自由な女性達です。写真の斜め使いや、グラフィカルなドット、ライン、キューブを組み合わせた写真や紙面のレイアウト、ファッション専門でないカメラマンやイラストレーター等アーティストとのコラボなど、今では当たり前な事を、初めてやったのがピーター・ナップ。


     
by Le Monde

Dancing in the Street, Peter Knapp et la mode 1960-1970 
Cité de la mode et du design, 34 quai d’Austerlitz 13e  6月10日まで

7/14/2016

ヴィンテージカフェ、マルシェ・ノワール


Le Marché Noir/ Vintage select-shop-café

マレにまた話題のブティックが登場しました。以前ブログに取り上げたコントワール・ジェネラルを経営するアマー・アイヴィがこの春オープンした、アフリカムードたっぷりのセレクト/ヴィンテージ/サロンドテ、マルシェ・ノワール。
高価な物を使わないシンプルなインテリア。でも勿論さりげなくとても素適。アイヴィ氏はきっとランプが好きなのですね。コントワール・ジェネラルもそうですが、照明の使いがとても上手。上の写真のランプは、よくよく見ると、なんとアパートの入り口に置くココ椰子ファイバーの足拭きマット3枚を重ねたものでした!!
サロンドテの内装は、コントワールジェネラルほどには凝っていないけれど、パリから遥かに遠いアフリカのどこかに来てしまったような楽しい気分にさせられます。バナナなどのグリーンや竹の椅子、高い天井、古びたセメントタイルの床が、古い映画の植民地のカフェのムード。でも話題のカフェにありがちな、僕たちはファッショナブルなんだゾという気取りが少しもなくて、自然体、のんびり・・

ブティックの商品は、フランスやヨーロッパのブランド物のヴィンテージをメインに、アフリカ製のエスニックなアクセサリーがミックス。ヨーロッパの赤十字など慈善団体がアフリカに送る古着の市がトーゴにあるそうで、そこでアイヴィ氏がセレクションし、買い叩かずに通常の価格より高く仕入れ、ヨーロッパに逆輸入しているそうです。このようにして彼は故郷とパリに雇用を起こし、一種のフェアドレードをしています。安く買わなくてもコストの低いアフリカから来るせいか、価格は以外にお手ごろ、物によっては安いくらい。面白い品揃えと、なんといってもこのコロニアル風のヴィンテージという新ジャンルがとてもおしゃれ。因みにマルシェ・ノワールとはブラック・マーケット闇市のこと。

Le Marché Noir  18 rue Perrée 3e 
ブティックとカフェは奥で繋がっていても独立のスペースで、カフェの方は毎日8:00-22:00営業。

6/01/2016

パニエについて


Le Panier

フランスで好きな物の1つに、パニエがあります。バスケット、要するに買い物かごですね。
この単なる買い物かごをファッションのアクセサリーとして引き上げたのはジェーン・バーキン。60年代に、ジーンズにバッグの代わりにパニエを持って、フランスのファッションに大センセーションを巻き起こしたそうです。
別にバーキンのマネではないけど、私も夏になると、よくパニエを持って歩きます。サンダルやエスパドリールにぴったりマッチするから! 一番のお気に入りは上の写真のモデル。手さげ型とショルダー型があり、よく男性もマルシェのお買い物に使っているのを見かけ、なかなかステキ。
夏は束ねたアーティチョークや赤ピーマンを入れて野菜籠に、雑誌や新聞を放り込んだり、田舎の冬は暖炉用の薪入れにと、素朴なインテリアとしても万能選手。

5/27/2016

アベスのセレクトショップ、スプリー

Spree

ストゥディオ28でアベスに行ったら、どうしても欠かせないのがスプリー。お買い物のつもりがなくても、必ずちょっと覗いてみたくなるお店。オーナーのセンスの良さが光る、すばらしい品揃えのファッションに、アクセサリーに加えて、内装に使われているヴィンテージの椅子やテーブルも売り物なのです。
私が行った時はフィリップ・リムの赤いドレスと、カルヴェンの赤いバッグがショーウインドーを飾っていましたが、週が変わった今日のスプリーのブログは、180℃変わって真っ白なコーディネートに。
ソフィ・ドールのトップ、MM⑥のパンツ、カルヴェンのスニーカー

Spree   16 rue de la Vieuville 18e http://spree.fr/en/

2/14/2016

若きウェルテルの黄色のベスト


Le gilet jaune de Werther/ L'opéra de Massenet

先日観たマスネのオペラ ″ウェルテル″ で、ウェルテル役のピョトール・ベクザラの衣装は、濃いブルーのジャケットに黄色のベストでした。あまりにも有名なヨナス・カウフマンのウェルテルの衣装も黄色のベストだったので(上の写真はそのDVDのカバーの一部)、演出家が同じだからと思っていました。後になってオペラ座のコスチューム責任者の方の談話を読みゲーテの原作 ″若きウェルテルの悩み″ が発表された当時、熱狂的なウェルテル・ブームになり、ウェルテルのナイトブルーのジャケットに黄色のベストを着るのが大流行りしたことを知りました(それに自殺も!)。この服装はロマン派の象徴のようになり、18世紀後半のファッション全体にも大きく影響を与えたのだそうです。純文学からブランシェ・ファッションが生まれた時代・・優雅ですねー。

ところでフランスでWertherは、最後のRを発音しないでヴェルテーと曖昧に聞こえます。しかもオペラはフランス人マスネ―が作曲し、美しいフランス語で歌われるのです。そのためにか原作はゲーテで、実らぬ恋にピストル自殺するのに、オペラのヴェルテーと小説の若きウェルテルの悩みが同じものとは、全くマヌケにも長い間思い至りませんでした。休憩時間に誰かがウェルテルと発音しているのが聞こえて、ハッと気が付き、そのあと笑いが止まりませんでした。原作はドイツ語だということを考えなかった私の大ミス。でもアルファベットの国民が、固有名詞を勝手に自国語に変えてしまうのも困りものです。例えばヴェルディのオペラ、ジョバンナ・ダルコって誰かというと、ジャンヌ・ダルク!

今回のシャルロット役のエリナ・ガランチャは、私には超の付く最高と思えましたが、ある批評の中にフランス語が不明瞭だと出ていました。フランス人はオペラの発音特にフランス・オペラには厳しくて、まあそれがポエムの美しさの決め手なので当然ではあるけれど、外国の歌手にも容赦しません。それだったら ″ヴェルテー″ もやめてほしい・・・でもウェルテルにしたらフランス・オペラではなくなるし・・ややこしいですね、