9/16/2022

ピクニックテーブル/ ノルウェー の夏 No.2

 

Table de pique-nique 

ピクニック用のテーブルは、どこにもあってあまりにもありふれているので、今まで注目した事が無かったのですが、ノルウェーでは街中や、住宅街のちょっとしたコーナーなど、フランスだったらあるはずのない場所でよく見かけ、ピクニックに限らず利用されているようです。アパートとアパートの間の共同スペース、例えば "コ" の字型に並んでいる3つのアパートの棟に住む住人が、その中心の木立と芝生のスペースに置かれたピクニックテーブルを、上手に共有しているようです。北欧の夏の夜は遅くまで明るいので、昼食に限らず夕食だってそこに持ち出して食べたり、友達が集まって食事とおしゃべりしたり、コーヒーマグを片手に本を読んだり、コンピュータに向かったりと、まるで自分の家の延長。自分勝手をして人に迷惑もかけないし、プライバシーなどどこ吹く風のマイペースでもあります。


よく考えてみると、このテーブルは素晴らしいデザインですね! 
頑丈で壊れにくいし、無駄を省いた単純なデザインで、コストは恐らく安く、安全。テーーブルとベンチが固定されていないデザインのピクニックテーブルは、なぜかベンチだけ盗まれがちだとか。そういえばピクニックテーブルが、地に根が張ったように、どっしりと重そうなのは、簡単に持ってゆかれないための盗難防止も兼ねているのかもしれません。。


9/09/2022

アストルップ・ファーンリ美術館のシノヴ・アンカー・オールダル展/ ノルウェーの夏 No.1


Synnøve Anker Aurdal au Musée Astrup Fearenly/ Norvége

夏休みに、オスロに住んでいる家族に会いにノルウェーを訪れました。ちょうどヨーロッパ中が記録的な暑さの時期でしたが、ノルウェーの場合は霧雨の数日を除いて快晴続きの25℃。とても快適でした。
その雨の日を利用して、楽しみにしていたノルウェーの誇るタピストリーのアーティスト、シノヴ・アンカー・オールダルの展覧会をアストルップ・ファーンリ近代美術館で楽しみました。


シノヴ・アンカー・オールダルは1908年に生まれ、30年代に専門家のアトリエやオスロの国立の女性向きの技術学校などで機織りを習得しました。1941年にプレスティージなオスロのKunstnerforbundetギャラリーで展示したのをはじめとして、ベルゲンのお城の大ホールHåkonshallenを使った、こちらも由緒ある展覧会に定期的に出展するなど、以後機織りの第一人者として活躍。1982年にはベニスのビエンナーレに、ノルウェーを代表して参加しています。

彼女の作品がいかに素晴らしいかは、写真を見て頂ければ一目瞭然ですね。ノルウェーの詩からインスパイアされたものが多いそうですが、ノルウェーの歴史や抒情詩を全くと言ってよいほど知らない私にも訴えかける美しいモチーフは、伝説、歴史、おとぎ話、ノルウェーの風俗や自然などが織り込まれているのが感じられます。
また彼女は社会問題にも熱心で、ポエムとは相反する、そのような現実の問題を、時にはユーモアたっぷりに織り込んでもいるそうです。彼女が好きだったらしい音楽がモチーフによく現れ、ジャズ、ドビュッシーへのオマージュといったタイトルの作品もありました。





シノヴ・アンカー・オールダルのタピストリーは、そのモチーフのベースとなるデッサンが最高で、彼女は画家としても相当なものだったのではないかと思います。でも特にずば抜けているのは、その色使い !!!  正に魔法をかけられたように色が踊っています。私は特に彼女のブルーが好きだったのですが、中でも下写真の作品にはしばしうっとりとして動けなくなりました。タイトルはズバリ Dream of the blue 。1991年、彼女が83才(オー!!)の時の大作です


 タイトルは Hoar Frost 正にアブストラクション絵画そのもの 1966年

オスロは実は2回目で、前回は特別展示がちょうどなかったので、アストルップ・ファーンリ美術館の中に入ったのは、これが初めてでした。展覧会の素晴らしさに多少幻惑されて会場を出ると、レンゾー・ピアノがデザインした建物のメタル、ガラス、外にボーッと霞むオスロの海などが混然となって、こちらも素敵な抽象画を見るようでした・・・


Astrup Fearenly Museet, Strandpromenaden 2, 0252 Osalo Norway
Synnøve Anker Aurdal  

過去のブログ:

アストルップ・ファーンリ、スヴェレ・フェーン/ オスロ散歩 No1

DogA, グリュナーロッカ、アケーセルヴァ/ オスロ散歩No2