7/23/2022

フィミンコ財団とコンテンポラリーアートセンター・コミュヌマ

 

Fondation Fiminco et Le Centre d’Art Contemporain Komunuma

パリでアートギャラリーが集まっているのはサンジェルマンデプレ、マレ、サントノレなどですが、それらの既成の地域を脱して、パリ郊外にサテライトのように、見逃せないアートセンターが少しずつ増えています。以前このブログでも取り上げたパンタンのロパック画廊はその先駆けです。それらサテライトは正直あまりぱっとしない北西部の町に多く、それは多分地価が格段に安いことと、修復すれば個性的な空間の創れる、買い手の無い古い工場や倉庫が沢山残っているから。文化的なグレードアップを望む町からのバックアップもきっと大きいのでしょう。
Komunumaコミュヌマ・コンテンポラリーアートセンター/Fimincoフィミンコ財団も、パリの "ブルックリン" を目指して2019年、郊外のロマンヴィルにオープンしました。


ずっと内部が見たいと思っていたのにCovid等でなかなかチャンスがなく、今回はレジデントという、援助を受け一年間アトリエ使用をしていた新人アーティスト達の、年度末の展覧会が開かれていたのを利用して内部を見てきました。1911年に製薬会社の工場として建てられた、アールデコのレンガのシャープなデザイン!

フィミンコ財団のメインビルディングには、展覧会場とオフィス。
"ロ" の字型に、中庭を囲んで主要の建物が集まっています。写真左はフィミンコ、写真右はギャラリーが集まるコミュヌマ(コミュニティーの意味)の入る建物。写真下、各ギャラリーにも、オフィスはもちろん、展示スペースがあります。

写真左はFRACフラックという、イルドフランス県の運営するコンテンポラリーアートセンターが占める建物からの眺め。左に見えるのはレジデント達のアトリエと住居の入った建物。写真右は中庭に面した素敵なカフェ。

以下の写真はフィミンコの展示スペース。1階と、特に2階は驚くほど広く天井の高いメインホール。一部に中2階が付いています。すごいヴォリュームに感激!どんなインスタレーションも展示可能ですね。格子の巨大な窓から入る光が壁や床に映り、展示された作品が、実際よりよく見えてしまったり・・・

工場の名残、建物を貫く炉

周りには同様のレンガの工場が沢山残り、一部は壊された瓦礫が残ったまま、一方近代的でテラス付きの住み心地の良さそうなアパートも建っていたりと、下町ロマンヴィルに、中洲の様に突然現れたデザインな一角。本当にブルックリンに変貌するか、失敗して放置されるか⁉ Covidで2年間不運でしたが、大きな可能性を持っている地区で楽しみです。

Fondation Fiminco,   43 Rue de la Commune de Paris 93230 Romainville
メトロ5番線 Bobigny - Pantin - Raymond Queneau 
地下鉄で行けるといっても元工場地帯の郊外です。駅から殺風景で車の多い道路を15分くらい歩かなければなりません。
展示の内容、オープニングの曜日と時間をよく確認してから行きましょう。

タダエスロパック・ギャラリー/ パンタン散歩

7/13/2022

ラベンダー畑/ ポーズカフェ

Champs de Lavande 

すごい猛暑です。2週間先までの天気予報は、ずらりと輝く太陽の印ばかりで、連日30℃以上、35℃、38℃などという日も・・・

7/07/2022

シャーリー・ジャッフ

Shirley Jaffe au Centre Pompidou

待ってました ! と言いたいような展覧会、シャーリー・ジャッフがポンピドーセンターで展示中です。彼女については以前のブログに取り上げていますが、作品を見るのはこれが初めてめて。期待通りの素晴らしい展覧会でした。


なにが素晴らしいかというと、展示作品の質と量が抜群だったのは勿論ですが、ジャッフの画風が年と共にどう展開発展していったか、その過程がとてもよくわかる展示だったからです。

ジャーナリストだったご主人についてパリに来た頃50年代の作品。
       
徐々にフォルムやカラーが独立したコンポジションになってゆく60年代
                  

フォルムとカラーが究極に単純化された70年代以後
               

シャーリー・ジャッフはとても素晴らし色彩感覚を持つ画家ですね。それは生涯ずっと通して共通しているので、どの年代の作品もとても美しい!
まず50年代、60年代の作品は、とにかくカラーが美しくうっとりしてしまいましたが、ジャッフの個性が最も発揮されるのは、やはり70年代以後の作品です。切り紙遊びのジョークのようで、これなに?と思ってしまいそう。でもよく見るとリズム感がありポエジー一杯、楽しくハッピーで、見る人をぐっと引き込むパワーがあるのです。
       

意外なことに、これらの絵はジャッフェの頭でイマジネーションされた抽象画ではなく、街角などの実際の風景を見て描かれたのだそうです。その証拠に、彼女の鉛筆のスケッチも沢山展示されていました。
    
でも理屈は抜きにして、ストレートに彼女の世界を楽しみましょう !!

Shirley Jaffe, Une américaine à Paris   Centre Pompidou 8月29日まで

シャーリー・ジャッフの画集