Eduard Chillida aux Abattoirs/ Toulouse No.2
ツールーズの近代美術館レ・アバトワールAbattoire(屠殺場)は、文字通り元屠殺場。それまではバラバラだったこの業種を一か所に集めるべく、市が19世紀初頭に建てたレンガの建物を美術館に改装したもの。ツールーズの中心である美しいキャピトル広場から、タルン川を渡った対岸にあります。
チリーダは1924年スペインのサン・セバスチャンで生まれ、マドリッドで建築の勉強を始めましたが、途中で彫刻に転向。1948年から10年ほどフランスで過ごし、ブランクーシや同邦のホアン・ミロ、アントニ・タピエス等と交流しています。上の写真やデッサンのような、丸い鍵型のダイナミックなシリーズが私は大好き。容赦なく人を縛り付けるチェーンのようにも見えるし、何かと何かを必死で繋ごうとするチェーンのようでもあります。サン・セバスチャンの海岸にある彼の代表作の一つ "風の櫛" は、潮風と荒波を受けながら天に向かって断固と伸ばされた鍵の手。いつか本物を見たい作品です。
by San Sebastián Turismo
今回の展示は殆どが小品なのがちょっと残念だった分、デッサンが沢山あリ、グラフィック・デザインとして見ても最高!
紙の質から墨のようなブラックの色合い、紐を使った下げ方まで、うっとりしてしまった作品。作品に一貫したメッセージは自由、友愛、平和、協調など、人種も宗教も超越した人間(ヒュ-マニティー)への賛歌。彼は全く政治や政党とのコンタクトはなかったそうですが、国政人権連盟やアムネスティーインターナショナルなどのポスターを多数手がけています。
高い天井から下げられたチリーダの作品
広い敷地はタルン川岸まで続く公園。私の行った日は熱いぐらいの素晴らしい天気で、タルン河岸のはピクニックや日光浴をする人で一杯でした。
Les Abattoires 76 allée Charles de Fittes, 31300 Toulouse http://www.lesabattoirs.org