Le portrait d'une femme vue de dos/ L'école de Skagen à Tokyo No.2
さて、ルコルビュジエがデザインした上野の国立西洋美術館のブログの続きで、今そこで開催中のスケーエン派の展覧会のお話です。
常設展の一角がこの展覧会のコーナーになっていて、入ったとたんに衝撃を受けました。ああ、また同じ後姿! 昨秋に ″ある後姿″ というタイトルで、デンマークのオーフス美術館で見た女性の後姿の絵の事を書きましたが(2016年10月8日のブログ参照)、少し暗いトーンだけれど、ドア越しに見た同じような後姿(写真下)、家庭の風景・・オーフスでたった一枚見た絵の女性画家アンナ・アンカーの作品に、東京でまた再会できたのです。(後記: 早合点でした。こちらは同じくデンマークの画家ヴィルヘルム・ハンマースホイの作品。アンナの作品の明るさと色がありません)
byヴィルヘルム・ハンマースホイ
by アンナ・アンカー
デンマークの北の果て、ユトランド半島の突端にある漁師の町に、1870年頃に、画家達を中心に作家や音楽家も集まった一種の芸術家村ができ、スケーエン派と呼ばれました。そういえばどこかで聞いたことがある、くらいの知識しかなかったのですが、家庭の何でもないひとコマを描いた優しい作品や、海と戦う漁師の厳しい表情をしかし暖かい目で見つめた作品など、草花や潮の香りのする清々しい絵ばかり。このグループの中心だったらしいのが、このアンナと夫のミカエル・アンカーに、マリーとペーターセヴェリン・クロイヤー(彼は当時デンマークの最高の画家として売れっ子だったらしい)のようです。でもアンナだけがスケーエン生まれ。アンナの絵は特に後姿、次いで斜め横顔などが多く、他の画家も後姿を描いているのが目に付きました。今春必見の展覧会です。
スケーエン:デンマークの芸術家村、国立西洋美術館 5月28日まで
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