10/21/2018

バスキアのプリミティブ・グラフィズム


Graphisme primitif de Basquiat

10月に入ってどっと新しい展覧会が始まりました。今シーズン必見の、ルイ・ヴィトン財団美術館のバスキア展は、後になると大混雑が予想されるので、オープニング早々に見てきました。
バスキアは今さら説明するまでもなく、グラフェイティから出発し、最年少でMoMaに展示されるなどニューヨークの美術界の寵児となり、オーヴァードーズで早世した黒人アーティスト。3、4才で読み書きを覚え、10才くらいで3か国語を話したそうですから、頭の良い人だったのですね、美術に関しても独学で勉強するなどとても読書家で、バンドを作って演奏していたこともある。長生きしていたらカリスマ的なマルチアーティストになっていただろうと思われます。

自分で自分の絵は80%が怒りだと言っていたそうで、筆の勢いに圧倒されます。人間はみなガイコツとなり、歪み、叫び、時には子供の絵のように、又はマンガチック、でもこの迫力!
以下は大作のごく一部、キャンバスの端の部分など、メインの人物たちの部分を避けて撮った写真です。プリミティブでグラフィック!

実はこの展覧会、バスキアだけでなく、エゴン・シーレと二本立てのダブル展覧会なのです。二人とも若くして亡くなった事、既存の社会や芸術に対する反逆者であったこと、などの共通点がダブル展示にする理由だと思いますが、どちらも独立してビジターを沢山集められる "超" が付けられる人気の高い画家、しかも2つに分けても十分なくらいの作品数が集められたのですから、LVMHとベルナール・アルノーの財力には感心させられます。結果としては、見ごたえのある2人の画家の作品が沢山あるため、集中して見終わるとかなり疲れました。またシーレが先で次にバスキアと、混ぜないで会場を分けた見せ方なので、シーレの感動を一旦頭から追い出してバスキアを見るという、頭の転換が大変! でもこれは嬉しい悲鳴で、アルノー氏には、今後も大いにこういう事にお金を使ってもらいたいものですね。

Jean-Michel Basquiat    Fondation Louis Vuitton  2019年1月14日まで
8 avenue du Mahatma Gandhi, Bois de Boulogne 16e

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