La plus ancienne construction en fer de Paris
左岸の植物園Jardin des plantesに、ちょっと小高い丘のような一角があるのですが、その頂上に(といってもせいぜいアパートの2、3階くらいの高さ)、フランスでキオスクと呼ばれる東屋があります。前から知っていたのに、通り過ぎるだけでしたが、ある日ふと気まぐれに、初めてこの 小山に登ってみました。
周りは密集した灌木が取り囲み、フランス庭園によくあるような迷路になっています。側に説明書きがありました。このキオスクはフランス革命直前の1786-1789年に、ルイ16世の命によって、ビュッフォン伯爵が建てました。眺めがいいというだけで、建築物としては何の用途もないのですが、金、銀、銅、錫、鉄、鉛、水銀の、7つの金属が使用され、周りの迷路も含めて、なにかシンボル的ですね。柱は鉄の骨組みの上を、ブロンズと銅がカヴァーし、てっぺんには正午を知らせる風見鶏の装置がありましたが、今はメカニックの部分が無くなっています。
1789年にフランス革命が始まると、キオスクに付けてあったラテン語の、ルイ16世を讃えるオーナメントが外されただけで、貴重な資材なのに、なぜか奇跡的に破壊や、盗んで外の物に利用される事もありませんでした。そのおかげでこのキオスクは、エッフェル塔よりちょうど1世紀前に、金属のみを使用して建てられた、パリで一番古い建造物ということになったのです。
1951年、1984年、2018年と3回修理されていて、因みに1984年の修理の出資者はカール・ラガーフェルドだったそうです。
Gloriette métalliqueLe Jardin des Plantes 57 Rue Cuvier, 5e