3/03/2017

アストルップ・ファーンリ、スヴェレ・フェーン/ オスロ散歩 No1


Oslo/ Norwege

ノルウェーのオスロに数日、そして東京に里帰りしてきました。
まずオスロの印象から・・
ノルウェーはヴァイキングの国、それで着いて早々真っ先に港に行てみたら、びっくり! 凍った海を見るのは初めてでした。私達が行く前の週が寒波だったのだそうです。滞在中寒波は去ったとはいえ、夜は零下になり氷が溶けません。
港から突きだした突端のアーケブリッゲにあるアストルップ・ファーンリ現代美術館は、レンゾー・ピアノが2012年に建てたのもので、運河を挟んだ3つの建物の屋根をブリッジで結び、船の帆のように大きく広がる白いガラスの屋根、スチールのケーブルで補強された柱は帆柱と、海がテーマのデザイン。荒波に立ち向かう船のように、悪天候にも耐えられるよう設計されたそうです。


アストルップ・ファーンリのカフェは、現代彫刻が置かれた庭(無料)と海に面した寛げる空間で、その日は一面に雪と氷と靄に包まれ不思議な美しさでした。屋内は小さく、屋外(写真上)が、天気が良ければ素晴らしい。シーズンオフでメニューがカットされていたのか、お食事よりティータイム向けでした。
   
アーケブリッゲはブランシェな地区に生まれ変わり、おしゃれなレストランやブティックが港沿いに並び、下写真のような超近代的なアパート群も。
           
あちこちにシャワーや海へ降りる階段があり、夏はみなここで泳いだり日光浴したりすのでしょう。ウルトラモダンな高級アパートと、目の前の雑多な工場や港、それでもなお且つ泳ぐ(泳げる)という自然志向・・・デンマークでも不思議でしたが・・但し夏でも水が冷たく、すぐ体の感覚がマヒして泳げなくなるので要注意とガイドブックに書いてありました。サウナ風に太陽と冷水を交互に楽しむのでしょうか?
   

ガスっているのでよく見えませんが、目の前は港の雑多な機械、工場や倉庫?美しくない!
オブニーか?超近代アートか? 夜空に青く光るデザイン公衆トイレ!
そしてこれがかの有名なオスロ・オペラハウス
広いスロープの屋根は上ることができ、港やオスロの街が見張らせ夏は人で一杯になります。私の行った日はツルツルに凍り、大げさに言うとそのまま凍った海まで滑り落ちそうに見えたので上るのは断念。それくらい、海と密接に繋がったオペラハウスなのです。注意書きを物ともせず上ってゆく人もちらほらいました。
こうして氷の海越しに見た時、このオペラハウスの設計者(スノーヘッタSnøhettaノルウェーのアーキテクチャーオフィス)は、凍った海を建物に表現したかったのではないかと思いました。海とオペラハウスが一体のハーモニー・・
内部はこちらも氷を思わせる光る壁と、オーク材を沢山使った内装。

こちらは建築美術館の別館、ノルウェーの誇る建築家 Sverre Fehn(1997年プリツカー賞受賞)がデザインしました。ちょうどこのガラスハウスで、ブラジルの建築家リナ・ボ=バルディLina Bo Bardiのビードロハウスとスヴェレ・フェーンを含めたノルウェーの建築家達のガラスハウスについての展覧会をやっていました。
    
上は確か(メモし忘れました)スヴェレ・フェーンのデザインしたガラスハウスの自宅の写真。展覧会場の椅子は彼のデザインのヴンテージの復刻版でした。
下はリナ・ボ=バルディのビードロハウス(ブラジル)
ノルウェー料理はバラエティーがなく、オスロで一番おいしかったのがシンプルなオープンサンド。スモークサーモンやエビをふんだんに使い、ゆで卵ソース、アボガドソースなどを添えて、パンが見えないくらい美しく盛り上げた一品。

1/31/2017

ポンピドーセンター40周年


Centre Pompidou a 40 ans

今日1月31日は、ポンピドーセンターができてちょうど40年めのお誕生日でした。
パリの中心地に、近/現代美術、図書館、デザイン、音楽、シネマなど総合的な芸術を、沢山の人々が身近に見られるようなユニークな美術館を作りたいという、当時の大統領ジョルジュ・ポンピドーの壮大な夢が発端だったそう。設計は、世界中から集まった700近いコンペで、当時まだ無名だったレンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースのコンビが選ばれました。このタイプの建築としては当時革新的な設計で、設計者も大したものですけど、駆け出しの若者を抜擢したフランス政府も大したものです。時代を先取りしすぎて(少なくともクラッシックなパリでは)、1977年の完成当時はパリの景観を台無しにする、醜いとだいぶ批判されました。

ポンピドーの大きな特徴は、建物に必要な柱やパイプが外側に出され、中のスペースはモジュールで広い事。上2つの写真は正面で、エスカレーターもチューブ状で外に付いています。下の写真は裏側で、こちら側にパイプ類が全部集まっています。これらのむき出しのパイプや鉄骨が、ヴィヴィッドなカラーに塗られているのが建物のチャームポイントにもなっているのですが、色はでたらめでなく、ブルーはエアコン、イエローは電気、グリーンは水、レッドは人の流れ(エレベーター、エスカレーター)
 

ポンピドーは工事途中で亡くなり、後を継いだジスカールデスタンは、すんでのところで工事を中止するところだったのだそうです。ジスカールって、フランスの保守的アリストの典型なので、設計が気に入らなかったのですね。当時首相だったシラクが、中止したら辞職すると脅して、目出度く完成しました・・・という話が、今日の新聞に出ていました!

観光客に占領されてしまったようなルーブルと違って、ポンピドーはフランス人の美術館という感じで、そのためかテロのせいで観光客が減っているのに、ポンピドーだけはビジターの数が増え続けています。

1/25/2017

クヌート・ホルシャー/ デンマークの日常使いのデザイン


Knud Holscher/ Design au quotidien

いつも素晴らしいデザインの展覧会を企画してくれて楽しみなメゾン・ド・デンマークで、建築家クヌード・ホルシャーのデザインが展示されています。
クヌード・ホルシャーは、王立デザイン学校でアルネ・ヤコブセンに師事し(ヤコブセンの生徒で今生存している建築家の最後の1人)、卒業後60年代にヤコブセンのオフィスで働き始めてから現在まで、今デンマークで使わるほとんどの物が彼のデザインではないかと思ってしまうくらい、彼のデザインはポピュラーでどこでも見られる日常の必需品。大きいので展示はしてないけれど、例えばバス停、メトロの表示、広告塔兼トイレなども彼の作です。この展示で建築の方は、彼の代表作のコペンハーゲン飛行場B、オーデンセ大学、バーレーン国立美術館、彼の自宅の4点の写真と模型が飾られているだけで、主役は日常のオブジェばかり。
メゾン・ド・デンマークの展示はいつものようにとてもおしゃれ。入り口を入ると、ホルシャーのデザインのオブジェがつり下げられてたオーナメント。彼の代表作の1つはトイレの設備なので、デンと中央に2つに割って中が見える状態の便器が!
街路樹の周りのプロテクション
 
ディナーのテーブルに見立てた展示
上はドアの取っ手と、駅のホームや道路際などにある滑り止め。下も北欧(もしくは世界中)のあらゆる場所で使われているフック、そしてパントーン社から販売されているコップ。
面白いのは、ディナーテーブルの周りには、彼のデザインした椅子に混じって、便器やベビーカーなどが椅子代わりに配置されています。テーブルの上も、お皿の代わりに陶器の洗面台、トイレットペーパーケースが置かれるなどユーモアたっぷり。もちろん全てホルシャーのデザイン。
水彩が好きで、スケッチブックがいくつも展示されていました。

Knud Holscher/ Design au quotidien 
Maison de Danemarck 142 Av. des Champs Elysées 8e 2月28日まで