1/31/2014

ジョセフアンドレ・モットの隠れたベストセラー


Josephe-André Motte, l'inconnu du métro parisien

ジョセフアンドレ・モットは、フランスの50年代を代表するインテリア・デザイナーの一人です。あまり一般には知られてはいませんが、実は彼のデザインで、パリジャンが毎日目にし愛用している大ベストセラーがあるのです。それは上記写真の椅子、1974年の改装でメトロのホームを現在見られるデザインにしたのがジョゼフアンドレ・モット・・・あのカラフルなベンチ無しにメトロのホームは考えられないほど、パリの一部になってしまったデザインです。最近は違った形のベンチや白いタイルではない駅も増えてきましたが、まだまだ大勢は彼のデザインしたまま。
彼はこのほかオルリー、シルル・ド・ゴール両空港を始めとする数々の公共の建物の内装を手掛けた外、家具メーカーSteinerスタイナーとのコラボで素晴らしい作品を発表し、スタイナーの成功を担った功績もあります。最近の50年代家具の人気で、スタイナーから復刻版も多数販売中。


籐椅子 Tripode
椅子770 スタイナー
771 スタイナー
 椅子740 スタイナー
椅子141 スタイナー

1/29/2014

パリ・デコ・オフ


Paris Déco Off

パリ・デコ・オフは、インテリア雑貨の大見本市メゾン&オブジェ展やプレタポルテのフーズ・ネクスト展などと同時期に開催されるイベントで、パリ市内の大手インテリア・ショップやショールームが、沢山のバイヤーやプレスを招待して新作を発表します。カクテルやビュッフなどのサービスはプレスとバイヤーなどの招待客のみですが、コレクションは一般の人も見ることができます。パリには主に2か所、右岸のマイユ通りと左岸のフューステンベール通り周辺にテキスタイルの会社が多く集まっていますが、期間中この2つの通りは、パリデコのシンボル?(イベント開始以来3回続けて飾ってある)カラフルな生地で作られた大きなランプ・シェード(写真上)のオーナメントが華やか。まだまだ寒いパリなのに、2014年春夏の新作を飾った華やかなショーウインドーの中はもう春!

1/27/2014

ロッタ・ヤンスドッターの北欧風プリント


Les tissus imprimés de Lotta Jansdotter
忙しくストレスも多い日々、お気に入りのカップでコーヒーを飲み、バッグの中に端布で作ったポーチをしのばせたり、簡単なハンドプリントのカードにメッセージを書く・・ちょっとしたことで毎日の生活をより楽しくする、そんなイメージがロッタ・ヤンスドッターの作品にあります。気に入った物が見つからない・・ならば自分で作りましょう・・・どうやって作ればいいかわからない・・・では習いましょう!のモットーで、子供の頃覚えた単純なクラフトのテクニックで、素晴らしいファブリックを作ってしまいます。スカンジナビアで生まれニューヨークで活躍する彼女の世界は、たっぷり北欧の香りがし、アメリカ的な実用的でシンプルさもある気取らないデザイン。
ブルックリンでワークショップを開いています。
単純な芋版プリントでファブリックを作ってしまう楽しそうなワークショップ
Mug by Deco Crush http://www.decocrush.fr/

Lotta Jansdotter Studio 131, 8th St. Brooklyn NY 11215

1/25/2014

長靴をはいたネコ


Le Chat Botté

シャルル・ペローの童話“長靴をはいたネコ”の素敵な本を見つけました。ほんの小さい本ですがアコーデオン式で、ちょっと北欧の絵を思わせる挿絵が、レースのように繊細な切り絵になっています。それは子供の頃見た刺繍のナプキンやクロスを思い出すような、なんとなく懐かしい絵で、間接照明のランプの部屋で見れば、切り絵は影絵のようにも見え・・・
出版社ヘリウムhélium、挿絵はクレマンチーヌ・スルデClémentine Sourdais


1/23/2014

セントゥのインテリアデザイン


Sentou

インテリアのブランド、セントーの始まりは古く、1946年にロベール・セントーがペリゴール地方にBois de Périgordボワ・ド・ペリゴールを創立し、従妹のデザイナー、ロジェ・タロンと共同で1952年に自社の家具のアトリエをオープン、ホテルや公共施設の家具やインテリアなどを数多く手掛けました。91年に、ロベール・セントーからエコール・ブール出身の若いデザイナー、ピエール・ロマネに代替わりしましたが、セントーの貴重なアーカイブをそっくりエクスクルーシブで引き継ぎ、北欧テイストやミッドセンチュリーがミックスしたコンテンポラリーなコレクションを発表しています。
ここにもチャールズ&レイ・イームズのエレファントが出ていたのでちょっと写真を・・・


私はここの和紙のランプが大好きなのですが、これはセントーが90年代にアメリカの(確か彫刻家)イサム・ノグチのデザインで作られたAkariアカリと名付けられたコレクションで、以後ずっと売れ続けているヒット商品。

Sentou 
26 Bd.Raspail 7e
29 rue François Miron 4e
112 Bd.Courcelles 17e


1/21/2014

ル・ボン・マルシェの料理コーナーにマルレットのケーキ・ミックス


La Bonne recette de Marlette

かわいいロゴ、マルレットの名が付いたこのペーパーボックスは、ビオで100%フランス製の厳選した素材だけを使ったケーキ・ミックスのブランドです。チョコレートやハーブなどのフランスで入手できないものは、全てフェアトレード製。ブランド名は創立者MargotScarlette2人姉妹の名のミックスです。
イル・ド・レで育った2人は、近所の農場が作る小麦粉とイル・ド・レ特産の天然の塩を使って、まずイチジクなどフルーツ入りのパンやケーキを自宅で作り始めました。始めのケーキミックス5万個は文字通りの手作りでしたが、パリの食品展示会で大ヒットし一躍人気者に。パン・デピス、マドレーヌ、ビスケット、チョコレートケーキなどの外に、中に加える素材で自分のオリジナルなスイーツ又はアペリティフを作ることができるタルトの台、ブリニス、そば粉のクレープなどは、卵や牛乳を加えるだけで簡単に作れヘルシーなので、今トレンドのdo it yourself(よく略してDIYと書かれる)の風に乗って大発展中。マルチーユ通りに直営のカフェ・ショールームがオープンするらしい!


改装したル・ボンマルシェ・デパートのグルメ館の一角が、これもDIYでお料理熱が高まっているためでしょう、キッチングッズやエプロン、レシピーの本などのお料理コーナーができ、マルレットのケーキミックスも販売しています。この外ギャラリー・ラファイエットのグルメ館、ブランチで有名なクラウス等高級エピスリー店で販売中です。

1/20/2014

ゾエ・ドゥ・ラス・カズのノート


Zoé de Las Cases

ゾエ・ドゥ・ラス・カズのデザインは、フランス人がよく言う“univers décalé”、敢えて訳すと“ずれた世界”、普通と違った世界。50年代風の白黒写真と、スキっとした果物の酸味を感じさせるようなカラフルなカラーが、家族や兄弟、友達、子供のころの思い出、パリとそして多分バカンスを過ごした田舎などのイメージと混然と混じり合い、独特のユーモアや遊び心がスパイスになっています。甘ずぎたり暗くならないノスタルジーが一杯で、ちょっぴりアメリー・プーランと共通したものがあるみたい。
学校で使うノートやステーショナリーのフランスの大手メーカー、クレール・フォンテーヌからもノートのコレクションが出ています。

Zoé de Las Cases 

1/19/2014

ジャン・コクトーのリトグラフィー


Portrait de Charlie Chaplin par Jean Cocteau

ある画廊のウインドーに、ジャン・コクトーのオリジナルのリトグラフィーが飾ってありました。チャーリー・チャップリンの横顔で、“チャーリーへ、ジャン1936(年)”のサインがあり、その下には“Karoaカロア(船の名らしい)の船上にて、南シナ海”と、デッサンした場所のメモも。当時はまだフランス領だったベトナムに行く途中か・・同じ客船に乗りあわせたのでしょうね・・・
価格は額入りで1100€なり。

1/16/2014

エリック・フレションのラザールと逸品ハムサンド


Restaurent Lazare et son fameux sandwich jambon 

日本では駅ビルはどこにでもありますが、パリに6つある国鉄の駅には、最近まで雑誌を売るキオスクやカフェ、ファーストフードのお店くらいしかなく、待ち時間は何もすることがない空間でした。ところが古色蒼然としたパリの駅も近代化が必要となり、その改装工事と共に、駅内にショップのエリアが増えました。中でも2012年に新装したサン・ラザール駅は、ショッピングセンターが組み込まれた最新式で、オープン当時はとても話題になったもの。因みに、ここがやっと日本の水準に達した初めての駅なのですが、ショッピングエリアの規模としては日本の中型駅ほどです。


さてこのサン・ラザール駅のショッピングセンターに、作秋なんとミシュラン3つ星ブリストルのシェフ、エリック・フレションがレストランをオープンしました。フランスではまだまだショッピングセンター=大衆向けチープのイメージがあるので、このチョイスは革命的なもの。サン・ラザール駅の格がこれで一挙にアップし、経営陣が大喜びしたことでしょう。
レストランの名前は駅から取ってラザール、建築内装はKarine Lewkowiczカリーヌ・ルコウイズが担当しました。オープンキッチン、中央に食事もできるバー、沢山の丸いランプがかわいいターブル・ドット(複数のお客がシェアする大テーブル)、 天井まで並んだお皿が目を引くサロン、アームチェアーのあるアルコーヴと、異なる空間が混然と一体に。
お料理も大人気ですが、列車待ちの慌ただしい時にぴったりのお勧めはハムのサンドイッチ。ホームメードのバゲットにボルディエのバターがたっぷり塗られ、昔の製法で丁寧に作られたハムが沢山入り、3つの素材の味だけで勝負。フィガロ紙の“パリで一番おいしハムサンド”のトップ5の“最もグルメ”なサンドイッチに選ばれました。お値段は7.5とこれも飛びきりですが、ソファーは快適でサービスもよく、試食する価値あり。

サンドイッチ・オ・ジャンボン(ハムサンド)のロールスロイスと評されました。

話をまた駅に戻しますが、駅はきれいで便利になったけれど、昔のモノクロ写真にあるような旅情は薄れてしまいました。別れを惜しむカップルも、ガランと広く寂しい駅だからこそ絵になり、ショッピングセンターが背景では興ざめ。そういえばインターネットもスカイプもあり、簡単にローコストのフライトでどこにでも行ける現代は、“別れ”の感覚自体も、モノクロの時代とは違ってしまったのでしょう。

Lazare  Parvis de la Gare Saint-Lazare rue lIntérieure 8e  http://lazare-paris.fr/

1/14/2014

カンパーナ兄弟のランプ


Lampe en écailles des frères Campana

オルセー美術館のすぐそばのシルベラ店に、カンパーナ兄弟のランプがありました。メタルを鱗のように重ね合わせたこのランプは、フランスではlampe en écailles 文字通り鱗ランプと呼ばれていますが、カンパーナ兄弟がデザインしたオルセー美術館のカフェ・カンパーナにも使われたもので、オルセーのはゴールド、こちらの方はシルバーです。明かりを付けると小さな穴からも光が漏れ、メタルの反射とミックスして美しいのですが、なにしろ大きい(カフェのはもっと大きかったかも・・・比べられないので?ですが・・)。それにオルセーのように沢山あるとかわいいので、ホテルのロビーなど天井の高い広いスペース向きですね。

1/12/2014

レトロな刺繍キット、カルネ・ド・ブロドゥリー


Carnet de Broderies

昔のファッション雑誌のデザイン画を刺繍で表現してしまう、それがカルネ・ド・ブロドゥリーの刺繍キットです。刺繍にマッチした色のバイヤスやテープ、ドットや花のプリントをパッチワークのようにコーディネーションしたポシェットやバッグはとてもかわいく、刺繍の苦手な人でも欲しくなりますが、今のところネットとマリークレールの手作り見本市会場で、キットのみの販売しかしていないようなのが残念。お店で製品が買えるなら、パリのお土産やプレゼントに早速欲しいくらい。木をカットして作られたレトロな子供のデッサンや着せ替え人形もあり、これはブローチやチャームとしても即使えます。

Carnet de Broderies  Charline Ségara  http://www.carnetdebroderies.com

1/09/2014

ショーディッチのインテリア・ショップSCP ロンドンNo.3


 SCP at Shoreditch London No.3

パリでもニューヨークでも、トレンディーなエリアが、従来のショッピングの中心地からはずれた下町に広がり続けています。ロンドンも例外ではなく、シェバーズ・ブッシュ、リージェント運河沿い、サザークのバラ市場周辺など面白いエリアがどんどん増え、東部特にショーディッチはパリのサンマルタン運河周辺に匹敵する、おしゃれとデザイン好きには欠かせない場所。週末2日間だけの駆け足旅行で、しかも(日本では考えられない!)年末休暇中のショップが多かったので、お店が閉まっていたのは残念ですが、静かなショーディッチの散歩を楽しみました。でもデザイン・インテリアのSCPが開いていたのはラッキー。

            

ここはイギリス内に自社の家具工房を持ち、また伝統ある工場とのコラボでSCPオリジナルを作るなど、イギリス製多数、安くはないけれど長年使っても飽きない商品がモットーだとか・・沢山のデザイナーの商品も多く、上記はピート・ヘイン・イークの廃材を使った家具とドナ・ウイルソンがデザインしたテキスタイルを使ったオリジナルのソファー。ドナ・ウイルソンのナプキンやお皿のかわいいアニマルシリーズもありました。マリメッコ、イッタラのグラス、ヘイの椅子など北欧風、ロビン・デイ、リュシエンヌ・デイなどミッドセンチュリー風に混じって、本物のヴィンテージもあるステキな品揃え。イギリスはクリスマスの翌日からバーゲンセールが始まるので今がお買い得。
   
                   

インテリアのお店で、住所がカーテン通りとは!
SCP  135 Curtain Road London EC2A 3BX, UK