1/16/2014

エリック・フレションのラザールと逸品ハムサンド


Restaurent Lazare et son fameux sandwich jambon 

日本では駅ビルはどこにでもありますが、パリに6つある国鉄の駅には、最近まで雑誌を売るキオスクやカフェ、ファーストフードのお店くらいしかなく、待ち時間は何もすることがない空間でした。ところが古色蒼然としたパリの駅も近代化が必要となり、その改装工事と共に、駅内にショップのエリアが増えました。中でも2012年に新装したサン・ラザール駅は、ショッピングセンターが組み込まれた最新式で、オープン当時はとても話題になったもの。因みに、ここがやっと日本の水準に達した初めての駅なのですが、ショッピングエリアの規模としては日本の中型駅ほどです。


さてこのサン・ラザール駅のショッピングセンターに、作秋なんとミシュラン3つ星ブリストルのシェフ、エリック・フレションがレストランをオープンしました。フランスではまだまだショッピングセンター=大衆向けチープのイメージがあるので、このチョイスは革命的なもの。サン・ラザール駅の格がこれで一挙にアップし、経営陣が大喜びしたことでしょう。
レストランの名前は駅から取ってラザール、建築内装はKarine Lewkowiczカリーヌ・ルコウイズが担当しました。オープンキッチン、中央に食事もできるバー、沢山の丸いランプがかわいいターブル・ドット(複数のお客がシェアする大テーブル)、 天井まで並んだお皿が目を引くサロン、アームチェアーのあるアルコーヴと、異なる空間が混然と一体に。
お料理も大人気ですが、列車待ちの慌ただしい時にぴったりのお勧めはハムのサンドイッチ。ホームメードのバゲットにボルディエのバターがたっぷり塗られ、昔の製法で丁寧に作られたハムが沢山入り、3つの素材の味だけで勝負。フィガロ紙の“パリで一番おいしハムサンド”のトップ5の“最もグルメ”なサンドイッチに選ばれました。お値段は7.5とこれも飛びきりですが、ソファーは快適でサービスもよく、試食する価値あり。

サンドイッチ・オ・ジャンボン(ハムサンド)のロールスロイスと評されました。

話をまた駅に戻しますが、駅はきれいで便利になったけれど、昔のモノクロ写真にあるような旅情は薄れてしまいました。別れを惜しむカップルも、ガランと広く寂しい駅だからこそ絵になり、ショッピングセンターが背景では興ざめ。そういえばインターネットもスカイプもあり、簡単にローコストのフライトでどこにでも行ける現代は、“別れ”の感覚自体も、モノクロの時代とは違ってしまったのでしょう。

Lazare  Parvis de la Gare Saint-Lazare rue lIntérieure 8e  http://lazare-paris.fr/

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