Michelin-Man, Bibendum
先日サンルイ島近くを歩いていたら、自動車修理のガレージにタイヤ会社ミシュランの看板を見かけたので、今日はこのフランスを代表する”顔”の一つである、ミシュランマンについて書いてみようと思います。
調べたところ1898年頃に、積み重なったタイヤが、ビールのジョッキを掲げて乾杯している太鼓腹の男に似ていたことから、創立者のエデュアールとアンドレ・ミシュラン兄弟が考え出したそうです。宣伝用キャラクターとしては多分一番古く、世界中に今溢れているキャラクター達のご先祖様。又ミシュラン社とは切っても切り離せないトレードマークです。
このタイヤ男の名前はビバンダム。由来は一番初めのポスター(上)のキャッチフレーズ "Nunc est bibendum"から来ています。ラテン語で " さあ飲もう" といった意味で、ジョッキを掲げた太鼓腹の男ならぬタイヤ男が、ガラスの破片やクギの入ったグラスを飲もうとしています。 "あなたの健康を祝し、ミシュランのタイヤは障害物を飲みこんでしまうのだ! " 彼の両脇には、障害物を飲み込めなくてパンクした他社のタイヤ達が・・・
ラテン語をポスターに使うなんて、なんともアカデミックなようですが、当時フランスの教育の柱はラテン語フランス語数学で、そのためこれくらいの単純なラテン語なら、読める人が普通に沢山いたからのようです。それに端の方に、その意味は″乾杯″とも書いてありますし。
因みにこのラテン語、つい最近まで中学1、2年の必須科目だったのに、バカな社会党の文部大臣が、必須科目から削ってしまいました。沢山の識者達や心ある人々が、ラテン語はフランスのルーツで、これなくしてはフランスの文化は語れないと大反対したのに・・・・
因みにこのラテン語、つい最近まで中学1、2年の必須科目だったのに、バカな社会党の文部大臣が、必須科目から削ってしまいました。沢山の識者達や心ある人々が、ラテン語はフランスのルーツで、これなくしてはフランスの文化は語れないと大反対したのに・・・・
昔のビバンダムが、白い包帯を巻いたミイラのように見えるのは、その頃の車のタイヤが細かった事と、当時車の無い人々の重要な乗り物であった自転車のタイヤのため。最近の車のタイヤは太いので、ビバンダムもふっくらして、キャラクターらしく可愛くなってきました。ビバンダムの古いポスターやグッズは、熱心なコレクターがいます。
ところで、1955年~2002年まで社長として、ミシュランを世界1のタイヤメーカーにまで発展させたフランソワ・ミシュランが、この春88歳で亡くなりました。社長(パトロン)と呼ばれることを嫌い、企業にはパトロンは1人だけ、それはお客様だ、というのが彼の口癖。銀行家やメディアが嫌いで、オフィスで過ごすより、工場で労働者達に混じって話し合うことを好み、工員の名前は全部覚えていたそうです。一級の事業家でありながらとても人間味のあった彼の葬儀は、2日に渡って町の人々や現在と過去の工員たちの弔問客が絶えなかったと新聞に出ていました。
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