今年の5月は1日(メーデー)と8日(第二次大戦終戦記念日)2つの祭日が日曜日に当たり、振替休日のシステムはないので休日が減ってしまったとはいえ、それでも5日の聖母昇天祭、16日の聖霊降臨祭があるので、どっと人々がレジャーに出かけてすっかり休暇モード。
イル・ド・フランス(パリ近郊)には日帰りで簡単に行ける美しい町や村が沢山あります。その1つ、運河に囲まれ、画家たちが好んで描いた美しい町クレシー・ラ・シャペルに行ってみましょう。
クレシー・ラ・シャペルは、ブリー地方のヴェニスなどと呼ばれる事がありますが、かなり誇張、ヴェニスの規模も華麗さもないけれど、しっとりとした運河の町です。元は堅固なお城と、言い伝えでは99もの塔のある二重の城壁に囲まれ、中世にはシャンパーニュ地方との交通の要地として、織物やワインなどを扱う商業の中心地として栄えました。フランス革命後の経済危機で産業が打撃を受け、歴史の第一線から姿を消し、今ではまるで眠っているように静か。13世紀のコレジアル(教会)と塔がいくつか残り、町の入り口の塔の跡には、17世紀の鐘楼が建てられています。
船着き場兼洗濯場があちこちに
19世紀には、森や田園、水に映る空や緑の美しさを求めて画家たちが集まってきました。日本でおなじみなのはコロー、あとはエコールドパリの中堅どころらしいAlexandre Altmann、Armand Guéry、Jean-Julien Massé、Achille Marchalといった画家達に加えて、彼らを訪ねて来たロートレック、スゴンザックなどもスケッチを残しています。絵に書かれた風景がそのまま残り、絵のコピーと説明が掲示され、町を巡る散歩コースに。ゆっくり見ても1時間あれば十分。
この古いアーチの通路の横にはコローの家があります
1800年代の版画
″なめし皮河岸″ は何人もの画家が描いています。
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