L'esprit du Bauhaus/ Musée des Arts Décoratifs
最近デザイン、建築等の準アートの展覧会が、絵画彫刻等純美術の巨匠の展覧会と肩を並べて沢山のビジターを集めています。パリはルーブル、オルセー、ポンピドーなど大美術館から小さなアトリエ美術館まで数えきれないほどあり、それらが毎年平均2回(秋冬-春夏)の特別展を企画。デザイン系の展示も加えると、全部などとても見きれません。そのため美術館同志の競争も激しいのでしょうね、どこも入場者を集めようと素晴らしい企画を展開してくれるのはとても嬉しい事。装飾美術館のバウハウスのエスプリ展は、今最もレアな題材なので、かなりの混雑でした。
エスプリがテーマなので、バウハウスの創立から解散まで、各時期の彼らの思想というかデザインに対する態度とその活動を、順を追って紹介しています。それらについては本やネットで読んでいただくとして、ここでは私が気に入った物だけ、主観的な紹介をしたいと思います。
一番好きだったのが1923年に催された第1回目の展示会のポストカード。カンディンスキー、パウル・クレーを始めとするバウハウスを代表するメンバー達の、正に彼らのエスプリの結晶のようなデザインばかりで、しかも適度に古びた色合いがなんとも言えず素適でしばし見とれました。上のカードは、ワイマール駅からハウス・アム・ホルンまでの地図のカードで、バウハウスについて書いた本の挿絵によく登場します。本物に巡り合えて感激!
左ジョセフ・アルバースのサイドテーブル、右はマルセル・ブロイヤーのテーブルと椅子に、壁に掛ったカンデンスキーの絵。丸ごと3点セットでそのまま欲しいモノクロの美しさ。
左カーヴが美しいルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエの椅子、右は解散後38年のウィルヘルム・ワーゲンフェルドの作品。シンプルで機能的な美しいデザイン! ヴィンテージなど手に入りそうもないので、誰か復刻版を出してくれたら、即買いたいデザイン!
芸術家と工芸職人との交流、芸術と技術の融合、異なる分野が協力し合って美しいものを作り出す仲間意識がバウハウスのエスプリの根底に流れているのですね。希望に燃えた若者たちが集まって活動する熱気が写真からうかがえます。やがてナチに追われて解散する短い歴史はまるで花火のよう。でも展示はそこで終わらず、最後に、解散以後バウハウスのエスプリを踏まえて作られた作品を展示したコーナーを加え、そのエスプリが現代に生きていることを示して終わっています。
最後に、会場で見たウィルヘルム・ワーゲンフェルドのシンプルなランプが気に入ったので、後でネットで調べていたら、アレッシア・セレンタノという現代のグラフィックデザイナーの、同じランプのグラフィズムを見つけました。バウハウスのエスプリを踏まえた、ランプの本質を捉えたシンプルで美しいグラフィズムが素晴らしく、ここに紹介することにしました。Bravo and thanks Alessia!
Wilhelm Wagenferd Lampe by AlessiaCelentano http://www.alessiacelentano.com/arbeiten/grafik/plakat-bauhaus
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