Donna Mibus/ Mid-Century illustrations
6/26/2017
6/20/2017
マルセル・ブロイヤー&巨匠達のユネスコ本部
Le siège de l'Unesco construit par les maîtres d'architectes de modernisme
南側ファサードの窓の周りに付いている縦横のメタル等の飛び出しは、クーラーが無かったので太陽を遮る為の仕組み。面白い形の正面入り口は、尼僧のフード、コルネットと呼ばれるピエールルイジ・ネルヴィの作。セメントを型に流して作られたもの。
1958年に完成したユネスコ本部は、50年代建築の集約ともいえる建築でしょう。マルセル・ブロイヤー、ピエールルイジ・ネルヴィ、ベルナール・ゼルフュスの3人が設計を担当し、ルチオ・コスタ、ヴァルター・グルピウス、ル・コルビュジエ、スヴェン・マルケリウス、エルンスト・ロジャース、エーロ・サリーネン達が協力したのです。押しも押されぬトップだったル・コルビュジエが全部担当する野心を持っていたのに、アメリカからストップがかかって、結果的にはまるでユネスコの趣旨を体現するような、多国籍の建築家の共同作業になったようです。
1954年に工事が始まった時には、このコンクリートへのオマージュとも言えるアヴァンギャルドの建物に、パリジャンの大反対運動が起こり大変だったらしい。そうでしょうねえ、場所はリッチでシックな7区の真中、それに近代建築を見慣れた今の私達でも、美しいと言える建物ではないですから、特に外見は。
メインのY字型の建物に、南側の庭園に突き出た会議室とそれを繋ぐ幅広のパッサージュ、そしてこの図にはないけれど北側の庭に別館があります。
南側ファサードの窓の周りに付いている縦横のメタル等の飛び出しは、クーラーが無かったので太陽を遮る為の仕組み。面白い形の正面入り口は、尼僧のフード、コルネットと呼ばれるピエールルイジ・ネルヴィの作。セメントを型に流して作られたもの。
メインホールの柱。このY型の建物は75のピロティーで支えられています。このビロティーの並んでいる様子は、ダイナミックで美しい。壁のランプが素適。
ソファーや椅子も、修理しつつ、創立当時のオリジナルを大事に使っているそうです。
ユネスコ本部は、沢山の巨匠の作品が建物と融合して、生きた展示がされている場所でもあります。下はホアン・ミロ作の壁。元は野外だったものを、作品の保存を目的に、Y型ビルと会議場を繋ぐパッサージュにしたもの。
ヘンリー・ムーア
アコーデオンと呼ばれる会議場の建物と、カルダーのモビール
会議場内部、椅子は全部これ、かわいい!
こちらは会議場前のホールの面白い形の階段と、カレル・アペルKarel Appelの油絵
会議室前の広いホール。パブロ・ピカソ、イカルスの墜落、コンクリートとマッチして素晴らしい。コンクリートの良い面、美しい面をうまく引き出していますね。
面白い電話コーナー。オレンジ色のカウンターと紫のソファーセットは、建築家オディール・デックのデザイン
アントニ・タピエス
パッサージュ横の庭に作られた、安藤忠雄さんの " 瞑想の場 " 。ユネスコ50周年記念に、日本の沢山の人々の寄贈で作られました。花崗岩の敷石は、被爆した広島のものを除染して使っています。
メインビルの北側には、日系アメリカ人イサム・ノグチ野口勇の平和の庭園と呼ばれる日本庭園が。
庭に面したビルの下には数個の石のスツールが並び、正面の壁には・・
・・・長崎の原爆で破壊された浦上天主堂の瓦礫の中に残っていた天使像。教育と文化を軸に世界平和を目指すユネスコの象徴ですね。テロのニュースが絶えない現在、考えさせられます・・
UNESCO 7 Place Fontenoy 7e https://en.unesco.org/
6/11/2017
サロンドテ、セット・サンク
Concept shop/salon du thé, Sept-Cinq
このごろ日中は25℃以上の良い天気が続いて、パリにしては珍しくノースリーブのミニドレスやショートパンツがどっと町に繰り出し、公園もカフェのテラスも、夏を楽しむ人で一杯です。私もちょっとのどが乾いたので、レ・アールの可愛いブティック・カフェ、セット・サンクでお茶にしました。
セット・サンクとは7と5、75はパリの都市番号で、郵便番号でもあり、車のナンバープレートもこれ。お店の名前75なのは、パリのデザイナーがパリで作ったものばかりを集めているセレクトショップだから。ガーリー、でも甘すぎないシンプルなデザインのアクセサリーや雑貨が充実している人気ショップで、レ・アール店は、南ピガール店に続く2店舗め。そして店内に共存するサロンドテは、もしかすると本体のブティックより人気があるのではと思うくらい、独立して沢山の雑誌のフーディングのページで取り上げられています。
シュガーポット、ティーポット、お皿やティーカップ、全部バラバラのアンティーク、それもどこのブロカントでも見つけられる安価な気の置けない可愛いもので、とてもアットホーム。
ケーキと紅茶のGoûterグーテ・セット8€。サービスの女性にどっちも美味しいと言われてブルーベリーケーキとキャロットケーキのどちらか迷った末、キャロットケーキに。控えめの甘さ、でもコクのあるとても美味。プロの取り澄ました味でなくて、手作りの味。おいしいわと言ったら、全部今朝お店の奧のアトリエで私が作ったのよ、また来てブルーベリーも食べてね、とのこと。パリにめずらしく、爽やかで気持ちのよいサービスでした。
Sept-Chinq 26 Rue Berger 1e http://www.sept-cinq.com/fr/content/18-salon-de-the
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6/02/2017
ル・コルビュジエのアトリエ・オザンファン
Villa-Atelier Ozenfant, Le Corbusier
ポンピドーセンターのように、わざと近代建築を建てたのでない限り、パリ市内特に中心部は、ナポレオン3世時代の都市計画に従った、オスマン様式とそれに準じる建築で統一されています。それでは20世紀の、例えば鉄筋コンクリートの建物はどこに建てられたかというと、当時まだまだ土地が沢山残っていたパリの外周近くや環状線のすぐ外側なのです。14区の外れもその一つ。以前書いたシテ・ユニヴェルシテールや、モンス―リ公園の周りなど、ちょっと面白い建物が集まっています。
まずルコルビュジエが、キュービズムを批判するピューリズムを提唱し、共同でエスプリ・ヌーヴォーという雑誌を発表した仲間であり画家、オザンファンの為に建てたアトリエ・ハウス。
上の写真はルコルビュジエの建てたオリジナルで、後に修理されて、現在の写真(トップの写真)のように、明り取り窓のある三角屋根が取り払われています。
アトリエは普通北向きの部屋。この建物は角地にあるので、東と北の二面がピクチャーウインドーでとても豪華。多分住居部分に当たる1階には、ルコルビュジエ特有の横に繋がる窓も。個人住宅なので中を見ることができないのが残念です。
アトリエ・オザンファンは、スクワー・ド・モンス―リ小路の入り口にあります。この小路はプライベートのとても小さな通りで、可愛らしい一軒家が集まっているのですが(写真下)、モンス―リ公園に面した反対側の角は、オーギュスト・ペレの建てた家メゾン・ゴです。同じくペレの建てたヴィラ・スーラも、歩いてすぐ近くの距離。
このツタの絡まった家がオーギュスト・ペレのVilla Gautヴィラ・ゴ
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