Kupka/ Abstraction/ Design
"アブストラクションのパイオニア" というタイトルで、フランティセック・クプカの大回顧展がグラン・パレで開催中。なぜパイオニアかというと、美術史上、彼は最も早く抽象的な絵を描き始めた画家の一人だったのだそうです。順を追って作品を見てゆくと、画風がどんどん進化してゆき、画家の頭の中で、抽象絵画がどんなプロセスで生まれるかを、ちょっぴり覗いて見られるような展示でした。
抽象画家は、若い頃クラッシックな正統派の具象から出発していてびっくりさせられることがありますが、クプカの場合は違います。初期の画風はあくまで古典的でも、北欧風に感じられる(ボヘミヤ生まれなので東欧的と言うべきか?)幻想的、神秘的、象徴的作品が大多数。初めから目に見えた物でなく、心の中で想像した物を描いていたのですね。
上の若い女性の背景は、後のジオメトリーを彷彿とさせます。
上はクリムト風です。これがもっと発展すると、下のような抽象に?
下の4作品は、どのように抽象画が生まれるか、分かりやすい例として展示されていました。
1930年代からは徹底したアブストラクション。
どんどん単純化され、余計な線が削除され、最後は下写真のような、絵画というよりはデザイン、グラフィズムと言った方がいいような作品を残しました。これ、いいですね~色々なデザインに盗みたくなる絵!
クプカってグラフィック・デザインの元祖ではないかと思いながら展覧会を見ていた私は、帰りがけに売店の前でハタと立ち止まりました。美術館も同じことを考えたのでしょうね、クプカをテキスタイルのデザインに使ったポーチやトートバッグを売っていました!!
フックとトートのコーディネーションがとてもステキ・・
Kupka, Pionnier de l'abstraction 3, avenue du Général Eisenhower 8e 7月30日まで
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