9/29/2018

アアルトのヴィンテージファーニチャー、アルテック セカンド サイクル、/ ヘルシンキNo.1


Artek 2ND CYCLE/ Helsinki No.1

ヘルシンキを出発点に、フェリーでバルト海を渡り、タリン、リガ、ヴィルニュス間はバスを利用して、バルト3国をまわってきました。
ヘルシンキでは、楽しみにしていたヒエタラハティーの青空フリーマーケットが、平日だったせいか、それとも9月中旬を過ぎるとシーズン終わりなのか、プロらしいお店が3、4軒寂しく出ていただけ。そのうえ沢山の北欧雑貨が楽しいハカニエミの屋内市場は、改築工事中でクローズ。そこでデザイン・ディストリクトのショプめぐりに・・
まずアルテック社のArtek 2ND SYCLEセカンド・サイクルへ。



アルテック社は2006年くらいから、アアルト等がデザインした自社のヴィンテージ家具を、蚤の市や、工場、学校などの払い下げを利用して集め始めていました。ヴィンテージブームで需要が高まったからだけでなく、大事に使い込んだアルテックの家具は美しく、年月と共に(使う人の個性を反映するのか)個性的になるからだそうです。スローライフの提唱。

Pieni Roobertinkatu 4-6, 00130 Helsinki, Finland
アルヴァ・アアルト以前のブログ:              

9/16/2018

ルコルビュジエの救世軍センター/ シテデュレフュージュ


Cité de refuge de Le Corbusier


ル・コルビュジエがパリで最初に建てたのは、なんと救世軍の貧民救助センター、Cité de refugeシテドゥレフュージでした。ル・コルビュジェの提唱した新しい住居に共鳴していたプリンセス・エドモン・ポリニヤック夫人(センター建設の出資者)が指名したもの。1933年に完成しました。
南面のファサードは元は前面約1000㎡のガラスで、冬は太陽の光を受けて暖房費の節約になりましたが、夏はル・コルビュジエの考案した空調が効果を上げず、1952年に太陽を遮るカラフルな日除けが付けられました。この改良工事もル・コルビュジエ自身が担当しているそうです。
ファサードのヴィヴィッド・カラーは入り口のポーチと壁にアレンジされ(トップの写真)、この建物のチャームポイントに。
"les briques de verre" (ガラスのレンガ)の入り口。壊れていたものは3Dのスキャンを使って複製したそうです。でもどれだけ元の建築通りに再現していても、これは美術館ではなく、立派に活動を続ける救済センターなのです。
ル・コルビュジエのランプ
ファサードはヴィヴィッドカラーでも、内部はグレイがかったスモーキーなパステルカラー。
ビジター用のモデルルームは、建設当時をイメージさせるためかレトロな演出。お母さんとベビーの個室。
これは入り口ホールにある、男性棟と女性棟用に左右に分かれた階段。ホールにはル・コルビュジエのカラフルなソファーがあるのに、写真撮り忘れました!
オリジナルは参考にした後も捨てずに、元門番小屋の中に飾ってありました。
Cité de refuge   12 Rue Cantagrel, 75013   https://www.armeedusalut.fr/etablissements/cdr

9/11/2018

ADインテリア/ ビュッシュリ館の修復


AD Intérieurs/ La renovation de l'Hôtel de la Bûcherie

ADインテリア誌が主催する著名デザイナーのインスタレーションが、ビュッシュリ館に展示されています。ビュッシュリ館は1475年頃に大学の医学部として建てられたそうですから、パリでも最も古い建物の一つ。16世紀にチャペル、講堂、もう一つの翼が加わり、18世紀に現在の形になり、もちろん今は国の歴史的建造物に指定されています。このような建物の修復はとても難しく(適当な素材使ったりスタイルを変えられないようになっているため)その複雑な手続き経て2016年にやっと許可が下り、現在修復中。

 
電気のコードがあちこちにぶら下がっている、まだむき出しの壁や床。
ADインテリアは敢えてこの荒れた館を舞台に展開され、豪華なインスタレーションが対照的に強いコントラストとなり、インパクトがあります。ブログトップと下の写真は Mathieu LehanneurのLe salon de méditation "瞑想のサロン" 。丸みを帯びたエルゴノミックな、癒されるフォルム。大きなぬいぐるみのテディーベアと共通の、包み込まれるようなほっこり暖かい優しい感覚!
 
下はBismut&Bismutの "Le salon de conversation "会話のサロン" 。シャープで流れるような美しい曲線で構成され、アシメトリーなサロン。写真ではよく見えませんが、壁が異素材を大胆に配した3Dで、しかも左右バラバラ。そのグラフィカルで大胆なラインを、フワリとセンシャルな手触りのマチエールが和らげ、私の一番好きだったサロンです。
by reinventer.paris

ビュッシュリ館完成後は、フランスでは初めての試み、慈善事業の振興を目的としたインキュベーター"フィランソロピー・ラボ" がオープンすることになっています。

Exposition AD Intérieurs   13 rue de la Bûcherie 5e  23日まで