Jardin d'agronomie tropicale de Paris
猛暑はちょっと和らいだとはいえ、パリにしては暑い日が続いています- - とはいえ毎年このような暑さが繰り返すので、それがごく普通のパリの気候になりつつあります。以前は夏でも、羽織るものは手放せなかったのですが、地球温暖化ですね。
今日はヴァンセンヌの森の外れにある植物園のお話です。世にも不思議な美術遺産というタイトルで以前に書いた、パリの街角に立つ銅像達の鋳型の保管倉庫について取り上げたブログと、対になるような面白い場所です。
名前はJardin d'agronomie tropicale "熱帯農業植物園" と訳したらいいのでしょうか、1800年代末期に、フランスの植民地の農作物、カフェ、バナナ、ゴム、バニラなどの収穫をより多くするために作られた、研究所と熱帯農園がそのルーツです。1907年にその敷地内で植民地博覧会が開かれ、その時に建てたモニュメントやパビリオンに、外の博覧会から持って来たものも加えて保存したのがこの植物園。全6.4ヘクタールの内4.5ヘクタールが一般公開され、残りは研究所。普通の公園のように誰でもタダで入れるのに、なぜかパリジャンにあまり知られていない、ちょっとミステリアスな場所。
創立当時何千とあった熱帯の農植物は、パリの気候が合わずに殆ど消え、残っているのは強い竹などタフな植物だけ。最近パリ市が園全体を買い上げて修理を始めるまでは、放置され、壊されたり焼かれたりで荒れ果てた建物とエキゾティックなモニュメント、西洋東洋を問わず勝手気ままに伸びたような植物が混じりあい、なんとも言えない不思議な魅力が・・・
このような記念碑には、2度の世界大戦で、フランスの為に戦って亡くなった、植民地戦士達へのオマージュが掲げられています。
壊れたままで修理を待つ各国のパビリオン
雑草が生え放題の温室
何に使っているのかよくわからない、研究所内のガランとした色々な建物。
けれど修理されて展示用に使われている下写真の建物や、修理中の建物もあり・・
アーティスティック? なオブジェも・・・
それにエコ菜園まで・・・(野菜の直売あり)
なんでもありで少々目的が不明な公園、きちんと整備し管理されていないものの荒っぽい魅力と、時代遅れの不思議なノスタルジーが溢れる公園・・・修理が殆ど終わったチュニジア館を見ましたが、お行儀よくピカピカに新しく、ゼンゼンつまらない建物になっていました。私としてはこのまま、あまり人に知られず、古くさいままでそっとしておいてもらいたいような気がします。
Jardin agronomique tropical 45 Avenue de la Belle Gabrielle, 12e
住所はパリでも、一番最寄りの地下鉄はRER、B線の Nogent sur Marneノージャン・シュル・マルヌ下車、徒歩10分
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