5/21/2021

イエール散歩/ カイユボットの家


Une promenade à Yerres / Le propriété  Caillebotte / "L'exposition Paul Durand-Ruel et le Poste Impressionnisme"

19日から、ずっと閉まっていたカフェやレストラン、文化的な施設がオープンし、夜間の外出も、21時に緩和されて、パリが急に活気を取り戻しました。Covidが消えたのでもないし、インド種など新種の脅威もあるので、いいのかなーと思いつつも、やはり嬉しくて早速開いた美術館に行ってきました。


外出の10km制限も5月3日に無くなったていたので、選んだ場所はYerresイエールの画家ギュスターヴ・カイユボットの家。イエール川に沿ったハイキングと、ポスト印象派の展覧会、そしてカフェでお茶と、今までできなかった事を全部しようと欲張ったプログラム ‼
私のコースは、パリ市の中心のシャトレ駅から、郊外行きRERのD線で約30分、Boussy-St-Antoineブッシーサンタントワーヌで下車しました。10-15分ほど歩けばイエール川に出るので、後はずっと川の左岸沿いに、Brunoyブリュノワの町を通ってYerresイエールの町へ。D線はパリから来ると、Montgeron-Crosne, Yerres, Brunoy, Boussy-St-Antoineの順で止まるので、希望するハイキングの距離によってコースを考えてください。ウォーキング用の詳しい地図carte IGNを持参した方がいいでしょう。
Yerresで下車すればカイユボットの家は徒歩15分くらいです。

小道は鬱蒼とした木々の間や、牛や羊もちらほら見える野原を通り、時には中州を横切ります。住宅はすぐそばにあるのに全く気にならず、田舎に来た気分。向こう岸には可愛らしい家が並び、みな自家用ボートを繋いでいます。

これがカイユボットの家。資産家だったギュスターヴの父がカイユボット家の夏の別荘として買ったもので、小型のシャトーですね。ここでギュスターヴは沢山の絵を描いたのだそうです。庭園は11ヘクタールもあり、今は無料でだれでも散策できる公園になっています。家の内装は徹底的なナポレオン様式。キンキラで角ばって好みではないので、中の写真は別の機会に・・

庭園内にある展覧会用の建物。

コロー、ドービニー、ミレーなどのバルビゾン派、続いて印象派の画家達をバックアップして売り出したのが大画商Paul Durand-Ruelポール・デュラン=リュエル。彼はポスト印象派のMoret,、Maufra、Loiseau、 G. d’Espagnat 、Andréの5人の画家達も育てようとしたのに、惜しくも高齢で亡くなり、この5画家達は有名になるチャンスを逃してしまったのですね。今では彼らの作品は色々な美術館に収められていますが・・その彼らの作品を集めた小展覧会でした。

私が一番好きだった、エスキース風にサラッと描いた小品。Geroges d'Espagnat

庭園内のスイスの山小屋風の建物は、昔絞った牛乳を集めて乳製品を創る場所で、現在はレストラン・カフェになっています。19日はまだオープンしていなかったので、残念ながら、ティータイムは外のカフェに行きました。

Propriété Caillebotte   8 Rue de Concy 91330 Yerres

http://www.proprietecaillebotte.fr/

5/18/2021

カフェやシネマが明日から再オープン ‼

 


Réouverture des cafés, cinémas etc......

フランスは今晩、秒読み状態です。なぜって、covid 対策でずっと閉まっていたレストラン、カフェ、映画館、劇場、美術館、生活必需品以外の商品を扱う商店(ファッション、インテリア、スポーツ)が、明日から一斉に再オープンするからです。逆に言えば、これらの、人々の生活を豊かで楽しく、快適にしてくれる施設が、ずっとクローズしていたということで、皆の辛抱も限界ギリギリ。covid 以前には想像もつかなかった、まるでカタストロフ映画のストーリー・・・でも事実は映画より奇なりでした。

これはソルボンヌ大学横の、由緒ある名画座、ル・シャンポの正面に貼ってあったポスタ―。普通は上映中の映画のポスターが貼ってある場所にありました。クローズ中の残念さを、やんわりと表現した、とても粋でレトロなブラック&ホワイトのイラストは、映画監督、俳優のジャック・タチの有名なシルエットです。

A très bientôt ! 『近々また!』

La joie de nous retrouver !『再会するのが楽しみです!』

注 : もちろん、どこも普段の1/2の人数しか入れず、レストラン、カフェは特にテラスのみですけど・・

5/10/2021

3つの隠れた庭園散歩/ ヴァンセンヌの森

Trois jardins méconnus de Bois de Vincennes

5月3日からcovidの外出制限10kmが解除されました。昨年の春の1日1時間1kmの制約に比べれば、今春の10kmで時間制限なしは夢のようですが、やはりストレスは溜まり、その解消によく歩きました。そこで時々行ったのがヴァンセンヌの森の東の外れ。実はそこに3つの、あまり知られてない美しい庭園があるのです。パリジャンの誰に聞いても、行ったという人はとても少ない。
まず最初は、既に以前このブログで取り上げた、熱帯農業植物園。内容はそちらのブログをご覧になって下さい。


その次は、パリ市立の植物園芸専門学校L'école du Breuilエコール・デュブルイユの庭園で、一般も自由に入り鑑賞することができます。専門家の卵たちが丹精する広い庭園は、植物の多彩さがとても見事
上の写真は、ジャポニカと書いてあったので、日本の萩のよう・・でも日本のものより花が大ぶりのような気がしましたが・・しかも萩って夏~秋に咲くはずでは? この写真は4月末のものです。名前はともかく、この古びた柵に絡まるような植え方は、何とも言えず美しい!

感激したのは、一度だけ森の中で群生していたのを見たことがある、この白い花に再び巡り合えた事。名前は l'ails de ourse クマのニンニク。可憐な姿に似合わないネームはニンニクの香りがあるためで、全体をみじん切りにして(花は可愛いので切らずに丸ごと)サラダに散らすと、美しく香り高いサラダに! 春のほんの一時期だけ、朝市や高級ビオショップで稀に見かける、貴重な春の香りです。


地図の緑の部分がヴァンセンヌの森で、この森を境に北東がノージャン・スル・マルヌ、南東がジョワンビル・ル・ポンの町、西がパリ市。2つの赤い点は郊外行きRERのA線の駅で、上がNogent-sur-Marneノージャン・スル・マルヌ駅、下がJoinville-le-Pontジョワンビル・ル・ポン駅です。ノージャン駅から出発し、熱帯農業植物園A、森側を南に向かいエコール・デュブルイユ庭園B、その向かいの樹木園Cを鑑賞した後、ジョワンビル・ル・ポン駅からRERのA線でパリに戻る事ができます。私はもう少し寄り道して、マルヌ川の中州の島、Île Fanac ファナック島Dを一回りしてから帰りました。


デュブルイユ庭園にはベンチなど座る場所があり、簡単なお弁当タイムにはここが最適。しかしビニールを敷いてゆっくりピクニックを広げたい場合は、お向かいの樹木園の方がずっと野生的なので、もっとリラックスできると思います。


上下の写真はArboretum de Paris アルポレトム・ド・パリ、樹木園Cで、ドゥブルイユ庭園と道路を隔てた反対側にあります。レバノン杉の大木など植えられていても、全体的に自然のままのヴァンセンヌの森の延長で、特別な見ものが無い分訪れる人もずっと少なく、とても落ち着ける庭園。ヴァンセンヌから流れこんだ小川が流れる木陰は、都会にいることを忘れます。
樹木園Cとドゥブルイユ庭園Bを隔てる道路には市バス77番の停留所があり、パリのリヨン駅まで、時間は少し長くなりますが、パスで市内に戻る事もできます。

これはファナック島Dの河岸。素敵な家やミニ庭園が並び、岸には自家用のボートが繋がれ、とてもロマンティックな島。

地図を見てわかるように、高速や交通量の多い道路がすぐ側を通っていることもあり、特にドゥブルイユ庭園の高速際は車の音がうるさいのが玉にキズです。木が鬱蒼とした樹木園は枝葉が音を遮るのでしょうか、あまり気になりませんでした。

関連ブログ: ジャルダン・アグロノミック・トロピカル熱帯農業植物園 https://kaleidoscope-design-paris.blogspot.com/2020/08/blog-post_22.html