le Conservatoire Darius Milhaud à Aix-en-Provence
ちょっと間が空いてしまいましたが、エックスアンプロヴァンスの続きです。
7月のブログで書いたように、音楽祭のオペラは夜の9時半から始まったので、日中は美しいエックスの町をせっせと歩き回ったのですが、ふと近代建築はないのかなと探してみたところ・・ありました、古風なエックスとは全く違う、近代的な建築の集まった地区があるのです。
手前がルディー・リッチオッティのLe Pavillon Noir(これは次に書きます)、その後ろが日本の建築家隈健吾氏のコンセルヴァトワール、そして写真には見えませんが、右側にヴィットリオ・グレゴッティのコンサートホールGrand Théâtre de Provenceと、エックスの文化施設が集まっている地区がそれ。どれも旧市街の建物のサイズでは足りなくなり、広いスペースを求めて、また旧市街のハーモニーを損なわないようにとの配慮もあったのではないでしょうか、中心からちょっと外れた一角です。
これが隈健吾氏による国立音楽学院コンセルヴァトワール "ダリウス・ミルホー"。
薄いアルミ板に覆われて、建物の4面がそれぞれ異なるデザイン。日本の折り紙からインスピレーションを受けたそうですが、線と影が印象的です。
このアルミ板と折り紙の凹凸の建築的なメリット等々は専門家に任せて、ザインだけに限った感想ですが、プロヴァンスの明るい空の下では、ちょっとばかり硬すぎるのでは?と思いました。これがオランダや北欧の都市だったらドンピシャリ、パリの郊外だって問題ないのに・・エックスはおしゃれなブティックが増えヴァカンス客も一杯だけれど、今でもこじんまりとした町なのです。そして何といってもプロヴァンス地方は、明るい太陽とオリーブ、プラタナスの木陰、色鮮やかな野菜の並ぶ朝市、時にはミストラルが吹き荒れる、悪い意味ではない "田舎" だから・・
ちょっと小高い場所なので、L字型のコンセルヴァトワールの後方は、このような階段があり下に続いています。階段を下りると、昔の市場か工場か、それとも駅でもあったのかというような、写真下の鉄組の建築が荒れたまま放置されていました。
もったいないなぁ、修理して何かに使えば素敵なのにとしばし立ち止まっていたら、後ろの方から賑やかな太鼓の音が聞こえてきました。かなり大きなこの建物の裏に回ってみたら・・・
なんだかとても楽しそうな場所に出ました。そういえば以前に、何かの雑誌か新聞で見たことのあったかもしれない・・巨大な本がブックエンドに立っているような建物です。賑やかなブラスバンドに大人や子供が一緒になって本の間に入ってゆくので、私もついて行ってみると、そこは図書館の入り口なのです。
この図書館の広い中庭を使った、幼児部門のお祭りですね。図書館の方によるとボランティアの方達だそうです。皆が踊り出すような陽気な打楽器中心のバンドの後は、スピーカーからうるさい音楽が流れる事もなく、地面に書いた双六のようなゲームや輪投げなど、父兄の手作りらしい、素朴でのんびりとした遊びを楽しんでいました。
昔の工場跡を改造したもので、先ほどのコンセルヴァトワール下のまだ修理されていない部分を含めると、相当の広さです。多分複数の工場が集まっていたのでしょう。工場の名残の機械が置いてありました。ガランとしているのは夏休み中で利用者が少ない為。フランスは7-8月、海辺や観光地以外はがら空きになるのです。
工場の建物をうまく利用して、素晴らしい図書館ですね。空気が乾燥してカラッとしていることもあり、外は暑くても、内部はクーラーなしで快適です。
最期に、図書館の入り口に立っているあの面白い巨大な本は何かというと、写真に見えるのはサン・テグジュペリの星の王子様、モリエールの病は気から、こちらからは見えませんがその後ろにカミュの異邦人、でした。なーるほど ! のチョイス
Conservatoire Darius Milhaud
380 Av. Wolfgang Amadeus Mozart, 13100 Aix-en-Provence
Bibliothèque les Méjanes/Cité du Livre
8 Rue des allumettes, 13100 Aix-en Provence