3/28/2022

建築家ウィレム・マリヌス・デュドックのオランダ館

l'exposition photos au Collège Néerlandais construit par Willem Marinus Dudok

パリ国際大学都市シテ・ユニヴェルシテールの写真展のNo.2は、Collège Néerlandais オランダ館です。
オランダ館は下の写真の通り、いかにも30年頃のデザインで、ぜひ見たいとずっと思っていたのになかなか一般公開日に巡り合わず・・・ですからこの写真展は待ちに待ったビッグチャンスでした。

この建物は、オランダの建築家 Willem Marinus Dudokウィレム・マリヌス・デュドックによって建てられました。建設開始は1928年ですが、30年代の世界恐慌のあおりで1933-37年まで建設が中断され、10年後の1938年に完成。オランダ出身のアメリカの富豪アブラハム・プレイヤーが、第一次大戦で戦死した息子の追悼に寄付した資金に加え、オランダとフランス政府の援助で実現しました。

ウィレム・マリヌス・デュドックという建築家の名は馴染みが無く、ネットで調べたところ、オランダの都市計画史上で重要な位置を占める人だそうです。 Hilversumヒルフェルスムという中都市の都市計画全般を手がけ、市庁舎や多数の学校、労働者用の住居、プール、屠殺場や墓地まで建設しています。しかしヒルフェルスム以外では、ロッテルダムにあるデパートが有名な外は、このパリ国際大学都市のオランダ館が、唯一外国での仕事。


フランク・ロイド・ライトやデ・スティル運動にインスパイヤされたという彼の建築は、沢山のガラスの大窓や天窓から太陽が一杯に入る、異なる大きさの多数のキューブが組み合わさり、真ん中のパティオを囲んでいます。また上写真の高い塔は、ベルギー以北の町の市庁舎等によくある鐘楼をシンボル化した、デュドック特有のデザインとのこと。
上左は、入り口階段脇の、もしかしたら地下室入り口か、ゴミ置き場の入り口。
ホールに続く入り口ドアの面白い取っ手
上は入り口ホールを入ってすぐ目に飛び込むシーン。左側の大窓は正方形(多分)のパティオに面していて、角から写真を撮ると、下写真の通り。



展示されていた写真は、50年前のニューヨークの街角のノスタルジックな作品。


黄色い素敵な階段。
私が最も好きだったのは、ホールの奧の壁いっぱいの、とてもモダンでかつレトロな絵でした。ブログトップの写真参照。誰の絵か調べたのですがどこにも出ていませんでした。今度オランダ館の事務所に電話で問い合わせたいと思っています。

Collège Néerlandais, Cité Internationale Universitaire de Paris   61 Bd. Jourdin 14

20世紀初頭の建築散歩/シテ・ユニヴェルシテール

0 件のコメント:

コメントを投稿