Abbaye de Maubuisson "Chaque Fibre de Mon Être" de Laura Ellen Bacon/ Pontoise
パリ北駅から北西25km、国鉄で40分ほどのポントワーズの町に行きました。
ポントワーズは2000年の歴史のある古い町で、中世には重要都市として栄えましたが、それよりも現代人に馴染みがあるのは、印象派の画家カミーユ・ピサロが描いたポントワーズの風景かもしれません。町の中心から北に出れば、田園が広がり、ゴッホの最期の町オーヴェールも10km以内。
現在のポントワーズ
ピサロの描いたポントワーズと周辺の丘
私達が訪れた日は土曜日だったので、まずは丘の上の旧市街の朝市に。そして旧市街をぶらぶらした後、第一目的のピサロ美術館に行きました。ピサロの絵は数点のみ、外は息子等ピサロゆかりの人々の絵や写真だけの静かな小美術館は、ポントワーズの丘を囲む城壁跡の、まるで船首のように突きだした突端に建っています。中世には防衛の要だったに違いないその美しい庭からの眺めも、この美術館のお目当てなのです。上のポントワーズの写真は、その庭から撮ったもの。
そして軽い昼食の後、城壁跡のすぐ下を流れるオワーズ川にかかる橋を渡り、第二の目的地、対岸サン・トーワン・オーモーヌの町にあるモービュイッソン僧院へ・・・
モービュイッソン僧院は、1236年にサン・ルイ王の母ブランシュ・ド・カスティーユによって建てられたシトー派の王立僧院です。貴族の子女を収容する尼僧院として建てられたそうですが、後は王家の住居や王室関係者の墓所として使われ、ブランシュ・ド・カスティーユを筆頭に、歴史上の≪有名人≫達が訪れ、生き、埋葬され、歴史物語にしたら面白そうな文化財。
大革命中に石切り場代わりに石が持ち去られ、破壊されずに残った部分が19世紀には繊維工場になったりの後、現在はオワーズ県所有の、コンテンポラリーアートセンターとして蘇りました。
現在展示中の作品は、植物の枝やつるを手作業で編み、結び、織り込んだ、イギリスのアーティストLaura Ellen Baconローラ・エレン・ベーコンの "Chaque Fibre de Mon Être" 直訳すると≪私の存在の全ての繊維≫。自分の全て、自分の存在をつぎ込んで織り込んだ、といった意味でしょうか 。全部その場で作られたもので、編み込まれヴォリュームを持ち、古い僧院の壁や柱にうねる様子は、一見は枯れた植物なのに、どこかに不思議な躍動感があります。
僧院の過去の展覧会の写真をサイトで見てみましたが、どれも僧院の柱など内部の特色をそのまま利用して作られたビッグサイズのユニークな作品ばかりで、僧院の古さと作品のユニークさのコントラストが面白いと思いました。
展覧会は無料、一部は森のままの10ヘクタールの庭も毎日一般にただで開放され、コンサート、子供や家族向けのアトリエの企画など、なかなか意欲的なアートセンターです。
Le Musée Camille Pissarro 17 Rue du Château, 95300 Pontoise
L'Abbaye de Maubuisson Avenue Richard de Tour, 95310 Saint-Ouen L'Aumône
"Chaque Fibre de Mon Être" de Laura Ellen Bacon 8月28日まで
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