Le moucharabieh/ L'institut du Monde Arabe
セーヌ岸に建つアラブ世界研究所は、ジャン・ヌーベルを一躍スター建築家にした1987年建造の建物で、もう沢山の専門家達に書き尽くされていますが、moucharabiehムシャラビエと現代建築のミックスが面白く、敢えてブログに取り上げてみることにしました。
これがアラブ世界研究所の正面広場のファサード。このガラスに見える細かいモチーフが、現代のムシャラビエです。
これが内側から見たところ。アルミニュームの階段やエレベーターと相まって、素晴らしくメカニカルな美しさです。
この伝統的ムシャラビエを、ジャン・ヌーベルはアラブ世界研究所の南側ファサード一面に取り入れたのです。でもぐっと現代的で超クールなメタル製 !
よく見ると細かい金属のパーツが精巧に重なりあい組み合わさっているのは、一つ一つがカメラの絞りのように開閉して太陽の光の量を加減し、室内の温度調整ができるようになっているのです。すごいアイデア、伝統と近代のテクノロジーとのミックス、かつ美しさも忘れていないのはさすがですね。
ただし一部のパーツに故障が起こり、そのため全体の開閉が止まってしまい、最近修理してまた動くようになったと聞いています・・建設から30年が経っているのですから、最近のテクノロジーはまた格段に進歩しているはず・・・
以前ブログで取り上げたマルセイユの、ルディー・リッチオッティの地中海文明博物館も、ムシャラビエのバリエーションでしょうか。地中海の波と、マルセイユと密接な関係の対岸のモロッコやチュニジアのイメージが混じりあった、これも本当に美しい現代のムシャラビエですね。
これはシテ・ユニヴェルシテール、パリの大学都市に2020年に建ったばかりのチュニジア館。ゆるくカーヴを描く建物の壁を、アラビア文字をデザイン化したムシャラビエが包んでいます。学生たちの部屋は、フィルターを通したような太陽が美し影を落とすそうです。
この他個住宅人用にも、リビングの仕切りやバルコニーのデザインに、近代的にアレンジしたムシャラビエのバリエーションを最近よく見かけます。
0 件のコメント:
コメントを投稿