Librairie Maritime Outremer
8月ももうすぐ終わり。今週末はバカンス帰りの人達で、駅や空港、高速道路が大混雑になるのですが、まだ今週は閉まっているお店が多く、車も少なく、嵐の前の静けさです。
今年は7月に記録的猛暑で、暑さに慣れないパリジャンは大騒ぎでしたが、暗く長い冬を控えているので、日本と違って、暑い夏が終わってやれやれと喜ぶ人はあまりいません。
ということで、夏の終わりを惜しんで、海の話題を!
サンジェルマンデプレの裏の、私の大好きな通り、ジャコブ通りに、海や船に関する本を集めた書店、リブラリー・マリチーム・オートルメールがあります。海図、船の操縦のテクニックや航海規則、船の整備云々などの船関係、ダイビング、釣り、海軍や商船関係、歴史的又は現代の航海記、海に関する音楽、海をテーマとする料理、インテリア、建築・・・海好き、船好きにはこたえられない品揃えです。子供コーナーもあり。
ヨットもダイビングもやらない私がなぜここに行くかというと、それはあらゆる海がテーマのノンフィクションが揃っているから。今年の夏はフィリップ・シミオという人の“銀行家とオウム”というのを買ってみました。1776年7月4日、アメリカが独立宣言したちょうどその日にフィラデルフィアに入港したボルドーの商船の船長エチエンヌ・ジラールが、アメリカで初めての百万長者の銀行家になるお話で、実在の人物がモデル。オウムは中国の商人組合からの贈り物で、孤独な彼の友。彼の口癖をマネをして“仕事だ、仕事だ!”というのが得意。アメリカに同化しながら、フランス人の目で外からも観察できるジラールの語る建国当時のアメリカ、アメリカの岸から見たフランス革命、ボナパルト、工業手工業の発展からドル至上主義に変遷するアメリカ等、彼が多数の商船の船主として世界中と交易していたために、広い視野と冷徹な商人の目を持って語られるので、最近ぴか一の面白いお話でした。こういう本は普通の書店ではなかなか見つけられません。私は男の子や、少年の心を持ち続けている男の人にも、ちょっとしたプレゼントはここに探しに来ることにしています。
Librairie Maritime Outremer 26 Rue Jacob 6e
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