12/05/2015

ジャン・ヌーヴェルが改装した市場/ サルラ、ペリゴール地方No2


L'église Sainte-Marie rénovée par Jean Nouvel/ Sarlat, Périgord No.2

先日サルラの建造物保護について書きましたが、今日はその続き、サルラのサントマリー聖母教会の修復のお話です。
この教会は1365年から建築が始まった、ごちゃごちゃした装飾のないフランス南部のゴシック様式でしたが、革命の時に略奪で内部が完全に破壊され、また1815年には後陣が取り壊され、教会として修復することもできずに民間に売られて工場やパン屋になったりと放置されていました。それを15年ほど前サルラの町役場が買い取り、サルラで生まれて育った ″町の子″ である建築家、ジャン・ヌーヴェルに依頼して屋内市場に改装しました。
                    

改装された当時、ステンレスの大トビラ(左右各5.7トン)や、ステンドグラスに代わってはめられたガラスがモダンすぎたようで、中世のままに修復された町を誇るサルラ住民には不評もあったようです。でも15年後の今日、ここは町の名物市場になっています。ステンレス、ガラス、中世のままの石の壁、瓦屋根のハーモニー。古めかしい街並みに超モダンなものが混じるのも、町が生きている証拠で悪くないと思いました。新しい物をうまく適度に加えると、古い物の美しさがより引き立つ場合もあるのですね。
中は天井が高すぎて、ちょっとスペースがもったいない感じがしますが、それを切って何階建てかのショッピングセンターにしてしまったら、教会の面影はなくなってしまいます。ジャン・ヌーヴェルは、できるだけ元の建物を残すように設計したのです。鐘楼の上は展望台、美しいサルラの町が一望できます。

市場の中にマカロン屋さん、レ・ペッシェ・ド・サントマリーを見つけました。昔ながらの製法で作られたマカロンで、ラデュレのより1.5倍くらい大きく、直径30センチ位の丸い大型の箱入りと(サントマリー市場と大扉のデッサン入り)、パラ売りも。チョコレート、ココナッツ、アーモンド、ピスタチオ、レモン・・・どれも素晴らしく美味しい、特にこの地方名産のくるみ入りがお勧め。

0 件のコメント:

コメントを投稿