14区の区役所別館の前を通りかかったら、陶芸家のグループ展をやっていたのでちょっと覗いてみました。展覧会はあまり面白くなかったのですが、このアールデコの建物の方がすごくて写真を撮ってきました。後で調べたところ1934-35年に、Georges Sébilleジョルジュ・セビーユという建築家が建てた、鉄筋コンクリートのベースにレンガ建築。
入り口を入ると正面に、ジオメトリックなステンドグラスのある巨大な階段が。入り口のドアや階段の手すりなどは、かなりごつい鉄のオーナメント。
上はイベント用のホールの一方の壁を横切るモノクロのステンドグラス。どこかで似たものを見たなと思っていたら、これはメットル・ヴェリエ(ステンドグラス師)ルイ・ヴァリエの作品で、今はエコールドパリ美術館になっているロベール・マレステヴァンが設計した彼のアトリエで、似た感じの彼のステンドグラスに以前お目にかかっていました。このデザインは区役所らしく、粉ひき、石工などの職人、学校、病院、鉄道など、職業や公共機関など大いにまじめなテーマ。
ファサードの、これも働く人のアレゴリックなレリーフ
ジョルジュ・セビーユはどうもフリーでなくて公務員の建築家だったのか、いくつかの公共機関の設計をした以外は、歴史的建造物の管理委員会などで地味な仕事をしていたようです。このアネックスは地方裁判所、区の文化活動委員会、コンセルヴァトワール、イベントのホールがあり、用途も設計もお堅いし、セビーユの趣味か区の要望かオーナメントも働く人や職業をテーマにして、ちょっと東欧の建物のような硬い印象を受けてしまいます。同時代で同類のイメージの建物がパリには幾つかあって、白い優雅なオスマン時代の建物に囲まれていると、異色でかえって注目してしまいます。
L'annexe de la Mairie du 14e 12 Rue Pierre Castanou 14e
0 件のコメント:
コメントを投稿