11/28/2017

フードハーレン/ アムステルダムのブランシェなフードコート


Foodhallen/ Amsterdam 

パリから北上しベルギーを過ぎると、食は急にバラエティーを失って、あまりグルメな期待は持てなくなってきます。もちろん自然の素材を生かしたミシュランの星付き超有名シェフ達は別で、一般的な話ですけど・・ところが最近は使い道のなくなった古い建物をロフト風に改装したフードコートが、あちこちに登場してとても便利です。アムステルダムも、古い市電の車庫を利用したフードコートがとてもプランシェ。

 

上の写真に写っているのはほんの一部で、しかも日曜の朝に撮ったので、とても静かに見えますが、食事の時間帯特に夜は人で一杯。両側に屋台風なあらゆるワールドフードがずらっと並び、好きな物をセルフサービスで注文して、空いている席を探して座る・・でもなかなか空いた席が見つからないくらい。飲み物はもちろんビール、オランダはビール国ですから・・天つゆでなく塩だけでポテトフライ式に食べるオランダ式野菜天ぷらがビールにぴったり。特にアーティチョークと、意外な芽キャベツが美味。黒豚の生ハム、イカとエビのマリネ、飲茶、カレーなどを皆でシェア。とても写真を撮るどころではなかったのが残念!
 

元市電の車庫はいくつものレンガの建物が集まり、フードコートだけでなく、ブティックや図書館、映画館、キャラリーなどが集まっています。オランダながらの自転車ショップは、かなりのスペースを占めていました。下は地下の自転車置き場に続くスロープのかわいい自転車の絵。
 
 

そしてこれは、車庫1つを丸々使ったホテル、デ・ハーレン。中央の部分がとてもユニークな装飾のラウンジ・ロビー、両側にずらっと並んでいるのが客室


中心からはちょっと離れていますが、アムステルダムのマレ地区とも言えるジョルダーンに近く、美術館地区にも歩ける距離です。

Foodhallen      Bellamyplein 51, 1053 AT Amsterdam, Pays-Bas  http://foodhallen.nl/

11/22/2017

キャラバンのオーダーメイドリネン


Les couleurs subtiles de lin lavé chez Caravane

シックなノマッド(遊牧民)風の独特なインテリアで静かながら根強い人気のブティック、キャラバンに、ウォッシュ・リネンのベッドリネンシリーズSelenaセレナがあります。18色もあり、微妙に異なるトーンのカマイユーや、思い切ったコントラストカラーなどでベッド周りのインテリアが楽しめるのですが、それに加えて45色もの新しいカラーを特注することができます。


残念ながらミニマムがあり、ピロケース、マットレスのフィットシーツ、羽根布団カヴァーかシーツ等(数サイズあり)に縫製されて約3週間後に出来上がります。ヨーロッパ製の上質リネンをフランスのアトリエで染色。サイズさえマッチするなら、カーテンも可。
うっとりしてしまうような素敵なカラーばかり!

                   
                   
                                                                                                                      by Caravane
 

Caravane     19 Rue Saint-Nicolas 12e

11/14/2017

ステデライク美術館デ・スティル/ アムステルダム


Stedelijk Museum/ Amsterdam

週末に、秋深いアムステルダムに行ってきました。
デ・スティルで有名な近代美術のステデライク・ミュージアムに、キース・へリングの天井画が修復されて再登場して今話題です。これは1986年の彼の展覧会の際に、既存の作品でなく、その場で新しく描きたいとの彼の希望で完成したもので、ヒップホップをバックミュージックに、リズムに乗って見る間に描いていったそうです。(来年6月3日まで。美術館のサイトでそのビデオが見れます)天井からの光を遮らないために布に描かれているので、いつものへリングの絵と趣が違って透き通っています。
 

期間展示が主で、運悪く半分以上が準備中で残念でしたが、とてもリラックスした雰囲気で、美術館自体に好感が持てました。色々な年代の生徒たちがクラス単位で沢山来ていて、美術はエリートの専売特許ではなく、みんなが気軽に楽しむ物というアプローチの仕方。トップの写真は、キース・へリングの天井画の下に置かれたクッション型のフカフカソファーに寝転んで、おしゃべりしながら天井画を見る高校生。デッサンをする学生、小学生・・ストリートアートを真似て壁に落書きできるコーナーもありました。
学生たちが熱心にコピーしているのは、ヘリット・リートヘルトのサイドボード。直線と角の複雑な組み合わせは、インダストリー用のデッサンの練習にもってこいのデザイン!
    
デ・スティルを1917年に提唱したピエト・モンドリアンとテオ・ファン・ドゥースブルフは、途中で意見を違えモンドリアンが脱退しました。性格もモンドリアンの静に対してドゥースブルフの燃えるような動と、正反対。そのため2人は同じようなジオメトリーと単純カラーで作品を描きながら、モンドリアンは決定的な水平と垂直のジオメトリーを、ドースブルフは25年の決裂以後全て斜め・・なのだと説明が書いてありましたが、知ってました? 私は浅学で知らなかった、今まで漫然と見ていたのです・・上の2つの絵は、左のモンドリアンがキャンバスを斜めにしながら絵は垂直と水平、右のドゥースブルフはキャンバスは水平なのに絵は斜めと、2人ともかなり頑固! 因みにモンドリアンの絵の下のブラックの部分にPM '31(ピエト・モンドリアン1931年)の赤のサインがとてもステキ。
ドゥースブルフのアトリエがパリの郊外にあり以前にブログに書きましたが、家は垂直水平でかなりモンドリアン風でしたが・・
    
この美術館は、レンガの古い建物の後部を超近代的な白い建物が包み込むような形で修復と拡張されています。新しい部分はバスタブ型。熱による伸縮度の違う素材が混じっているので熱に強いらしい。突飛な形や巨大な屋根部分が本当に必要だったのか、単にデザインで資材の無駄遣いなのかはわかりませんが、少なくとも旧館を壊さず、そのまま残してリノベーションしたのはさすがですね。下の写真は新旧の接続する部分です。
 ガラス張りの部分は切符売り場やカフェ、素敵な本が一杯のミュージアムショップ

Stedelijk Museum Amsterdam Museumplein 10, Amsterdam, Netherlands

11/06/2017

フィロラオスのアトリエ


Maison et atlier Philolaos à Saint-Rémy-lès-Chevereuse

今秋の文化財の日に、パリの南サンレミ・レ・シュヴルーズにある、彫刻家フィロラオスのアトリエを見学しました。フィロラオスはギリシャで生まれで、アテネとパリのボザールで修業した後、60年代からパリで活躍し、2010年に亡くなった彫刻家です。奥様が案内して下さり、予約制だったので参加者は7人だけの少人数。思い出話が沢山織り込まれた、とても楽しいご説明でした。以前書いたマルタ・パンとアンドレ・ヴォジャンスキーのアトリエとは、丘の上と下のご近所に当たります。

フィロラオスは、彫刻家という1つのジャンルにはめられないアーティストだったのですね。アトリエも別棟の母屋も、全部自分で設計し、家具、暖炉、ランプシェード、戸棚、パン焼き窯まで、あらゆるものを自分でデザインし作ってしまったのです。インテリアはアットホームで、家庭を大事にした人だったことが偲ばれました。


アトリエの中二階は暖炉のある居間とミニ・キッチン、階下は寝室があり、元はここで生活していたのだそうですが、奥様曰く ″木材や金属を使うからうるさくてね、子供が生まれた時に別に家を建てることにしたの″。階段の左にある金属の円筒のような物は、留め金を開けると中はカップボード、やはり蓋を開けると鏡台だったりと、面白い家具が一杯。
    
所狭しと並ぶ試作品やサンプル

叩いて湾曲させると、まっすぐに円筒にならずに、ある一定の法則に従ってねじれて湾曲するというスチール板の特質に注目し、その曲がりぐわいがとても気に入っていたのだそうです。彼の作品には繰り返し、この少しねじれたスチール版が登場します。
ねじれたスチールの外に彼のよく使った素材は写真下の、スチールをはめたコンクリートのサークル。ここではアトリエから母屋に続く階段に使われています。
丘の上なので目の前に緑の広がる窓、とても居心地のよさそうなリビングルーム。窓際の白いソファーはセメントで、床に固定してあります。公園のベンチのようだけれど違和感は全くなし。
こちらは温室風のパティオ。中央はロッキングチェアーで、意外にも座り心地が満点。フィロラオス得意のスチールとセメント使用。

Maison et Atelier Philolaos      65 route de Milon, Saint-Rémy-lès-Chevreuse, 78470