Stedelijk Museum/ Amsterdam
週末に、秋深いアムステルダムに行ってきました。
デ・スティルで有名な近代美術のステデライク・ミュージアムに、キース・へリングの天井画が修復されて再登場して今話題です。これは1986年の彼の展覧会の際に、既存の作品でなく、その場で新しく描きたいとの彼の希望で完成したもので、ヒップホップをバックミュージックに、リズムに乗って見る間に描いていったそうです。(来年6月3日まで。美術館のサイトでそのビデオが見れます)天井からの光を遮らないために布に描かれているので、いつものへリングの絵と趣が違って透き通っています。
期間展示が主で、運悪く半分以上が準備中で残念でしたが、とてもリラックスした雰囲気で、美術館自体に好感が持てました。色々な年代の生徒たちがクラス単位で沢山来ていて、美術はエリートの専売特許ではなく、みんなが気軽に楽しむ物というアプローチの仕方。トップの写真は、キース・へリングの天井画の下に置かれたクッション型のフカフカソファーに寝転んで、おしゃべりしながら天井画を見る高校生。デッサンをする学生、小学生・・ストリートアートを真似て壁に落書きできるコーナーもありました。
学生たちが熱心にコピーしているのは、ヘリット・リートヘルトのサイドボード。直線と角の複雑な組み合わせは、インダストリー用のデッサンの練習にもってこいのデザイン!
デ・スティルを1917年に提唱したピエト・モンドリアンとテオ・ファン・ドゥースブルフは、途中で意見を違えモンドリアンが脱退しました。性格もモンドリアンの静に対してドゥースブルフの燃えるような動と、正反対。そのため2人は同じようなジオメトリーと単純カラーで作品を描きながら、モンドリアンは決定的な水平と垂直のジオメトリーを、ドースブルフは25年の決裂以後全て斜め・・なのだと説明が書いてありましたが、知ってました? 私は浅学で知らなかった、今まで漫然と見ていたのです・・上の2つの絵は、左のモンドリアンがキャンバスを斜めにしながら絵は垂直と水平、右のドゥースブルフはキャンバスは水平なのに絵は斜めと、2人ともかなり頑固! 因みにモンドリアンの絵の下のブラックの部分にPM '31(ピエト・モンドリアン1931年)の赤のサインがとてもステキ。
ドゥースブルフのアトリエがパリの郊外にあり以前にブログに書きましたが、家は垂直水平でかなりモンドリアン風でしたが・・
ドゥースブルフのアトリエがパリの郊外にあり以前にブログに書きましたが、家は垂直水平でかなりモンドリアン風でしたが・・
この美術館は、レンガの古い建物の後部を超近代的な白い建物が包み込むような形で修復と拡張されています。新しい部分はバスタブ型。熱による伸縮度の違う素材が混じっているので熱に強いらしい。突飛な形や巨大な屋根部分が本当に必要だったのか、単にデザインで資材の無駄遣いなのかはわかりませんが、少なくとも旧館を壊さず、そのまま残してリノベーションしたのはさすがですね。下の写真は新旧の接続する部分です。
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