Le parcours des année 30, Mallet=Stevens, Le Corbusier, August Perret & Co./ Boulogne Billancourt
ブローニュの森と蛇行したセーヌに挟まれた、パリのすぐ西に位置するブローニュ・ビヤンクールは、19世紀末に、映画のスタジオ・エクリプス、後にエールフランスとなるフェルマン兄弟の飛行機工場、自動車のルノーなど近代産業が発展しました。2度の世界大戦の狭間に建築ブームが起こり、沢山の芸術家達が移り住み、当時アヴァンギャルドと言われたマレ・ステヴァンス等の建築家達によって、住宅、芸術家のアトリエ、市庁舎、郵便局など公共の建物が建設されたので、ブーローニュ・ビヤンクールは、30年代建築ファンには見逃せない町になっています。個人所有の建物が多いので外から見るだけですが、文化財デー、建築デーなどに特別公開されることもあります。
1) Rue des Arts 通りとallée des Pins 通り
門のある私有地内の通りなので、建築デーに、市の専門ガイドさんに案内されて見ることができました。ここにはルコルビュジエが建てたオスカー・ミッチャニノフとJacques Lipchitzジャック・リプティッツ2つのアトリエ兼住居があります。
ルコルビュジエのアトリエ・ミッチャニノフ
Résidence atelie Miestchaninoff(1923-26) 5 Rue des Arts 92100 Boulogne Billancourt
ルコルビュジエのアトリエ・リプティッツ
Résidence atelier Lipchitz (1923-25) 9 allée des Pins 92100 Boulogne Billancourt
芸術的な交流を持って製作できるように2つのアトリエが並び、内庭で繋がっています。南側は住居。
Lipchitzのアトリエの前を進んでこの私有地の反対側の出口角のアパートは、ルコルビュジエが建て始め、色々な問題のために工事が中止された後、Georges-Henri
Pingussonジョルジュアンリ・パングッソンが完成した建物。三角の角地を利用したパケボートスタイル、船窓風の丸窓が沢山並んでいます。三角の部分が船首の豪華客船!
ジョルジュアンリ・パングッソンのアパート(1933-1936)
5 Rue Denfert-Rochereau 92100 Boulogne Billancourt
2)Rue Denfert-Rochereau通り
このパケボート型アパートの正面入り口はダンフェール・ロシュロー通りに面し、反対側の偶数番地側は、下2つの写真を水平に並べた、まるでモダニズム建築のサンプル通りのよう! 左からマレ=ステヴァンス、ルコルビュジエ、レイモン・フィッシェ。続くお隣さん達もみなモダニズム建築で統一されているので壮観。公道なので自由にいつでも見ることができます。中が見れないのが残念。
左からマレ=ステヴァンスのコリネ邸 (1926)
Villa Collinet 8 Rue Denfert-Rochereau 92100 Boulogne Billancourt
中央がルコルビュジエのクック邸(1927)
Villa Cook 6 Rue Denfert-Rochereau 92100 Boulogne Billancourt
3番目はRaymond Fischerレイモン・フィッシェのデュバン邸(1928)
Villa Dubin 4 Rue Denfert-Rochereau 92100 Boulogne Billancourt
3)rue du Belvédèreベルヴェデーレ通り
ダンフェール・ロシュロー通りから2ブロックほと歩いたベルヴェデーレ通りも、みごとなモダニズムの通り。
緩やかにカーヴした通りの一番最初の家は、レイモン・フィッシェの建築。ピロティ、バルコニー、屋上テラス、余計な装飾を省いき、道のままに湾曲した丸いファサード。
レイモン・フィッシェのla maison Godfray ドゴフレイ邸1927
4 Rue du Belvédère 92100 Boulogne Billancourt
アンドレ・リュルサのFroriep de Salisフロリエプ・ド・サリスのアトリエ住居
9 Rue du Belvédère 92100 Boulogne Billancourt
そしてオーギュスト・ペレそのものと言えるようなアトリエ、ドラ・ゴルダン邸。ファサードのタイルのレリーフが美しい。パリ14区のヴィラ・スーラを思い出します。
オーギュスト・ペレのVilla Dora Gordinドラ・ゴルダン邸 1929
21 Rue du Belvédère 92100 Boulogne Billancourt
ここに挙げた建物は、ブーローニュ・ビヤンクルール北部、パリと隣接した地区のモダニズム建築の、しかも代表的な物だけを選びました。市庁周辺の公共の建物や、とっておきのルコルビュジエの自宅は、また別の機会に書くつもりです。
外にも沢山面白い建築物が一杯なので、ブローニュの森と合わせて散歩してみましょう。
市の出している30年代建築情報
http://www.boulognebillancourt.com/cms/images/pdf/Brochures/Parcours30.pdf
https://www.tourisme92.com/Local/cdt92/dir/images/telechargement/prom_archi/boulogne.pdf