Jardin de Chateaubriand
パリでは35℃以上の日が続き、最高で40℃を超えるような記録的な猛暑でした。先週でひとまず収まりましたが、余りの暑さに恐れをなしてパリジャンは集団 "疎開" してしまったのか、通行人も車も驚くほど少なくなり、お店やレストランも、繁華街以外は半分くらいシャッターを閉めたままで、パリはガランとして本格的なバカンスに突入です。
今日はパリの郊外、緑の多いラ・ヴァレ・オ・ルーLa Vallé aux Loups(オオカミの谷)のシャトーブリアンの庭を散歩してみましょう。
シャトーブリアンはフランス革命-ナポレオン-王政復古時代を通しての政治家、しかしロマン派の先駆者的な作家としての方が有名ですね。王党派の軍に入って共和派と戦ったり、イギリス、イタリアは勿論、中東-コンスタチノープル-エルサレム、そしてアメリカまで旅し、大臣や大使など重要な職に着いていながら、主義主張を正面から表明するタチだったようで、色々問題を起こしたりと、それこそロマン派的に生きた人だったようです。その彼が、ナポレオン(の下で働きながら)の独裁を非難した出版物を出したため、パリを追われて住んだのがこの館、彼の代表作がここで執筆されました。
庭は花が沢山咲いている春が一番きれいなので、花の写真は春に撮ったものです。
写真上はシャトーブリアン自ら植えたというレバノン杉。彼がオリンエントから持ち帰ったものらしい。そういえばパリのカルチエ財団美術館(モンパルナス近くの、元シャトーブリアン宅のあった場所)にも、これと同じく彼の植えたレバノン杉がまだ残っています。美術館を設計したジャン・ヌーベルは、この木を切ってしまわずに、ギリギリのスペースになんとか共存させました。
オオカミ谷の館は、今はオオカミなどいないけれど、鬱蒼とした森を背に時と場所を忘れてしまうような静けさ。一般公開されている外、ロマン派文学の会合や小展覧会が時々催されていますが、殆どの時は人がまばらで閑散としてロマネスクな雰囲気。今までこのブログで紹介したパリの画家や作家達の庭とは比較にならない、ヘクタール単位の広大な庭です。
とっておきのコーナーは、庭のオランジュリーを利用したカフェ。名前はシャトーブリアンの音をもじって "レ・テ・ブリアン" Les Thés Brillants(素晴らしいお茶)。キッシュなどのランチ、お菓子にマリアージュ・フレールのお茶を、緑や花に囲まれて頂くことができます。ただし良いお天気の休日は満席になります。このカフェを逃すと、近くにはレストランが無いため気を付けましょう。予約可。
http://vallee-aux-loups.hauts-de-seine.fr/infos-pratiques/horaires-tarifs/67-horaires
Les Thés Brillants http://vallee-aux-loups.hauts-de-seine.fr/services/restauration
パリの南RERのB線の終点Robinson下車徒歩20-25分。駅からのバスはとても少なく、あてになりません。
B線は途中から2つに分かれるので要注意。徒歩30分くらいの距離のソー公園と合わせてハイキングを楽しむならば、Parc de Sceaux 又は Sceauxで下車することも可能です。ソー公園と、それに続いた緑地帯など、ピクニックできる場所が沢山あります。
せっかく来て閉まっていると残念なので、事前にオープニングの時間を再確認して下さい。
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