11/14/2017

ステデライク美術館デ・スティル/ アムステルダム


Stedelijk Museum/ Amsterdam

週末に、秋深いアムステルダムに行ってきました。
デ・スティルで有名な近代美術のステデライク・ミュージアムに、キース・へリングの天井画が修復されて再登場して今話題です。これは1986年の彼の展覧会の際に、既存の作品でなく、その場で新しく描きたいとの彼の希望で完成したもので、ヒップホップをバックミュージックに、リズムに乗って見る間に描いていったそうです。(来年6月3日まで。美術館のサイトでそのビデオが見れます)天井からの光を遮らないために布に描かれているので、いつものへリングの絵と趣が違って透き通っています。
 

期間展示が主で、運悪く半分以上が準備中で残念でしたが、とてもリラックスした雰囲気で、美術館自体に好感が持てました。色々な年代の生徒たちがクラス単位で沢山来ていて、美術はエリートの専売特許ではなく、みんなが気軽に楽しむ物というアプローチの仕方。トップの写真は、キース・へリングの天井画の下に置かれたクッション型のフカフカソファーに寝転んで、おしゃべりしながら天井画を見る高校生。デッサンをする学生、小学生・・ストリートアートを真似て壁に落書きできるコーナーもありました。
学生たちが熱心にコピーしているのは、ヘリット・リートヘルトのサイドボード。直線と角の複雑な組み合わせは、インダストリー用のデッサンの練習にもってこいのデザイン!
    
デ・スティルを1917年に提唱したピエト・モンドリアンとテオ・ファン・ドゥースブルフは、途中で意見を違えモンドリアンが脱退しました。性格もモンドリアンの静に対してドゥースブルフの燃えるような動と、正反対。そのため2人は同じようなジオメトリーと単純カラーで作品を描きながら、モンドリアンは決定的な水平と垂直のジオメトリーを、ドースブルフは25年の決裂以後全て斜め・・なのだと説明が書いてありましたが、知ってました? 私は浅学で知らなかった、今まで漫然と見ていたのです・・上の2つの絵は、左のモンドリアンがキャンバスを斜めにしながら絵は垂直と水平、右のドゥースブルフはキャンバスは水平なのに絵は斜めと、2人ともかなり頑固! 因みにモンドリアンの絵の下のブラックの部分にPM '31(ピエト・モンドリアン1931年)の赤のサインがとてもステキ。
ドゥースブルフのアトリエがパリの郊外にあり以前にブログに書きましたが、家は垂直水平でかなりモンドリアン風でしたが・・
    
この美術館は、レンガの古い建物の後部を超近代的な白い建物が包み込むような形で修復と拡張されています。新しい部分はバスタブ型。熱による伸縮度の違う素材が混じっているので熱に強いらしい。突飛な形や巨大な屋根部分が本当に必要だったのか、単にデザインで資材の無駄遣いなのかはわかりませんが、少なくとも旧館を壊さず、そのまま残してリノベーションしたのはさすがですね。下の写真は新旧の接続する部分です。
 ガラス張りの部分は切符売り場やカフェ、素敵な本が一杯のミュージアムショップ

Stedelijk Museum Amsterdam Museumplein 10, Amsterdam, Netherlands

11/06/2017

フィロラオスのアトリエ


Maison et atlier Philolaos à Saint-Rémy-lès-Chevereuse

今秋の文化財の日に、パリの南サンレミ・レ・シュヴルーズにある、彫刻家フィロラオスのアトリエを見学しました。フィロラオスはギリシャで生まれで、アテネとパリのボザールで修業した後、60年代からパリで活躍し、2010年に亡くなった彫刻家です。奥様が案内して下さり、予約制だったので参加者は7人だけの少人数。思い出話が沢山織り込まれた、とても楽しいご説明でした。以前書いたマルタ・パンとアンドレ・ヴォジャンスキーのアトリエとは、丘の上と下のご近所に当たります。

フィロラオスは、彫刻家という1つのジャンルにはめられないアーティストだったのですね。アトリエも別棟の母屋も、全部自分で設計し、家具、暖炉、ランプシェード、戸棚、パン焼き窯まで、あらゆるものを自分でデザインし作ってしまったのです。インテリアはアットホームで、家庭を大事にした人だったことが偲ばれました。


アトリエの中二階は暖炉のある居間とミニ・キッチン、階下は寝室があり、元はここで生活していたのだそうですが、奥様曰く ″木材や金属を使うからうるさくてね、子供が生まれた時に別に家を建てることにしたの″。階段の左にある金属の円筒のような物は、留め金を開けると中はカップボード、やはり蓋を開けると鏡台だったりと、面白い家具が一杯。
    
所狭しと並ぶ試作品やサンプル

叩いて湾曲させると、まっすぐに円筒にならずに、ある一定の法則に従ってねじれて湾曲するというスチール板の特質に注目し、その曲がりぐわいがとても気に入っていたのだそうです。彼の作品には繰り返し、この少しねじれたスチール版が登場します。
ねじれたスチールの外に彼のよく使った素材は写真下の、スチールをはめたコンクリートのサークル。ここではアトリエから母屋に続く階段に使われています。
丘の上なので目の前に緑の広がる窓、とても居心地のよさそうなリビングルーム。窓際の白いソファーはセメントで、床に固定してあります。公園のベンチのようだけれど違和感は全くなし。
こちらは温室風のパティオ。中央はロッキングチェアーで、意外にも座り心地が満点。フィロラオス得意のスチールとセメント使用。

Maison et Atelier Philolaos      65 route de Milon, Saint-Rémy-lès-Chevreuse, 78470

10/31/2017

森のハロウィン/ ポーズカフェ

Pause-café/ La ctrouille de La Toussaint dans la forêt
小人の忘れ物? それとも小鬼のいたずら? 森の中にぽつんと 置かれた、ちょっぴり怖い 顔の カボチャ!

10/27/2017

マイ・リトル・パリKanakoさんのデッサンがサマリテーヌに

 

Kanako de My little Paris pour les bâches du chantier de la Samaritaine

この前を通るたびにかわいいなと思っていたKanakoさんのイラスト・・セーヌ岸旧サマリテーヌデパートの工事中に、埃や騒音の遮断、歩行者の安全のために、ぴっちりと張り巡らされた巨大シートに描かれ、もう何か月も前から飾られていましたが、昨日この正面でバスを待ちながら、改めてじっくり見ていたら突然ブログに書きたくなりました。
上の写真、手前のパーキングの P の表示と街路樹、白いスニーカーの女性は本物。イラストとぴったりマッチ!

この写真も、現実と絵がミックス
普段は不細工な工事現場のカバーが、イラストのお陰でおしゃれな楽しい街角の演出に!

Kanakoさんのイラストは、いまさらここで説明するまでもないですけど、パリとパリジェンヌを主役に、最高におしゃれでパリの香りが一杯。パリジェンヌの本性というか実態を、サラリと軽いタッチで、しかしズバリと的確にスケッチ。 いつも "そうなのよね-"  "わかるわかる、そういうコよく見るわ " と思ってしまいます。
さて、上のディナー中のカップルの絵、何気ないけどテーブルの下では足が絡み合っているのがミソ・・

10/20/2017

パスマントリーHoulès/ フランスの組紐


Houlès Passementerie

フランスにも高度な組紐芸術があって、passementerieパスマントリーと言い、植物、動物、メタルなどどんな素材であっても、糸を使って作られる、インテリアや服の装飾の総称です。よくお城など見学すると、厚手の豪華な緞帳のカーテンに、見るからにずっしり重そうにタッセルや裾や縁飾りが付いていますね。そのパスマントリーの専門店がHoulès (カタカナで書くとウーレス?)。

 

私が買いに行ったのは最もシンプルなものの1つで、double passepoilダブル・パッスポワル、パイピングがダブルになったもので、椅子に布を張り替えた時の仕上げ用です。あまりに色が豊富で美しく、みんな欲しくなってしまう!

お店の方に勧められた新しいシリーズのダブル・パッスポワルは、ダブルの紐に、更に同色又はコントラストカラーの細い紐が絡めてあります。布とのコーディネートに成功すれば、素晴らしい効果間違いなしのデザイン。

 写真のタッセルはほんの一部。広いお店の壁はサンプルで埋まっています。

Houlès   18 Rue Saint-Nicolas 12

10/15/2017

ポール・ヘニグセンのランプPH3/2 Table/ フローラダニカ・カフェ


PH3/2 Table, Flora Danica café

ポール・ヘニングセンのランプについて書いたついでに、今日はデンマーク・ハウスMaison de Danemarkのインテリアに使われている彼の照明についてです。
デンマーク人はよほど愛国心が強いのか、自国のデザインを誇るのか、多分その両方なのでしょうね、ここもオールデンマークデザインで、照明はヘニングセンのアーティチョークと、バーのカウンターにはPH3/2 Tableランプがずらりと並んでいます。
 
しっかり食べるなら奥のシックなレストランに(静かな中庭のテラスあり)。シャンゼリゼ大通りに面したブラッセリー/カフェの方は、気軽なランチやティータイムに。スモークサーモンやその他お魚のスモークの販売コーナーもあります。

Flora Danica     142 Av. des Champs Elysées 8e

10/09/2017

ポール・ヘニングセンのアーティチョークランプとPH5-4.5


Lampe PH5-4.5 et  PH Artichoke/ Poul Henningsen

デンマークの誇るデザイナー、ポール・ハニングセンの、かの有名なランプPH5と、形が似ているのでアーティチョーク(チョウセンアザミ)と呼ばれるランプPH。
上の写真は、シテ・ユニヴェルシテールのデンマーク館の正面入り口ホールの写真です。このホールは、さすがデザインの国と思わせるシンプルでハッとする美しさ。アーティチョーク・ランプPHがチャームポイントに効いています。

オフホワイトの壁、ペールグレイの床、ブルーの階段、ダークブルーの椅子のファブリック。そしてインテリアは入り口のドアを中心に何もかもが全てピタリと左右対称で、壁に掛ったグレイのトーンのアブストラクトの絵も左右の壁に同じものが。

こちらはデンマークの第2の町オーフスのコンサートホールで、すごい数のPH5-4.5ランプが、高い天井からずらりと並んで下げられ壮観でした。
 

因みにデンマーク館のあるシテ・ユニヴェルシテール国際大学都市は、各国の学生寮の集まったパリでもちょっと特殊の地区。学生寮と言っても歴史があるので、古いものほど建物に特徴があり、以前にもこのブログで取り上げました。中のインテリアもオリジナルのデザインを昔のまま残したり(特にル・コルビュジエ)、お国柄のアイデンティティーを強調しているので、文化遺産の日や集会室でコンサートや展覧会をやっている時に、覗いてみることができます。