9/29/2013

パリはフリー・マーケットの秋

Vintage snapshot à Paris

9月半ばから10月中旬までは、フリー・マーケットのハイシーズン。どこに行こうか迷うくらい沢山催されています。エコロジーやリサイクルがファッションとなり、50-60年代の雑貨がトップトレンドとなっている今、おしゃれなカップル達が真剣にヴィンテージ・ハントに。お天気が良ければ郊外まで足を伸ばしてみましょう。



9/28/2013

今週のコレット


Colette

今パリ・ファッションウイークの真っ最中で、コレットは世界中から集まったバイヤー達で一杯。かの有名なショーウインドーは、今週は1方がカルヴェンのコート、もう一方はエルビス・プレスリーがテーマのコレクションでした。


 カルヴェン
 エルビスのTシャツはオープニング・セレモニー、ドレスはアシュレー・ウイリアムス

Colette    213 rue Saint-Honoré 1e  http://www.colette.fr/

9/26/2013

50年代のカップル・デザイナー、ロビン&リュシエンヌ・デイ

ロイヤル・フェスティバルホール・アームチェアー

Robin & Lucienne Day

ロビン・デイの家具が数点ボ・ザール近くのギャラリーに展示されています。ロビン・デイは、レイ&チャールズ・イームズを差し置いて、1948年ニューヨークMoMA主催のロー・コスト家具コンテストで優勝しデビューを飾った、50、60年代イギリスを代表するデザイナーです。デザインの優れた家具は、使いやすく、長持ちし、買いやすい価格でなくてはならないというモットーのもとに、沢山のヒット家具を生み出しました。特に1960年に、世界で初めてポリプロピレンの型注入で作った椅子“ポリプロピレン・チェアー”を発表し、これは空前の売れゆきで、椅子の売り上げとしては世界記録だろうとのこと。

675 チェアー(8月7日のブログ参照)
ポリプロピレン・チェアー
ポリー・アームチェアー

彼は有名なテキスタイル・デザイナーだった奥さんリュシエンヌ・デイと合同のステュディオを持ち、一緒に仕事をしていました。この奥さんの方のテキスタイルも、典型的なミッド・センチュリーのデザインで、ため息が出るほど素晴らしい

うっかりブログを書き忘れてしまったので、ギャラリー展示の終了は28日に迫っています・・・
Galerie de Casson  21 rue de Seine 6e 

9/25/2013

パリ18区/ ミルク、マム・イン・ハー・リトル・キッチン

Milk-Mum in her little kitchen

おままごとの家でお母さんごっこをしているような、可愛らしいレストランがモンマルトルのアベス地区にあります。インテリアは今大人気のフォルミカ(メラミン樹脂)のテーブルや椅子、水差しや食器類もデュラレックスやアルコパルと、6070年代に家庭で日常使われていた気取りのないヴィンテージで、“ミルク、ママは小さなキッチンに”という楽しい名前もぴったり。ブルーやオレンジ、レッドなどストレートなカラー、ガーリーでちょっぴりキッチュなインテリアですが、嫌味がないのはなんとなくノスタルジックなママのキッチンの家庭的な雰囲気でしょうか。


有名なブランチは、フレッシュジュース、コーヒーまたは紅茶、バゲットのタルティーヌ、手作りのユニークなジャム付きのフロマージュ・ブラン、サレ(キッシュやフラン)、シュクレ(フォンダン・オ・ショコラやチラミスなどデザート)など盛りだくさんで、食べきれない時はデザートの持ち帰りも可能、22.5。軽いランチはサラダ付きのスモークサーモン入りフラン(また食べたい!)などで9.5どれも見た目の美しさを狙わず家庭的な味で勝負し、これもインテリアとぴったりマッチ。全体のコンセプトがとてもはっきりして成功しているので、オーナーの女性によるとコンセプトを買いたいという話が多く、すでにパリの17区とリヨンにも、フランチャイズのレストランがオープンしているそうです。
ジャムやフルーツジュース等エピスリーと、ショッピングバッグ、エプロンなど店内に飾ってあるものも販売しています。貸し切りで子供達のバースデー・パーティーも請け負います。


Mum in her little kitchen  62 rue d’Orsel 18e  
追記:このオルセル通りのショップは閉まりましたので、17区のギイ・モケ通りのショップに行ってください。同じコンセプトのかわいいインテリアです。
住所: 63 rue Guy Môquet 17e

9/22/2013

パピエ・チーグルのデザイン・ステーショナリー


Papier Tigre


パピエ・チーグルは何人かの若者が集まり、メールでなくて手紙を送りたくなるように、ブログでなくて日記を付けるようにと、コンピューターに頼って手書きの習慣が薄れる現代人に、日常書くことが楽しくなるような紙のステーショナリーを提供したいとブランドを立ち上げました。創立2011年と若い会社なのに、すでにパリでは装飾美術館、メルシー、フレンチトロッターズなど、デザイン性やエコロジー、フランス製をコンセプトとするそうそうたる販売ポイントを持ち、世界中にもファンを獲得しています。パリ10区のオフィスでアイデアを練りデザインし、製品は全部リサイクル紙使用で100%フランス製。名刺やカードの印刷や、特注デザインのオーダーも可能です。
 チーグルの名前通り、トラがマスコット

Papier Tigre   

9/20/2013

オーギュスト・ペレのヴィラ・スーラ

L'atelier Chana Orloff / Villa Seulat
ヴィラ・スーラは192426年に、芸術家のアトリエや、当時としては革新的な建築家の一軒家が建てられた袋小路で、今もほとんど当時のままの姿が残されています。沢山の芸術家がこの通りに住んだり滞在した中で、有名な名前だけを挙げてもトンブ・イソワール通りとの角にダリ、18番地はスーチン、アナイス・ニン、ヘンリー・ミラー(ここで彼は北回帰線を執筆)など。7bis番地は1926年に建築家オーギュストとギュスタヴ・ペレによって、シャナ・オルロフという女性彫刻家のアトリエが建てられ、今でも子孫が管理し、珍しい彼女の作品を見る事ができます。
オーギュスト・ペレ作、シャナ・オルロフのアトリエ
アトリエ内部  by Carmela Garcia
1945年の作品
シャナ・オルロフは1888年にウクライナのユダヤ人の家に生まれ、パリに移民してからはエコール・ド・パリのモジリアニ、スーチン、ザドキンなどと交わり、1913年~第2次大戦までは、パリやアメリカで展覧会参加や個展を開くなど芸術家として頂点を極め、レジオン・ドヌール賞も受けました。ナチの台頭とともに、すべすべとなめらかなフォルムだった彼女のスタイルが、もっと荒々しいものに変わってきます。ナチのパリ占領時にスイスへ亡命し、終戦直後に帰ってみるとアトリエは荒らされ、ユダヤ人が作ったということで作品は殆どが壊されていたそうです。今パリで彼女の素晴らしい作品を一番沢山見られるのがこのアトリエですが、時々しかオープンしていないのでサイトで要確認です。パリのユダヤ美術歴史博物館で、数点の彫刻とデッサンのほんの小さい特別展が開催中。

ヴィラ・スーラ
Chana Orloff  7 bis Villa Seurat 14e   http://www.chana-orloff.com/
Chana Orloff “The return 1945”  Musée d'art et d'histoire de Judaïsme  71 rue du Temple 3e  http://www.mahj.org/en/index.php  10月6日まで

オーギュスト・ペレVilla Dora Gordinドラ・ゴルダン邸 
http://kaleidoscope-design-paris.blogspot.com/2018/12/30.html
オーギュスト・ペレのパレ・ディエナ 
https://kaleidoscope-design-paris.blogspot.com/2019/10/fiac.html
オーギュスト・ペレのチャペル
https://kaleidoscope-design-paris.blogspot.com/2014/11/blog-post_12.html

9/18/2013

パトリック・ロジェの秋の新作チョコレート


Le tube de chocolat Patrick Roger

9月は日本の4月に相当する新学年のはじまりで、学校から指定された文房具や本を買うために、例年9月始めはお店の前に行列ができます。この新学期の文房具からインスピレーションを受けた秋の新作をシェフ、パトリック・ロジェが発表しました。マダガスカルのカカオ64%のグルメな絵具チョコレート。20センチはある大型チューブで1本40€。

Patrick Roger   3 Pl. de la Madelaine 8e
                      108 Bd.Saint-Germain 6e   http://www.patrickroger.com/en/index.php

9/16/2013

レ・ドックスのナウ・ル・オフ / パリ・デザインウイークNo,3


Now! Le OFF/ Paris Design Week No.3

デザインウイークは昨日で終わりましたが、レ・ドックス・アン・セーヌで開催されたNow ! le OFFが面白かったので付け加えます。この催しは、未来に目を向け、新しいジェネレーションのデザイナーやデザイン学校の作品を紹介しようというもの。この中から、明日のスター・デザイナーが育つかもしれません。

棚などの角に置くようになったランプ。彼女の作品は全て手作りで1点物、和めるフォルムで、穏やかな美しい光を放ちます。Lampe L、Anna Leymeugie
北欧の香りのするデザインのナプキンとテーブルクロス Sonia Verguet http://soniaverguet.com/

とてもきれいなラインのデザイン。上記の椅子はChampignonマッシュルームの名が付いています。Gwénaëlle Follézou www.gwenaelle-follezou.com
ビニールの細くカラフルな紐(フランスではスクビドゥーと呼ばれる)を使ったランプと、同じ素材で仕切りを付けたサイドボードなど。繊細な美しさと、ちょっと遊び心のあるデザインが楽しい。
Elsa Randé www.elsarande.com
ボンヌ・ママンなどジャムのビンや他の食品のガラス容器のフタが、同じサイズなことからヒントを得たリサイクル・ランプ。真ん中の黒,又は白いプラスティックの部分がランプで、両側から好きな形の容器を、フタを閉めるようにはめ込むシステム。熱加工でデフォルメしたビンなどもあり、簡単に好みの形のランプを作ったり、変形したりできます。
Loren Manquillet  www.lorenmanquillet.com
Lisa Lejeune www.lisa-lejeune.com