12/20/2014

ティルダ・スウィントンとオリヴィエ・サイヤールの“クロークルーム”


Cloakroom-Vestiaire obligatoire/Tilda Swinton au Palais Galliera

チルダ・スウィントン(TS)という俳優は、すばらしくムードのある個性的な容姿と、中身も容姿以上に個性的そうで、その彼女の特異な持ち味が最も発揮されるパフォーマンスが、先月末フェスティバル・ドトンヌfestival d'automneの一環として、パリ・モード美術館パレ・ガリレラで催されました。実はこれ私自身で見てはいないので、書こうかどうしようか迷っているうちに時間が経ち、しかし大好きなTSなので、さわりだけでも遅ればせながら取り上げることにしましたタイトルは“クロークルーム”、ガリエラのディレクター、オリヴィエ・サイヤール作で、いずれも絶賛された2012年“The Impossible Wardrobe”、2013年“Eternity Dress”に続く3回目の企画。

このパフォーマンスはクロークルーム係りに扮したTSと、観客の中の有志から預けられた服との対話とも言える無言劇、超アヴァンギャルドなファッションショー。観客次第で何が出てくるかわからない服が相手なので、即興の要素が濃い。服を撫で、香りを嗅ぎ、コートを前後逆に着てみたり頭から被ったり、花を添え、メッセージを入れ、テーブルの下から覗いたり乗りあがって上から眺めたり・・・彼女の動きだけがキーポイントなので、一つ一つの動作がよほど洗練されて美しくなければ成り立たないショー。彼女のように不思議なムードでポエジーを表現できる人も珍しいのでは?

このパフォーマンスのクリエーター、オリヴィエ・サイヤールも、歌舞伎の黒子のように舞台に登場
Photos by Palais Galliera, Cloakroom/Palais Galliera 

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