3/09/2019

シエナ・ドゥオモの大理石細工の床


Marqueterie en marbre de Duomo de Siena

このブログで取り上げるテーマは、多少の例外を除いて、アバウト1900年以後のアートとデザインに絞ろうと思っています。今日はその例外、イタリア・ルネッサンス14~16世紀の芸術の事、それが時にはすごくモダンだというお話です。

春休み(フランスでは冬休みと呼ぶ)に、トスカーナ地方の古都巡りに行ってきました。まだシーズンオフでお店やレストランも半分以上閉まっていて、心配したシエナのドゥオモも、並ばずスッと入れてラッキー。内部の素晴らしさに圧倒されました。

特に感激したのは広い内部を覆う大理石の寄せ木細工の床。聖書の物語を表した大きな物は特に圧巻、素晴らしくダイナミックで美しい線、現代に通じるモダンさ。これって500年前のマンガじゃない ?!

 

下は運命の歯車にしがみつく人、それを囲む4人のギリシャ哲学者が手にする紙には、運命についての教えが(ラテン語で)書いてあります。つまりマンガの吹き出し‼
  
ジオメトリーとデザイン化されたデッサン、円柱のストライプの洪水。

スペイン、フランス、ドイツ等の同時代の教会建築と比べると、派手というかとても斬新。どんなに装飾があっても、全体的にとても軽く、明るく、圧迫感がない。フィレンツェのドゥオモ等ブルネレスキの建てた教会内部も、無駄のない計算されつくしたジオメトリーで、クールという表現がぴったり。ジオ・ポンティなどイタリアのデザイナーがどこから来たのか、わかるような気がしました。


聖堂のファサードは(写真撮り忘れ)、白、緑、ピンクの大理石で彫刻や捩じれた円柱が一杯の過剰装飾なのに、まるで太陽を浴びて輝くホイップクリームのように軽く見えます・・

注 : 大理石細工の写真は、床に広がる絵を撮ったので、手前の足の部分が拡大され、遠いほど小さくデフォルメされて見えます。

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