Tabouret en bois de LinaBo Bardi/ Les femmes architectes
今トロカデロの建築文化財遺産博物館で、建築家達のデザインしたファーニチャー展が開催中です。その中で3人の女性建築家の作品が目につきました。今日はまず一番嬉しい発見だったリナ・ボ=バルディについてです。
以前オスロでリナ・ボ=バルディ(LBB)(1914-1992年)のビードロ・ハウス(ガラスの家)の展覧会を見てから、もっと彼女の作品を見てみたいと思っていました。活躍した場がブラジルと遠く、沢山の建築物を残さなかったので派手なイメージは全くありませんが、その道の専門家の建築家達が、ブラジルに行ったらぜひ見たいと思うのが彼女の作品なのだそうです!
LBBはローマに生まれ、建築科卒業後ジオ・ポンティの下で働きます。1946年に美術評論家でディーラーでもあるピエトロマリア・バルディと結婚し、可能性を求めて、ピエトロの持っていたストック全部を持って戦後の新しいブラジルに移住。サンパウロで開いた現代イタリア絵画展が大成功し、そこで彼らはオスカー・ニューメイヤー、ルチオ・コスタ、また営利目的無しの美術館を開きたいと大志を抱いていた富豪アシス・シャトーブリアンと知り合い、1948年サンパウロ美術館が誕生。リナが担当したこの建築は彼女の傑作の1つに、またピエトロは1996年までこの美術館のアートディレクターとして活躍。なんだか夢のようなストーリーですけど、全部事実。
展示されていたのは、彼女のファ―ニチャーの代表作の "キリン" と、サンパウロの小さなチャペルの椅子。どちらも究極のシンプルなデザインです。
写真上がLBBの設計したチャペル、サンタ・マリア・ドス・アンジョスのスツール。サンパウロから約50㎞の田舎に建つこの小さなチャペルは、質素なコンクリートの箱の様。中央入り口の壁面が台形で、ちょうどスツールの座る部分の形と同じなのは偶然? 因みにこのスツールはたった15点しか残っていない貴重品とか!
こちらはキリン椅子。これもシンプルな形からは想像もつかない優れものです。2本の前足は垂直、1本の後ろ脚はやや外側に斜めと、安定感も最高。しかもユーモアたっぷりでかわいいですね。
こちらは展示のなかった代表作のボールチェアー。金属の足にボールを乗せただけのデザイン。これもポップで座り心地満点そうです。しかも素材やカラーの組み合わせが無限で楽しそう。
サンパウロ美術館1968年: 大きな高速道路がぴったりと横を走り、それと立体クロスする高速の地下トンネルが崖下に黒々と見える厳しい場所を利用しています。当時画期的だった展示方法は、透明ガラスに絵を挟んで展示する方法。絵とビジターの距離が狭まり、ビジターが後ろに回れば、作品の後ろを見ることができるものです。(オスロのブログ参照)
By Le Monde
SESCポンペイア・スポーツ文化センター1977年: 古い工場を利用した市民のためのセンター。この工場跡を最初に視察した時、子供が沢山周りで遊んでいたのを見て、子供達からこれを取り上げるような施設を作ってはいけないと思ったとか・・
LBBの自宅ビードロ・ハウス1951年
Le Mobilier d'architects 1960-2020 9月30日まで
Cité de L'architecture & du Patrimoine, 1 pl.du Trocadéro 16e